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全ての始まりとなった日。
某年前、某月某日。
ケンちゃんの誕生日。
ケンちゃん
住人3
住人3
ケンちゃん
ケンちゃん
住人3
ケンちゃん・母
住人1
住人1
住人1
ケンちゃん
ケンちゃん
彼のきっと悪気のない一言が、大人達の言葉を奪う。
――彼は筋ジストロフィー。
徐々に筋肉が衰えているのは、誰よりも彼自身が知っているだろうに。
住人3
住人3
重たくなった空気を払拭するかのごとく、男は声を張り上げた。
ケンちゃん
ケンちゃんは何本もある割り箸から、ただ一本を引く。
その割り箸の先端には、赤いマーカーで印がつけられていた。
ケンちゃん
住人4
住人4
住人3
住人3
ケンちゃん
住人3
住人3
ケンちゃん
住人3
ケンちゃん・母
ケンちゃん
ケンちゃん
ケンちゃん
ケンちゃん
ケンちゃん
ケンちゃん
ケンちゃん
ケンちゃん
ケンちゃん
住人3
ケンちゃん
ケンちゃん
さすがの物言いに、母が止めに入った。
ケンちゃん・母
ケンちゃん・母
ケンちゃん
ケンちゃん
住人3
住人3
住人3
住人2
住人2
ケンちゃん
住人1
住人4
ケンちゃん・母
ケンちゃん
ケンちゃん
ケンちゃん
ケンちゃん
ケンちゃん
ケンちゃん
住人3
おじさんは戸惑ったかのように言いながら、後ろ向きで玄関へと向かう。
ケンちゃん・母
住人3
本人は困ったような様子で靴を履き、後ろ向きのまま後ろ手で扉を開ける。
住人4
住人3
そのまま後ろ向きで玄関から外へ出て、一歩、二歩と進む。
ただ、その先にあるのは廊下ではない。
安全のために塀はあるものの、その先には空中が待っている。
ここは4階、落ちたら――助からない。
住人2
止めようと、他の住人が動き出した時には遅かった。
もう、男の姿は消え、時間差で何かが地面に叩きつけられるような音が響いた。
男がいたところには、先端に赤いマーカーで印がつけられた割り箸が、何本も転がっていたのであった。
ケンちゃん