テラーノベル
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濡れたコンクリートが街灯の光を反射して、ぼんやり夜を照らしている
どうやら、雨がついさっきまで降っていたらしい
🍱🦖
軽い足取りで路地を歩きながら、そう独り言を呟いた
特に目的はない。ただの散歩
俗に言う"何でもない日"ってやつ
…だけど、この日は違った
🍱🦖
路地の奥。壁にもたれるようにして座り込む影があった
近づくと、それが人だと分かった
細い身体。汚れた服。俯いたまま動かない
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不安になってその場にしゃがみこんで顔を覗き込む
すると、ゆっくりと相手が顔を上げた
その顔は感情が無く、空っぽの器みたいな目だった
🍱🦖
🍱🦖
???
🍱🦖
僕はどうするべきか悩んだ
普通なら警察に連絡して保護してもらうのが一番なんだろう
けど、何故か僕はこの子を見過ごすことができなかった
悩みに悩んだ挙句、僕は言った
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🍱🦖
???
返事はない
拒絶することも、興味を示してそうともしない
目の前の彼はただ沈黙を貫いた
🍱🦖
🍱🦖
自分の中でそう結論付けて彼の手を引いた
彼は抵抗する様子もなく、逃げようとする素振りもない
されるがまま立ち上がった
🍱🦖
あまりの軽さに驚いたが、取り敢えず家に連れていくことにした
家に着くと、ウェンはすぐに慌ただしくなった
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🍱🦖
???
🍱🦖
🍱🦖
キッチンに立ち、簡単に料理を始める
後ろでは、少年が立ったまま動かない
🍱🦖
少年は少しだけ視線を動かしたあと、言われた通り椅子に座った
その仕草はどこかぎこちなくて
まるで"やり方を忘れた"みたいだった
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🍱🦖
簡単なスープとパンを少年の前に置く
しかし少年はいつま経っても口に運ぼうとしない
🍱🦖
僕がそう言っても、なんの反応もない
ようやく食べ始めたのはその数秒後
スプーンを持ち、スープを口に運ぶ
表情は変わらない
🍱🦖
???
🍱🦖
言葉には出されてないけど、何となく喜んでいそうだったので、そう返した
食事を終え、入浴も済ませ、今は就寝前
ウェンは当然のように隣に潜り込む
対して少年は端に寄り、距離を取っている
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ぐいっと引き寄せると、身体がビクッと跳ねた
🍱🦖
その反応が可愛くて、頬を突く
なんの反応もないが嫌そうにしてはなさそう
🍱🦖
🍱🦖
少しだけ声のトーンを落として伝える
言葉は静かに部屋に落ちていった
???
少年は変わらず何も言わない
でも、
ほんの少しだけ、安心したような顔で眠りについた
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