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月の光を辿って

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月の光を辿って

14 - 第14話 真夜中の襲撃②

2025年04月15日

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リアム

……お姉ちゃん。

リアム

僕っておかしな子?

リアム

いっつも学校の皆に言われるんだ。
変な子、おかしな子って。

メグリ

学校でそんなことがあったんですか?

メグリ

何かあったらわたくしに言ってくださいね。
わたくしがリアムを守りますから。

リアム

うん……ありがとう、お姉ちゃん。
でもやっぱり不安なんだ。

リアム

僕、皆と仲良くしたい……。
変な子なんて言われたくないよ。

リアム

どうして僕は駄目で他の子はいいの……?

メグリ

リアム。
リアムが駄目なんてことはありませんよ。

メグリ

わたくしも、お母様も、お父様も。
リアムのことは大切に思っているんです。

メグリ

きっと、学校の皆さんもリアムと話をしたら分かりますよ。

メグリ

……それに。

メグリ

リアムがどんなに変な子でも、わたくし達家族はリアムを愛しています。

メグリ

だから心配しなくていいですよ。

リアム

ありがとう……お姉ちゃん……。
僕、学校の皆と話してみるよ!

リアム

もしかしたら、皆分かってくれるかもしれない。

リアム

変な子だって言われずに仲良くできるかも……!

メグリ

ふふ、頑張ってください。
応援していますよ。

───それからだった。 僕が薬を被って片目の視力だけ著しく落ちたのも。

姉さんが、不幸な事故で盲目になったのも。

リアム

……っ!

ガバッ!

霽月

……あ、やっと起きた。

イザヤ

体はどうだ? 骨は折れていないか?
起きるのはゆっくりだ。ゆっくり起きろ。

リアム

あ、うん……。

リアム

さっきのサキュバスは……?

霽月

あたしが剣を刺したら逃げた。
ご丁寧に刺した剣は置いてったよ。

リアム

霽月さんが……。
ありがとう、お陰で助かったよ。

霽月

あんたも集落が襲撃されてるって分かってたなら逃げればよかったのに。

霽月

あんたの姉も心配してたよ。

リアム

姉さんが……。

リアム

というか、集落襲撃されてたの?
知らなかった……。

イザヤ

メグリさんは診療所に居る。
診療所まで行ってみたらどうだ?

イザヤ

あそこなら避難も出来るしな。
それと、患者を宥めておいてほしいんだ。

リアム

分かった。イザヤさんもありがとう。

リアム

この上着、イザヤさんのだよね?
血で汚れちゃったから洗って返すよ。

イザヤ

いや、大丈夫だ。
心配しなくてもいいぞ。

リアム

いや、でも……。

イザヤ

……恥ずかしい話なんだが、それを着ていないと少し寒いんだ。

イザヤ

だから、自分で洗うから心配しなくていいぞ。

リアム

え、それじゃあ早く返さなきゃ!
なんかごめん、寒いのに……。

イザヤ

いや、自分でしたことだからな。

霽月

ふぅ……。
それじゃあ気を付けてね。

リアム

うん。霽月さん、イザヤさん、ありがとう。
2人のお陰で助かったから。

霽月

んじゃ……あたし達は魔物のところに行こう。
見送りは流石に大丈夫だよね?

リアム

うん。

霽月

さ、どうする?
魔物は結構減ってるみたいだけど。

イザヤ

そうだな。
だが警戒しておくに越したことはない。

イザヤ

あいつのことだ。
いつ強力な魔物を放ってもおかしくはない。

霽月

そーだね。
とりあえず警戒しながら魔物を───

ザイン

あ、イザヤさんに霽月!
びっくりした、どこに行ったのかと……。

ザイン

え、ちょっと霽月、剣向けないで?
もしかして驚かせちゃったかな?

霽月

魔物が来たのかと思った。
ごめん。ザインだったんだね。

そう言いながら霽月は剣を降ろす。 ザインはほっとしたように話を続けた。

ザイン

それで、2人はどうしてこんな所に?

イザヤ

実は魔物が突然集落を襲撃してきてな。
俺達は住民を助けながら戦っているところだ。

ザイン

え、あ、そうだったんですか?
全く知らなかった……。

ザイン

あの、僕も加勢しますか?
武器は持ってきているので……!

イザヤ

それじゃあ頼めるか?
人は多い方が助かるんだ。

ザイン

分かりました。精一杯戦いますね!

スッ……

霽月

あんたの武器、槍なんだね。

ザイン

うん、そうだけど……。どうしたの?

霽月

あ、いや、別に何ともないけど……。

ザイン

この槍はお守りみたいなものなんだ。

ザイン

僕が槍を使ってみたいと相談したら父さんがくれたんだ。

霽月

へぇ。

魔物

グゥ……グゥゥ……。

イザヤ

よし、魔物を倒すぞ。

魔物

グゥ……!

ザイン

……おっと!

ザインは襲ってきた魔物に槍を突き刺した。 槍に突き刺された魔物はすぐ灰になり消えてゆく。

イザヤも武器を手に持ち攻撃を始める。 霽月も同じ様にして敵を斬り裂いていった。

魔物

ガァ……グァァ……!

霽月

駄目だ、斬っても斬っても沸いてくる。

イザヤ

仕方ない、森奥の封印を使うか。
それか巫術を使って弱体化させても……。

霽月

ふ……じゅつ……?

イザヤ

あぁ。未来を視たり予言したりすることが出来る術を使う者達のことだ。

イザヤ

悪霊や魔物を祓うこともできるんだ。
マドカが使えるみたいなんだが……。

イザヤ

……あいつら、どこにいるんだ?

霽月

そうなんだね。

霽月

さっきまではどちらかというと麓の方だったけど……もう奥の方に行ってるんじゃない?

イザヤ

それじゃあ俺達は先に封印場所に向かうか。
2人に連絡をして……。

ザイン

あ、その鳥……。
連絡用なんでしたっけ?

イザヤ

あぁ。伝書鳩みたいなものだ。

イザヤ

……さぁ、マドカを探してこの手紙をあいつに届けてくれ。頼んだぞ。

バサッ!

イザヤが鳩に向かってそう呟くと、手紙を任された鳩は それに応えるかのように翼を広げて飛んでいった。

イザヤ

それじゃあ、俺達も魔物を倒しながら奥の方に向かうか。

イザヤ

きちんと着いてこいよ。

ザイン

はい。

霽月

ここが封印場所……。

霽月

ここ、もしかして神殿……?

イザヤ

あぁ。元々は5大神殿の1つだったんだがな。

イザヤ

十数年前の大戦争で5つの神殿の内4つが完全に破壊されてしまってな。

イザヤ

この神殿は少し壁が崩れていたり歪んでいたりはするが建物の形自体は残っている。

イザヤ

だから今はこうして封印場所として使われているんだ。

霽月

へぇ。

ザイン

封印の神殿……。久々に来たなぁ……。

イザヤ

ん? 来たことがあるのか?

ザイン

あ、と言っても1年生の頃に郷土学習の一環で来ただけなんですけどね。

ザイン

巫女さんの使っていた巫術がとても綺麗だったのが、今でも記憶に残っていて。

霽月

へぇ。

霽月

巫術ってそんなに凄いものなんだね。

イザヤ

元々巫術や巫女、神殿も神聖なものだとされているからな。

イザヤ

ここも、こうなる前はもっと美しくて神聖な場所だった、と聞いたことがある。

イザヤ

神に関わるものは全てそうなんだろう。

霽月

ってか、神が居るの?

霽月

神が居るならその神に協力してもらって魔物を倒せばいいんじゃないの?

イザヤ

───あぁ。そうなんだ。
だが、神はずっとここに眠っているんだ。

イザヤ

そして、巫女や神官達は皆口を揃ってこう言うんだ───

イザヤ

『神は、ソレイユが終わりを迎えると同時に目覚め、ソレイユを混乱と恐怖から救う』と。

イザヤ

全員それだけ言うものだから、その“終わり”が明日なのかはたまた1000年後なのかは分からないんだ。

霽月

ソレイユ……ソレイユ……?

霽月

ソレイユって何?

ザイン

えっと……知らないの?

ザイン

ソレイユはこの世界の名前だけど……。

霽月

あ、そうなんだ。
……って言うのもおかしいか?

イザヤ

そういえばお前には話していなかったな。
それくらいは知っていると思ったんだが……。

霽月

馬鹿にしてる?

イザヤ

いや、そんなことはない。

イザヤ

ソレイユは6つの地区に別れている。

イザヤ

アルフィ地区、ベーテ地区、ガンマ地区、デルタ地区、イプシロス地区、ディーア地区の6つだ。

霽月

へ〜。

霽月

……ここは何地区なの?

イザヤ

ベーテ地区だ。

霽月

ふーん。

ザイン

にしても全然来ないなぁ。

バサバサッ───!

霽月

あ、あの鳩。
なんか慌ててない?

ザイン

何かあったみたいだね。

イザヤ

……どうしたんだ?

慌てふためく伝書鳩を見つめながら、 イザヤは伝書鳩に向かって話しかけた。

伝書鳩は何か伝えようとしているらしく、 手紙を届けようとした時に見たであろう状況をイザヤ達に 伝えるべく、身振り手振りで何かを表していた。

イザヤ

───そうか。分かった。
それでも手紙を届けようとしてくれたんだな。

それから何かを汲み取ったらしいイザヤがぽつりと呟いた。 そして、2人の居る方向に向き直り口を開いた。

イザヤ

あっちに手強い魔物が居るそうだ。
俺達も加勢しに行くぞ。

次回:2025年4月22日

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