青井 ラディ
青井 ラディ
ヘリはもう間もなくロスサントスの外へ出る。
そうしたら、この街とも"この世界"ともおさらばだ。
青井 ラディ
青井 ラディ
青井 ラディ
青井 ラディ
その瞬間
ヘリが制御不能になり、急降下し始めた。
青井 ラディ
噎(む)せるほど立ち込める煙。
ビーッ!!ビーッ!!と鳴り響く警告音。
ガタガタと揺れる機内。
青井 ラディ
こうなることは知っていた。
ロスサントス……もといストグラというシステムの範囲外に出れば途端にヘリが壊れること。
知った上で街の外まで飛んだのだ。
青井 ラディ
ガシャン!!と機体が水面に打ち付けられ、運転席がひしゃげた。
青井 ラディ
深く、深く
落ちていく
だんだんと意識も薄れて
・
・
・
海の底へ
青井 ラディ
青井 ラディ
「………ぃ…」
「……!! …っ……しろ…!! 」
成瀬 力二
誰かにボードへ引き上げられた。
成瀬 力二
青井 ラディ
成瀬 力二
成瀬 力二
それが病室で最初に睡眠薬をぶっ掛けた奴だと知った時は驚きよりも疑問が強かった。
青井 ラディ
成瀬 力二
成瀬 力二
成瀬 力二
成瀬 力二
成瀬 力二
青井 ラディ
俺はらだおに会ってどう許しを乞えばいい?
青井 ラディ
成瀬 力二
成瀬 力二
成瀬 力二
応急処置を終えた成瀬は運転席に座り、ボートを動かし始めた。
成瀬 力二
成瀬 力二
成瀬 力二
落下の衝撃か、煙の吸いすぎか、成瀬の言う通り、体は思うように動かない。
月がこちらを憐れむように空から見下ろしていた。
青井 らだお
半信半疑の成瀬を連れて西の海岸沖に送り込んだのは良いものの、離れている浜辺まで聞こえたヘリの衝撃音に、ラディへの心配が尽きない。
と、そこへ一隻のボートが浜に到着した。
青井 らだお
青井 らだお
成瀬 力二
成瀬 力二
青井 らだお
成瀬 力二
成瀬 力二
らだお自身も無断で病室を抜け出していたので、早急に戻らなければまた誘拐騒ぎになりかねない。
青井 らだお
ボートにびしょ濡れで横たわるラディを抱き抱えた。
青井 ラディ
青井 らだお
青井 らだお
その後、らだおと成瀬によって病院へと運ばれ、医者からきちんとした処置を受けた。
青井 らだお
青井 ラディ
青井 ラディ
青井 ラディ
そう言って、布団を頭まで被った。
青井 ラディ
青井 らだお
青井 ラディ
青井 らだお
青井 らだお
キシ、とベッドが軋(きし)み、少し右へ傾いた。
青井 らだお
青井 らだお
青井 ラディ
青井 らだお
青井 らだお
青井 ラディ
青井 ラディ
青井 ラディ
青井 ラディ
否定してくれなかったらどうしよう。
必要だって言って欲しい。
だって双子である以前に俺は…
青井 ラディ
青井 ラディ
言葉にしてしまった。
らだおに伝えてしまった。
らだおの反応を待っていると、らだおがおもむろに立ち上がり、ベットの軋みが無くなった。
青井 ラディ
外の様子が気になり、目元まで布団を下ろすと、目の前にらだおの顔があった。
青井 ラディ
驚いて目をギュッと閉じれば、額に柔らかい感触。
青井 らだお
青井 らだお
青井 らだお
青井 ラディ
青井 らだお
青井 ラディ
青井 らだお
青井 ラディ
「兄さん」
その後、ラディは正式にロスサントスに移住することを決意した。
ラディは知っていた。
ロスサントスという街がゲームであることを。
ロスサントスで過ごしたこの数日の出来事が、誰の記憶からも消えてしまうことを。
ただ、観測者を除いて。
これは、ラディがロスサントスに来るきっかけとなった、誰も知らない物語かもしれない。
青井 ラディ
コメント
3件
うぁ!?!?ぇ、めっっっちゃ好き!!神だぁぁあ!最高すぎるぅ!!良い!!
急に終わったで