イザヤ
早く診療所の中に隠れろ!
霽月
メグリ
ですが何故───
イザヤ
メグリ
わたくしは見ることは出来ないのですが。
イザヤ
ついさっき、魔物が集落を襲ってきたから隠れた方がいい。
霽月
家に置いてけぼりなんじゃない?
メグリ
もうリアムも子供ではないので。
イザヤ
1階に皆集まっているから俺達も行くぞ。
霽月
霽月達3人は1階の待合室まで移動してきた。 突然の襲撃に不安を抱えている人達が多く、待合室は軽くパニック状態になっている様だった。
イザヤ
霽月
そりゃ当然か。
メグリ
もしや、こういう事態に慣れていらっしゃる?
霽月
霽月
メグリ
霽月さんは戦ったのですか?
霽月
メグリ
メグリ
失明してからはそうもいかなくて。
メグリ
霽月
霽月
霽月
メグリ
霽月
それが何故か結構手に馴染むというか───
霽月
メグリ
メグリ
霽月
まだしてないよ。その他のことが忙しくて。
メグリ
なにか手がかりになり得るかもしれませんよ。
霽月
イザヤ
手伝ってほしいんだが……。
霽月
武器は?
イザヤ
そう言うと、イザヤは1本の剣を霽月に渡した。 剣は斬れ味が良さそうなものだった。
霽月
前は銃じゃなかった?
イザヤ
イザヤ
霽月
霽月
『この剣は俺の大切な剣だ。 これはお前にやるから、大切に使えよ。』
『そうそう、この剣の名前は───』
霽月
霽月
霽月
霽月
銃より手に馴染んでいる気がする。)
イザヤ
霽月
霽月
いつここが襲撃されるか分からないし。
メグリ
メグリ
メグリ
少し心配ですので。
霽月
イザヤ
戦場にはスイとマドカも居るはずだ。
霽月
イザヤ足速くない?
イザヤ
それもいずれするぞ。
『はは、お前はもっと訓練が必要だな。 いずれは俺にも勝てるようになってくれよ。』
霽月
霽月
スイ
マドカ
スイ
住民の皆さんの為だから、頑張って。
マドカ
イザヤ
スイ
スイ
霽月
思ったより簡単そうじゃん。
マドカ
イザヤ
霽月
リアム
リアム
リアム
魔物
リアム
魔物
リアム
リアム
すると、リアムはナイトテーブルに置いてあった 薬とナイフを手に持つ。
リアム
リアム
───僕、これでも薬剤師だから。
魔物
リアム
リアム
もしかして有り得ないくらい弱い?)
リアム
リアムは先程まで使っていたナイフを見ながらそう呟いた。 すると、魔物が突然闇に包まれて消えていった。
スゥッ───
リアム
リアム
でもそれがないということは……)
リアム
リアム
サキュバス
サキュバス
もしかして、アナタのせいかしら?
リアム
これまた厄介な……。)
リアム
もしかして誰か見えてる?
リアム
でも僕は───うわっ!
ドサッ
リアムは、部屋の隅に置いてあった 木箱の上に打ち付けられてしまった。 サキュバスがリアムを蹴飛ばしたのだ。
リアム
リアム
いくら魔物でも礼儀がなってないんじゃない?
サキュバス
よく回る口だなぁ、と思っただけよ。
サキュバス
よろしくお願いするわ。
リアム
リアムはサキュバスを精一杯の力で蹴り上げようとするが、 サキュバスはひらりとその攻撃を避けた。
すると、サキュバスは口に手を当て笑う。
リアム
サキュバス
気にしなくてもいいわ。
リアム
リアム
さっきの魔物は何?
サキュバス
ワタシの使い魔のようなものかしら?
サキュバス
サキュバス
リアム
サキュバスも使い魔も変わらないでしょ。
リアム
僕が君と戦闘する必要ある?
サキュバス
リアム
リアムは懐に隠していたナイフをいくつか取り出し、 サキュバスに向かって投げた。
サキュバスは軽々しくそれを避ける。 余裕飄々、といった様だった。
ガッ───!
今度はリアムはナイフを投げるのではなく サキュバスを殴ろうとしたのだが、それもサキュバスの 足によって防がれてしまった。
リアム
リアム
攻撃しまくって攻撃の量で押し切れば……!)
サキュバス
隙だらけよ、っと……!
サキュバスが3回蹴りを入れる。 リアムは2回目まではそれを避けていたが、 3回目に当たってしまった。
ハイヒールの鋭利なかかとが、 リアムの顔に1つの細い切り傷を作った。
リアム
サキュバス
サキュバス
隙だらけだし、何より弱いもの。
切り傷の傷口から、血がたらりと垂れる。 リアムはその感覚に少しの不快感を覚えた。
それでも血を拭い、リアムはサキュバスを睨みつける。 サキュバスはにやりと口角を上げて笑った。 そして、リアムの右手をハイヒールで踏みつける。
サキュバス
アナタ、本当にワタシに勝てるのかしら?
サキュバス
リアム
サキュバス
ニンゲンの言葉で言う満身創痍ってやつ?
リアム
リアム
グググググ……
サキュバスは右手でリアムの首を掴み、壁に押し付けた。 そして、サキュバスの左手には先程の闇が纏っていた。
サキュバス
もっと面白いニンゲンは居ないかしら。
サキュバス
きっとアナタは耐えられなくて死ぬわ。
サキュバス
人生お疲れ様とでも言うべきかしら?
サキュバス
ヒュウッ───
ザクッ
サキュバス