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ドタドタドタ
総銃室を前にして聴くにはあまりに乱暴な足音が聞こえ、トントンの眉間にシワが寄る。
足音でさえうるささを感じられるのはもはや才能とさえ感じた。
kn
狂犬チワワの登場である。 入る前にしっかりと一声かけるのは、変なところで真面目な彼らしいと思えた。
tn
書類にペンを走らせながら声を返すと、ドアが壊れそうなほどの音を立てて開いた。 無視するわけにもいかず、横目で音の元凶を見遣る。太陽の光があるわけでもないのに爛々と輝く小麦色が、大股でこちらに接近してきた。
さて、何を言われるのかとペン立てにペンを戻す。
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kn
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"大先生"、"急いで"
あまり関係性のない単語同士に何をしたかと頭を捻っていると、突然コネシマが真顔になった。 普段大口を開けて笑っているところばかり見ていると驚くかもしれなが、長年を共にすれば珍しいものではないことは知っている。
kn
tn
確かに現在進行形の悩みはある、、、。 だが、なぜ急に悩みなんて聞いてきたのだろう? まさかさっきの会話内容がコネシマや大先生に漏れるわけ、、、
tn
部屋の隅 見つかりずらいところに設置された監視カメラの存在を、ようやく思い出した。 盛大にため息を吐いて、なぜコネシマが派遣されたのかを完全に理解する。
おそらく、監視室にいた大先生が偶然さっきの会話を聞いていて、ちょうどよく暇そうだったコネシマにお使いを頼んだと言うことだろう。
kn
tn
肝心のコネシマに何も詳細を話さず向かわせたのは、いつものガバか、、。 おかげで変に詮索されずに済んだ。 コネシマをシッシッと手で追い払うと、思いのほかあっさりと扉に向かっていく。心ないシマに感謝する時が来るとは思わなかった。
聞こえないように息を吐くと、扉を開いたコネシマがこちらに振り返る。
tn
kn
重苦しくなくすとんと心に隙間を空けてくれる彼の言葉に、トントンは無意識の強ばっていた肩を落とした。
kn
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tn
半身を外に出した彼を、今度は自分から引き止める。
キョトンと眉を上げたコネシマの目を見つめて噛み締めるように口を開いた。
tn
kn
ニカッと笑ったコネシマに釣られて、トントンも表情を柔らかくした。 蓋を開けてみればこんなにも簡単なことだったのだ。それを仲間に言われてようやく気づくとは、自分がいかに参っていたのかがよく分かる。
kn
tn
kn
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kn
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数分後、監視室から大先生の悲鳴とトントンの怒鳴り声が響き渡ったのは言うまでもない、、、