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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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フッと、

自身の体が落ちていく

弧を描きながら飛んでいくような

そんな感じ...

悠希

・・・

俺は、いや僕は

昼食のトーストを食べながら 普段はあまり見ないニュースを見ていた

知り合いが、ニュースや新聞を見てる奴は 頭が良いとか言っていたが、そんなことはない

ただボーッと流れていく映像を見てるだけ

どうやったらこれで頭が良くなるのだろう、と自嘲しながら

ニュースキャスターが話す内容に耳を傾ける

ニュースキャスター

ええ、次のニュースです。

ニュースキャスター

先日未明、東京都の品川区で
身元不明の遺体が発見されました

ニュースキャスター

遺体の周りには、アスファルトの上にも関わらず
大量の品種不明の花が咲いており

ニュースキャスター

遺体の状態はミイラ化していたとのこと

ニュースキャスター

警察は現在、事件を調査中です

ニュースキャスター

次のニュースです

ニュースキャスター

本日、あの大物俳優である○○さんが...

へぇ

僕は、先ほどのニュースに少し気になった

どうやってこの状況ができたのか、興味があった

お、もしかしてこういうのが、頭が良いってことなのか?

まぁ、そんなわけがないな

こんなこと明日になったら忘れているだろう

忘れるということは、それだけのものでしかない、ということだ

なら、どうでもいいか

僕はそう考え、思考をニュースから 今日行く植物館のことに切り替えた

悠希

日本一の植物館ねぇ...

僕は、件の植物館のパンフレットを眺めながらぼやく

最近、この近くに 大きな植物館が開館したらしく

僕は、今日ここに行く予定だ

悠希

どんな感じなんだろうか

未知の体験に心を躍らせながら、僕は支度を済ませる

悠希

よし、これぐらいで良いかな

リュックサックには、水筒、ペンと手帳、パンフレットが入ってある

悠希

じゃあ行くかな

僕は、帽子を被り リュックサックを背負い、植物館へと向かった

植物館へ着き、受付へと僕は向かう

従業員

いらっしゃいませ!

従業員

ようこそ!旧植物館へ!

受付で、僕は熱烈に歓迎された

従業員

お客様、ここは初めてですよね?

悠希

はい

従業員

それでは、私がここの説明をさせていただきます!

従業員

ここはですね!パンフレットに書いてありますように!

従業員

古今東西、ありとあらゆる植物が展示されており

従業員

その中でも、昔の昔、古代の植物を中心に展示されています!

従業員

しかも!ここには、
他の植物館にはない貴重な花が展示されています!

従業員

勿論、メジャーな植物もたくさん咲いてありますので

従業員

どうか、ごゆっくり、満喫して下さい

悠希

ありがとうございます

そう言って従業員は、他の客の相手をしに行った

悠希

さて、じゃあ行くか

目の前には、前、右、左に扉がある

懐古の植物コーナーはこちら→

僕は、右の扉を開けた

悠希

おぉ...!

館内は、流石大きな館と銘打っているだけに広かった

ガラス張りの天井は太陽の光を煌びやかに映し出す

悠希

おっと、早く探索しなきゃ

あまりにも綺麗な光景に見とれ、本来の目的を忘れかけていた

館内には沢山の木や花が咲いており、水の流れる音がよく聞こえる

悠希

お?この白い花は...

 トウダイグサ科トウダイグサ属 『ポインセチア』 11月頃から12月頃に美しく色づく

僕は設置されている説明文を読む

悠希

やっぱり!これ、母さんが好きな花だ!

美しい白色の花弁と花言葉が、母さんはとても好きだったらしい

クリスマスの夜に僕に教えてくれたんだ

えーと、花言葉はなんだったっけ?

悠希

あー...

何だろう、記憶が曖昧だ

悠希

まぁ、いいか

古代コーナー

僕は、次のエリアに移動する

ここにも沢山の木や花が咲いている

悠希

お?

周りの木のなかで、一際大きい木がある

イチョウ科イチョウ属 『イチョウ』 イチョウは実は、一億五千万年前の古代から繁栄していました そして現在、一種のイチョウだけが残っています

悠希

へぇ、知らなかった

そう思うと、このイチョウからとてつもない神秘を感じてくる

悠希

我ながら薄情だな

少し自嘲する

悠希

お?これは...

案内板を見ると、この先に寄生植物コーナーとやらがあるらしい

悠希

・・・

僕は早足で向かった

寄生植物コーナー

悠希

っ!

入ると 先ほどの場所より、じめじめとした感覚を覚える

ラフレシア科ラフレシア属 『ラフレシア』 ブドウ科の植物の根に寄生する、全寄生植物

ヤッコソウ科ヤッコソウ属 『ヤッコソウ』 シイノキなどの根に寄生する、全寄生植物

ハマウツボ科ハマウツボ属 『ハマウツボ』 キク科ヨモギ属の根に寄生する、全寄生植物

ツチトリモチ科ツチトリモチ属 『ツチトリモチ』 ハイノキ属のクロキやハイノキなどの根に寄生する

沢山の花があるが、気分は優れない

どれもこれもが不愉快で、醜いとさえ思う

悠希

ぁあ、

頭が重い

妙な倦怠感を感じながら

僕は、

僕は、館の中央へ、半ば無意識に向かう

悠希

ぁぁあ

頭が痛くなってきた

倦怠感は最早、強烈な疲れへと変わった

それでも

僕の足は中央へ、中央へと向かう

悠希

つい、た...

そうして、たどり着いた

中央には、一輪の小さな花が咲いていた

設置されている説明文には

希望科 未来属 『ドリームフィン』 貴方の怠惰な夢は終わりを告げる 頭に咲いたお花を枯らせ 待ち人がいる

悠希

ぅ、ぁ

頭痛が酷くなる

何だ、僕は、いや俺は、何かを忘れている?

悠希

悠希

...12月26日?

悠希

車が、俺、飛ばされて...

思い出した

俺は、帽子を投げ捨てる

悠希

やっぱり...か

俺は自身の頭を触る

すると、髪の毛とは別の感触

そう、まるで花弁のような...

悠希

はは、

悠希

何で、忘れてたんだ?

戻らなきゃ

俺は、戻らなきゃいけない

悠希

目の前に咲いている花が

光の粒子となって、消えていく

それと同時に、俺の頭に咲いている花の感触がなくなっていく

そして、俺の体は

空へと吸い込まれるように、

落下した

...ゆ..き..?

声が、聞こえる

.....ゆう...き...!...?

俺を、呼ぶ声

せん....せ..! ..う..が!

眠っていた俺を、ずっと待ってくれていた人

悠希!

今、行く

悠希!?先生!悠希が!

医者

これは...なんてことだ..

目を開けると、そこには見知った人の姿

その姿を見間違えるはずがない

悠希

・・・

悠希

かあ...さん..

悠希

かあ、さん..!

悠希!!

うぅ...良かった、良かった...

医者

あの状態から意識が戻るとは

医者

これは、正に奇跡だ...

医者

私は少し、席を外させていただきます

そう言って医者は席を外す

はい、ありがとうございます

悠希...

悠希

母さん...

悠希

...ただいま

...おかえり!

静かな病室の中で、 一輪のポインセチアが、すきま風にゆられていた

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