S
うい、りょーかい。
大通りの中、車がひしめき合う渋滞の間を、 黒塗りの車がクラクションを鳴り響かせ、 半ば強引に走り抜けていく
高級車の手下
チッ、早く逃げねぇと
すると、突然社内全体に衝撃が響き渡り、 フロントガラスを人影が遮る。 男がいくらアクセルを踏んでも、車は動かない。
高級車の手下
は!?急にどうし、
先程とはまた別の少女が、黒い物体を手に此方を見ている。
T
はい、どーぞ
ガラス越しに見えたそれは この逃走劇の結末を無慈悲に告げた。
高級車の手下
ッ!
瞬間、耳を壁くような轟音が鳴り響き、 1台の車を包み込むように炎が上がる。
一般人
なんだ?
何事か、と人々が集まって来た頃には、 少女たちの姿は消えていた。
F
いやー、危なかった〜
K
ホントにね
T
セレーネがあそこでタイヤ撃ってくれて助かったよ
S
天才って呼んでくれてもいいけど!!!
F
まさかこの前あげた手榴弾がこんなに早く役に立つとは
T
あれ楽しかったからまたちょーだい
F
おっけー
S
ガン無視!?
S
まあ、帰りますかねぇ
K
うん
この時の彼女たちは知る由もなかった。 これからめんどくさいことに巻き込まれていくことを――
おまけ
F
ただいま〜
A
あっ!おかえり!
R
今日は遅かったね
E
どっか怪我とかしてない?
S
実は屋上のコンクリートの欠片刺さったり……
T
馬鹿だね
K
三葉、そんなこと言わないの。音寧のガラスメンタルが壊れるでしょ?
S
グハッ
F
音寧が可哀想に思えてきたかも
S
同情するなら金をくれ
E
コンクリートね、
まよさーん!!
まよさーん!!
M
ん、救急箱
E
ありがと
E
他は?もういない?
K
だいじょぶだよ
E
はいは〜いっ







