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つまらない授業を終えて家に帰る
鍵をいそいそとカバンから取り出す
鍵穴に差し込み鍵を右にひねる
ガチャリ
無機質な音が耳に大きく響いた
ぷりっつ
返事なんて返ってくるはずもない
それでもいつか笑顔の兄が階段から降りてきてお帰りって言ってくれる
そんな事を願い毎日挨拶をする
雨の日で湿気が溜まっているのか階段が蒸し暑い
どこか呼吸もしづらくて嫌になる
俺は足速に兄の部屋へ向かった
まぜ太
小さく寝息を立てて寝ている
瞼は静かに閉じて口からは細い息が漏れている
なんだか兄がこのまま死んでしまいそうで少し怖くなる
すると
ピーンポーン
ぷりっつ
のんきなインターホンがリビングに響いたのが聞こえる
ぷりっつ
意味なんかないってわかってるのについ癖で返事をしてしまう
その声で起きたのか兄の目が薄く開いた
ぷりっつ
起こしてしまい申し訳なく思いながら部屋を飛び出た
爪先で軽快な音を響かせながらリビングへ向かう
朝もこんなに速く降りれれば億劫ではないのに
そんな精神論を真面目に考えながら向かう
ガチャッ
ぷりっつ
そこには茶髪に赤メッシュの入ったいかにもお兄さんと言う様な人と
青髪に金色の明るいピンを付けた少年がいた
あっと
あっと
ちぐさくん
なるほどな
あっとさんは兄に会いにきた
ちぐさくんは付き添いだから重い空気が読めない
あっと
ぷりっつ
ぷりっつ
はたしてあの状態の兄をいると言っていいのだろうか
ぷりっつ
あっと