いつの間にか、空は晴れていて…
そんな空を見ていると、 全てどうでも良くなってくる。
ころん
結局僕ら誰にも…
ころん
愛された事など…
なかったんだ。
なかったんだ。
るぅと
……
るぅと
そうですね。
そんな嫌な共通点で…
僕らは簡単に信じ合ってきた。
ころん
サッ…
君の手を握った時…
微かな震えも既に無くなっていて…
るぅと
もう、誰にも
縛られないでいいんですね…
縛られないでいいんですね…
ころん
そうだね…
そう話しながら、 2人は線路の上を歩いた。
大人
おい!待てっ!!
ころん
行くよっ!!
るぅと
はいっ!!
大人
あいつらを捕まえろっ!!
金を盗んで、2人で逃げて
どこにも行ける気がしたんだ。
今更怖いものは、 僕らにはなかったんだ。
額の汗も、落ちたメガネも、
ころん
今となっちゃ、
どうでもいいさ。
どうでもいいさ。
るぅと
あぶれ者の、
小さな逃避行の
小さな逃避行の
旅だ───。
いつか夢見た。
るぅと
優しくて、誰にでも
好かれる主人公なら、
好かれる主人公なら、
るぅと
汚くなった僕達も
見捨てずにちゃんと
見捨てずにちゃんと
救ってくれるのかな…?
ころん
そんな夢なら捨てたよ。
ころん
だって現実を見なよ?
ころん
シアワセの4文字なんて
なかった。
なかった。
ころん
今までの人生で、
思い知ったじゃない。
思い知ったじゃない。
るぅと
…………。
ころん
自分は何も悪くないって
誰もがきっと思ってる。
誰もがきっと思ってる。
るぅと
…そうですね。
食料は底を尽き、 視界も悪くなって…。
でも、ふらふらと歩き続けた。
大人
あっ!!あいつらだ!
ころん
!?
るぅと
……
ころん
どうしようるぅとくん!
るぅと
………
ころん
るぅとくんっ!!
るぅと
ころちゃん…。
るぅと
ころちゃんが今まで
そばに居たから
ここまで来れたんです。
そばに居たから
ここまで来れたんです。
ころん
……え?
るぅと
だからもういいよ。
もういいよ。
もういいよ。
るぅと
死ぬのは僕1人でいいよ。
ころん
るぅとくん!?
るぅと
…またね。
そして君は首を切った。
まるで何かの映画のワンシーンだ。
白昼夢を見ている気がした。
大人
大人しくするんだ!
ころん
やだっ!やだっ!
ころん
るぅとくんっ!!!
気づけば僕は捕まって、
君がどこにも見つからなくって。
君だけがどこにも いなくって…。