TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

月の光を辿って

一覧ページ

「月の光を辿って」のメインビジュアル

月の光を辿って

15 - 第15話 真夜中の襲撃③

2025年04月22日

シェアするシェアする
報告する

少し遠くから3人を見つけたスイは、 魔物の攻撃を剣で受け止めながら3人に声をかけた。

スイ

皆さん! こっちです!

イザヤ

一体何があったんだ?

スイ

魔物を倒しながら神殿に向かっていたんですけど、突然強力な魔物が現れて……

スイ

うわっ───!?

マドカ

先輩!

スイの不意をつくように攻撃をしてきた魔物を見て、 マドカは魔物が前に突き出した右腕に向かって札を投げた。

霽月

大変そうだね。

霽月

さっきまで居た魔物が全員弱かったのも、
この魔物を出すからだったのかな?

ザイン

この魔物を封印した方がよさそうだね。

イザヤ

……よし、俺達で封印場所までおびき寄せるぞ。

イザヤ

マドカは封印装置を起動させておいてくれ。

マドカ

分かりました。
時間がかかるので足止めもお願いしますね。

魔物

あぁ……

魔物

哀れな人間達……。

魔物

貴様らに居場所などないのだ……。

霽月

うわ、この魔物喋るんだけど……

イザヤ

魔物は元人間や自我が芽生えた者は喋るんだ。

イザヤ

そういうのは固有の能力を持っていることもあり、強力な魔物が多い。

イザヤ

(こいつは人間の原型が全くない……。
魔物に自我が芽生えたのか?)

霽月

ま、どんな奴であろうと、魔物になったからには可哀想だけど倒すしかないね。

ザイン

可哀想って言っておいてあまり躊躇いが無さそうだけど、僕も同感だよ。

スイ

封印が目的なのでおびき寄せるだけですよ……?

イザヤ

ここで倒せるのが1番いいんだがな。
今回は封印場所までおびき寄せるんだぞ。

ザイン

っと───!

魔物の皮膚に槍を突き立てようとしたザインだが、 魔物の皮膚は硬く、それは叶わなかったようだ。

魔物

我は強い。

魔物

貴様らになど負けない……。

霽月

うわっ……

霽月

あいつ武器持ちなの?

弓を取り出した魔物を見た霽月は うげ、とでも言いたげな顔をしてそう呟いた。

ザイン

弓か……。

ザイン

ただ、魔物が扱う弓はそんなに強くないはず。
近接戦にさえ気を付ければ───

ヒュウ……

ザイン

うわ……

魔物の放った矢がザインの顔の真横を通り抜ける。 当たったらひとたまりもないような、そんな矢だった。

霽月

結構強そうだね。
魔物でも弓の訓練はするの?

スイ

相手の矢がなくなるのを待ちますか?

ザイン

……いや。
あの魔物、魔法で矢を生成している。

ザイン

それなりに魔法も使えるみたいだね。

霽月

もはや最強なんじゃない?

スイ

いえ、魔法を使用する魔物の場合は体内のコアを壊せばコアが治るまで魔力の供給はストップされるのですが……。

ザイン

そのコアすらも見えないね。

パァンッ!

発砲音が響く。 イザヤが魔物に向かって攻撃をしている様だった。

霽月

とりあえずコアを探してみる?

スイ

そうですね。

霽月

そういえば、あの弱体化の毒はある?
あれ便利そうだったけど───

スイ

はい。既に私の剣に塗りました。

霽月

そっか。
それじゃあ───

魔物

フッ……!

魔物が2人の居た場所の地面を力強く殴った。 2人はその攻撃をそれぞれ反対方向に避け、スイは剣を構えた。

魔物

どいつもこいつもちょこまかと……。
貴様らはもう負けるというのにな。

スイ

さぁ、どうでしょうかね……!

ザシュッ───

スイは剣で魔物の腕に切り傷をつけた。 傷がついたことに驚いたのか、魔物は切られた腕を見つめた。

魔物

貴様……何か小細工をしたな?

魔物

貴様だ。水色髪の小娘。
小賢しい真似を……。

魔物

少しずつ弱らせてから殺してやろうと思ったが……。

魔物

気が変わった。今すぐにでも殺してやろう。

ギョロ……

魔物は大きな2つの目玉をギョロリと動かし、 スイの方を見た。

弱体化の毒はきちんと効いているのか、 この魔物にはそれ程効かないのかは今は分からない。

2人はギョロギョロと動く2つの目玉に気味悪さを感じつつも、 魔物を倒すべく剣を構えた。

イザヤ

(どうやってあの魔物を封印場所の神殿までおびき寄せるか……)

イザヤ

(……ん?
ザインはどこに行った?)

ザイン

……イザヤさん、少し相談があるんです。

イザヤ

うわっ、びっくりした……。

イザヤ

今必要な相談か?
すまないがそうじゃないなら後でにしてくれ。

イザヤはそう言うとライフルの弾を補充しはじめた。 しかし、ザインは何か言いたげな表情をしている。

ザイン

今必要な相談です。

ザイン

……あの魔物を、神殿までおびき寄せる方法について考えていました。

イザヤ

きちんと考えていたんだな。

イザヤ

……それで?
何か思いついたということだよな?

ザイン

───はい。

ザイン

ですがまぁ、囮役を1人決めてどうにかおびき寄せるという単純な方法なんですが……。

ザイン

その囮役についての相談です。

イザヤ

……で、その囮役は誰がいいと思ったんだ?
また自分がやるなんて言いたいのか?

ザイン

いいえ。
もう無謀なことはしません。

ザイン

僕は、今の状況では囮役に相応しいのはスイちゃんだと思うんです。

ザイン

あ、仲間を売っているとか断じてそういうのではなく───。

ザイン

……スイちゃんの方が、僕か霽月が囮役をやるよりもあいつをおびき寄せやすいと思うんです。

イザヤ

それはどうしてだ?

ザイン

今、スイちゃんは完全に敵の視界に入っているはずです。

ザイン

その方がおびき寄せやすいかな、ってだけなんですが……。

イザヤ

分かった。そうしよう。

イザヤ

お前は2人にそのことを伝えてきてくれ。
きちんと伝われば伝え方は何でもいい。

イザヤ

俺は、移動しながらお前達をサポートする。

イザヤ

これでも狙撃は得意分野だから、心配しなくてもいい。

ザイン

はい。分かりました。

イザヤ

……。

イザヤは狙撃が上手なのね!

将来はもっと上手になるのかしら。

おいイザヤ、聞いたぞ!
俺の友達に的当てで勝ったんだってな!

凄いなぁ、大人相手でも勝てたのか!

こりゃ今日はお祝いだな〜。

いらない

昔の記憶なんていらない

俺はもう全部忘れたんだ

街でも噂されてるわよ!

ふふ、もうイザヤは小さなスターね!
街でイザヤのことを褒められて、私まで嬉しくなっちゃったわ〜。

子供に銃の扱い方を少し伝授するためのはずが、もう俺より強くなってるな。

やっぱりお前には素質がある!

いらない

だからもうそんなこと忘れたんだ

ふふ、今日はお祝いよ!

『……なんのお祝い?』

勿論、あなたの誕生日のお祝いよ!

お誕生日おめでとう、イザヤ!

さぁ、俺からのプレゼントだ。

お前は俺達の誇りだよ。
これからも、お前のことを応援してるぞ。

いらない

あら、今日も狙撃の練習?
頑張ってね! 応援しているわ!

いらない

お前が学校に入ったら、同級生からは尊敬されるだろうな!

俺はそれが楽しみで仕方がないよ。

いらない

……いらない。

全部いらないんだ、俺には。

住民

おい、聞いたか?
街の狙撃が上手いって噂の───。

住民

聞いた聞いた。
家族が死んだんだってな。

住民

可哀想だよな、あんな子供1人で。

住民

……しかもこれからは研究所に引き取られるらしいぞ?

住民

いやぁ、俺も家族が研究所に連れていかれるなんてことになったら怖いなぁ〜。

住民

……でも、

あの子供には、それに怯える 家族すらいないんだったな

住民

研究所の奴も酷いよなぁ、本当に。

イザヤ

はぁ〜…………。

イザヤ

(何考えているんだ本当に。)

イザヤ

(もうあれはとっくに終わった。
気にしなくていいというのにな───。)

イザヤ

(……俺も早く行くか。)

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚