子供のアオイ
子供のアオイ
子供のアオイ
祖父
祖父
祖父
祖父
子供のアオイ
祖父
子供のアオイ
祖父
祖父
祖父
子供のアオイ
子供のアオイ
子供のアオイ
子供のアオイ
子供のアオイ
別の日 母と買い物に出かけた
母
子供のアオイ
正直 母との買い物は憂うつ
わたしは 色へのこだわりが強く
母を困らせてばかりいた
母
子供のアオイ
子供のアオイ
母
母
子供のアオイ
子供のアオイ
母
子供のアオイ
赤は苦手
赤は自分の色じゃない
子供のアオイ
母
母
母の理想の子に
わたしは なれなかった
「感覚が違うね?」
子供のアオイ
「感性が人と違う」
子供のアオイ
子供のアオイ
子供のアオイ
それが自分への嫌味だと 気付いたのは
ずっと後のこと
ある日、学校で よく晴れた空を見て
アオイ
アオイ
友達
友達
友達
友達
アオイ
アオイ
アオイ
クラスの女の子
クラスの女の子
アオイ
クラスの女の子
アオイ
アオイ
クラスの女の子
クラスの女の子
別の日
アオイ
友達
アオイ
アオイ
アオイ
友達
友達
アオイ
友達
友達
友達
友達
アオイ
アオイ
アオイ
感情を読まれる事を 人は嫌うと
友達を怒らせてから 初めて気づいた
クラスの女の子
クラスの女の子
アオイ
友達
友達
「アオイさんなら」
アオイ
気づいてしまった
クラスメイトの 楽しそうな言葉が
意地悪だった事に
アオイ
アオイ
アオイ
王子様なんていらない
お姉様達の美しい髪と 引き換えに
短剣を手に入れる事も
王子様を守るため
海の泡になる事も
わたしは望まない
人と同じ体に生まれ
人と同じ声を持ち
人と同じ言語で話すことの素晴らしさを
わたしは知っているから
いつかの教えを守り
本の海を泳いだ
美しい言葉の羅列から 正しい言語を学び
人として生きる術を 手に入れた
生きる上で必要な事は 手に入れたつもり
偽りのわたしも
本当のわたしも
受け入れてくれる友人達
頭をかき乱すほどの衝撃をくれる憧れの人
そして
新しい趣味
「演劇」
その出会いは わたしに自由をくれた
だけど
自由が好きなわたしには
その世界が狭かった
アオイ
アオイ
アオイ
アオイ
演劇の仲間
演劇の仲間
アオイ
演劇の仲間
演劇の仲間
アオイ
アオイ
わたしのズレは また
人との距離を広げた
集団行動は苦手
自由の無い世界は嫌い
わたしは自由を求め
再び彷徨う
やがて
ひとつの海を見つけた
アオイ
アオイ
アオイ
そう思った
アオイ
アオイ
ある日の事
偶然知り合った仲間が 教えてくれた
仲間
仲間
自分の事かと思って ドキリとする
だけど違った
わたしも 『ソレ』を見た
『ニセモノ』を…
赤と黒の衣装に 身を包み
たくさんの光を浴びて
堂々と海を泳ぐ
優雅な生き物
仲間
仲間
アオイ
わたしは仲間を励ます
だって、わたしには
哀れに見えたもの
その派手な生き物が
アオイ
アオイ
長いヴェールが揺れて
その身を包み込む
アオイ
アオイ
光が宙を舞い
スポットライトを浴びせる
アオイ
アオイ
アオイ
偽りの美しさは
その身を滅ぼす
わたしは海に生きる淡水魚
違う水で生きる苦しさは
よく、知っているわ…
コメント
6件
はじめまして。人魚姫のくだりの部分。 何度か読み返しているうちに、人間的な自己矛盾の美しさにぶち当たる感覚がたまらなく好きです。
コメント失礼します。本人に悪気がなくても人と少し違う、それだけで周りは意地悪をする.......生きづらい世界ですよね。アオイの最後の言葉が切ないです。
最後の生き物はエチゼンクラゲかミミックオクトパス…? 人と同じ環境でも息苦しくない感性、羨ましいですよね…