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ぷりっつ
目が覚め重たい体を起こす
寝るのが遅かったのに起きるのは無駄に早い
でももう寝る気にもなれずだるい体をずるずると引きずりリビングへ向かう
階段の冷たさを足の裏に直で感じる
その冷たさが俺の孤独を引き立てる
できるだけ兄と一緒にいる為に友達は最小限
それに遊んだ事だってない
いつか急に兄が元に戻ると信じてそばにいる
ふらつく足を何とか進め階段を降りる
兄の為って思っている
でもそろそろ
ぷりっつ
疲れた
この静けさに未だに慣れる事はできない
一人で耐えるのはいつまでも持たない
気持ちのダムが壊れてしまいそうだ
ぷりっつ
一度だけで良かった
もう一度だけ俺の名前を元気に呼んで欲しかった
そうすれば今の何倍も何十倍も頑張れる
まぜにぃの為に全部尽くせるのに
でも現実はそう上手くいかない
甘い期待を神様は受け入れてくれない
まぜ太
まぜにぃはぼぅっとして遠くを見てるだけ
俺なんか眼中にない
昨日渡したご飯は白米だけ空
白米は兄の好物
こんな状態になっても好きな物は食べる
兄らしくて少し笑ってしまう
でもそんな調子だから兄はどんどん痩せ細って行った
目からは光が抜けてクマは次第に黒さを増して行く
髪はボサボサに痛み腕の骨が浮き出る様になった
見ていられないほどだった
でも
まぜ太
時々無気力に笑う
その笑顔に光は無いがあの時と変わらなかった
明るい太陽みたいな顔
たとえそれが兄にとって苦しい笑みでも
俺にとっての救いだった
そんな一歩進んで二歩下がる俺の生活を変えたのは兄のクラスメイトだった