テラーノベル
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#一次創作
#狂気
コメント
1件
わあ、第3話、めちゃくちゃ面白かったです…!深夜にふらりと入った喫茶店の異様な雰囲気、包帯の隙間から見えた「目がない」顔や背中から伸びる黒い影の描写が一気に不気味さを引き立ててて、ゾクゾクしました。特に塁さんが「みんな」の一言で場を静めた瞬間、彼のただ者じゃなさがにじみ出てて印象的。0時ぴったりに和服の青年が現れて空気が一変するラストも最高でした。続きが気になりすぎます!
――あの日から数日後。
天音 湊
天音湊は人気のない通学路を走っていた。
図書委員の仕事が長引き、気づけば夜になっていたのだ。
時計を見る。
23時47分。
天音 湊
ため息をつきながら歩いていると、見慣れた看板が目に入る。
月影喫茶
天音 湊
湊は立ち止まった。
こんな時間なのに灯りがついている。
普通の喫茶店なら閉まっている時間のはずだ。
気になった湊は店へ向かった。
チリン……
扉を開ける。
白海 塁
聞き慣れた声。
白海塁だった。
白海 塁
少し驚いたように目を丸くする。
白海 塁
天音 湊
塁は少しだけ考え込んだ。
白海 塁
そして優しく笑う。
白海 塁
店内を見回す。
いつもと変わらないように見える。
だけど。
どこか違和感があった。
客が誰もこちらを見ない。
いや。
見ないようにしている。
そんな感じだった。
一番奥の席。
フードを深く被った客。
窓際には顔を包帯で覆った女性。
カウンターには異様に背の高い男。
どこか普通じゃない。
天音 湊
湊が言う。
すると塁は少しだけ笑った。
白海 塁
それ以上は言わなかった。
ココアを飲みながら本を読んでいると、
突然。
店内の照明が一瞬だけ揺れた。
パチッ。
暗くなる。
そしてすぐ戻る。
その瞬間だった。
湊は見てしまった。
窓際の女性。
包帯の隙間から覗いた顔。
そこには――
目がなかった。
天音 湊
思わず声が漏れる。
女性が振り返る。
だが次の瞬間には普通の顔だった。
天音 湊
心臓が速くなる。
さらに。
カウンターの男が立ち上がった。
その背中から一瞬だけ黒い影のようなものが伸びる。
まるで翼のように。
湊は思わず目を擦った。
消えている。
何もない。
白海 塁
塁の声。
いつの間にか隣に立っていた。
白海 塁
天音 湊
言葉に詰まる。
その時。
奥の席から声が聞こえた。
客
低い声。
湊は反射的に振り向く。
フードの客がこちらを見ていた。
客
別の客が止める。
客
店内が静かになる。
妙な空気。
すると塁が笑った。
いつも通り。
優しい笑顔で。
白海 塁
その一言だけだった。
しかし。
客たちはすぐに視線を逸らした。
誰も何も言わない。
まるで怒られた子供のように。
湊は息を呑んだ。
天音 湊
塁は何もしていない。
ただ笑っていただけ。
それなのに。
さっきまで話していた客たちは全員黙ってしまった。
白海 塁
塁はそう言った。
白海 塁
変わった人たち。
その言葉で片付けるには、
この店は不思議すぎた。
そして。
時計の針が。
0時00分を指した。
カラン……
新しい客が入ってくる。
その瞬間。
店内にいた全員が立ち上がった。
黒瀬も。
蘭も。
狼牙も。
しずくも。
そして。
普段は笑顔を崩さない塁でさえ。
ほんの少しだけ目を細めた。
入ってきた客は。
黒い和服を着た青年だった。
湊は知らない。
だが。
店員たちの表情は明らかに変わっていた。
まるで。
歓迎していない客が来たように。