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孤独の檻

まだまだ長い時間を5人で空間に過ごしている

暇で仕方ないのか、恐らくタンザナイトが与えたであろうトランプで遊んでいた

タンザナイトはタバコを吹かしながら、壁にもたれ立っていた

ぺいんと

いえ〜い!俺の勝ち〜!

しにがみ

またぺいんとさんじゃん!

タンザナイト

いつまでババ抜きやってんだ?

タンザナイト

そろそろ飽きるだろ

タンザナイト

あと、お前は顔に出過ぎだ、しにがみ

しにがみ

だってぇ〜!

クロノア

そういえば、なんでタンザナイトさんはここに行き着いたんですか?

クロノア

解雇されても、「表」でも職場はあったでしょうに

ゲームを抜けて、離れた場所から見ていたクロノアが疑問を投げかける

彼の生い立ちは聞いた

だが、ここに就いた理由までは聞いていない

タンザナイト

そんなこと、興味あるのか?

クロノア

貴方は仮にもリアム看守の前任者

クロノア

看守長だったんだ

クロノア

他の監獄や執行官的な仕事をしている方が、有意義だったんじゃ…

タンザナイト

……いいだろう

タンザナイト

俺がここに就いた理由を話そうじゃないか

タンザナイト

俺も、自分の番が来るまで暇だしな

タンザナイトはクロノアの前に座る

タバコは短くなっているが、変える様子はない

クロノア

意外です、話してくれないのかと

タンザナイト

まぁ、どうせ過去だしな

タンザナイト

そうだな……何処から話そうか

タンザナイト

まず、解雇になった時だな

タンザナイト

ゾペロニア領地に勤め始めたのが19歳の時で、解雇されたのが21歳

タンザナイト

最初は卒業した学校から、新たな就職先を提示されたんだ

タンザナイト

それが運営国の前身、ロシア帝国の国王補佐兼護衛だった

タンザナイト

だが、現総統らっだぁ率いる集団によって、革命が起こった

タンザナイト

それにより国王が慌てふためき俺の視界外で死に急ぎやがった

タンザナイト

俺も国王は慕ってなかったが、補佐だったからな、命を狙われ国から逃げ出した

タンザナイト

それが22歳と一ヶ月のとき

タンザナイト

で、結局学校にも見放されてアビリティーを隠して住み着いた国のベーカリーで6ヶ月ぐらい働いたんだが

タンザナイト

盗人を捕まえる時に看守時代の癖でアビリティーを使ってしまってな

タンザナイト

国内でハブられ、追放された

タンザナイト

因みに、盗人は生身でアビリティープレイヤーから襲われた事で精神を病んだ為、罪には問われなかった

トラゾー

そんなの理不尽すぎません?

トラゾー

せっかく盗人を捕まえたのに、逆に軽蔑されるって

タンザナイト

そんなモンなんだよ、アビリティープレイヤーってのは

タンザナイト

追放されたからには周辺国にも伝わっている訳で、周辺国には行けなかった

タンザナイト

まぁ俺のアビリティーは使いようによっては舟の代わりになるんだ

タンザナイト

それを利用して噂が伝わっていないであろう少し大きめの島国渡って、そこの孤児院の手伝い・給仕係もしてたんだ

タンザナイト

これでも料理できるからな

タンザナイト

だが、そこはアビリティープレイヤーである孤児には差別が厳しく、食事もなければ衣服も十分な程支給していなかった

タンザナイト

だから、シスターの目を盗んで食事を提供したり衣服を買い与えたり、アビリティーの知識を教えていたりしたんだが、それも隠しきれなくてな

タンザナイト

シスターに追い出されたんだ、その子供達と一緒に

クロノア

その、子供達はどうなったんですか

タンザナイト

匿名でだが、母校に連絡を入れ保護してもらった

タンザナイト

そっちの方が、そいつらも有意義だと判断したからだ

タンザナイト

それに、当主も国王も守れなかった俺が、俺より未来のある子供を守るほどの技量も資格もないという判断したからな

タンザナイト

一度失った信用は、そう簡単に取り戻せない

タンザナイト

それがいくら身内でもだ

タンザナイト

だから俺は学校から見捨てられ、切り捨てられたからな

タンザナイト

俺は好きにアビリティーを展開して誰かを守る事に特化している代償か

タンザナイト

一度守る相手を間違え、失うと数日から数週間アビリティーが使えなくなる

タンザナイト

それを防ぐ為にも、当時の俺には守る相手は必要なかったんだ

しにがみ

アビリティーの代償って、他にあるんですか

タンザナイト

代償では無いが、強力なアビリティーや極められた力を持つ人ほど、力の行使するのに何かしらの物を経由する必要があるな

タンザナイト

無詠唱・手ぶらなんかでアビリティーを発動されたら、誰も手に負えないだろ

ぺいんと

確かに……それだと誰も勝てないですね

タンザナイト

まぁバランスがちゃんと取られているみたいだ

タンザナイト

それで、色んな所を転々としてこの地域にたどり着いた

タンザナイト

その時に、スリに遭いかけたんだ

タンザナイト

看守時代の癖で、警戒はしていたからな

タンザナイト

簡単に捕まえる事ができた

タンザナイト

その犯人を薙ぎ倒したのが、今の俺より序列が高い奴なんだ

タンザナイト

そこにはボスもいてな、その場で勧誘された

タンザナイト

「お前、アビリティープレイヤーなら、うちの組織に来ないか?衣食住、全て保証しよう」ってな

タンザナイト

俺は直接上層部に入った訳じゃなくて、中層部からだっんだ

トラゾー

この組織は何人いるんですか?

タンザナイト

上層部14人、上層部直属組織19人、外部協力者2人

タンザナイト

中層部50万から1000万人、下層部が1000万から5000万人とされている

タンザナイト

外部協力者までの人数把握はしているが、勝手に傘下を名乗る輩もいるからな

タンザナイト

名を貸す代わりに、対価として俺たちの実験の手伝いをしてもらっている

タンザナイト

無量大数なんだ、配下は把握出来ない

タンザナイト

下にいた経験がある俺や玄武でさえ、計り知れない程の同僚がいるんだ

タンザナイト

顔も知らない同僚が

タンザナイト

そして、上に上がる為に必要なのは、与えられた仕事のノルマ以上の達成

タンザナイト

まぁこれは例外もあるが

しにがみ

その例外ってなんですか?

タンザナイト

アビリティーと使用者が合っていない時のみ、好きな依頼を受ける事が出来る

タンザナイト

そんな特権だ

タンザナイト

守備型のアビリティーなのに、攻撃が得意という奴もいるからな

タンザナイト

そんな奴に守備依頼を投げるとミスをする

タンザナイト

それを防ぐ権利でもある

タンザナイト

適材適所、お前らもそうだろ?

タンザナイト

透徹を使い、結果を導く参謀役、ぺいんと

タンザナイト

敵の混乱を誘い情報を担うしにがみ

タンザナイト

戦争特化、仲間を守るリーダー、クロノア

タンザナイト

暗躍し下見と事前情報を集めるトラゾー

タンザナイト

個性は大切にしないとな

タンザナイト

この裏社会だと「霞む」んだ

トラゾー

霞む?

タンザナイト

そうだな……

タンザナイトは手で輪っかを作り、その中に透明な箱を創り出した

その中には複数の棒人間が入っている

タンザナイト

この中に、複数の個性を持つ人形を入れている

タンザナイト

攻撃特化・守備特化・回復特化・策略特化だな

タンザナイト

だが、攻撃特化が複数人いて、そのうち1人が頭1つ抜けているとする

タンザナイト

他の力に特化した奴は優秀な攻撃特化が欲しくてそいつばかり構う

タンザナイト

そして、他のやつは放ったらかし。価値が低くなり見向きされなくなる

タンザナイト

そして、優秀な奴は同類から妬まれ嫌われる

タンザナイトの説明通りの動きを人形はする

誇らしくたっている人形を他所に、他の人形は集まってコソコソしていた

タンザナイト

他の個性でも同じことが起こる

タンザナイト

高いモノ同士でチームを作るとそこには綻びが出てくる

タンザナイト

全員がもてはやされて、プライドが高いからな

タンザナイトは箱を潰す

そこから漏れだした人形は床へ落ち跡形もなく消えた

クロノア

!?

タンザナイト

裏側に落ちた時点で、無駄なプライドは組織やチームを壊滅させるだけだ

タンザナイト

この事を、俺とボスの間では「霞」と表現している

タンザナイト

実力主義なのには変わりないが、組織として活動するのならば、プライドは不要だからな

タンザナイト

簡単に溝に捨てれる人を、俺たちは優遇する

タンザナイト

「霞」は邪魔だからな

タンザナイト

それが外部だろうと内部だろうと、容赦なく拘束し殺す

タンザナイト

それが俺の仕事だ

タンザナイト

外部はプライドを持っていると、自分達より強い相手の圧に更に弱くなり、壊しやすくなるからな

タンザナイトが被っている帽子が少し下に下がり目元に影が入る

影から見える菫色の瞳には殺気が混じっていた

タンザナイト

俺はもう二度と守る相手を間違えてはならない

タンザナイト

一生涯、ボスを守る事を決めたんだ

タンザナイト

これを間違い、ボスの信用を失えば俺は何をするか分からない

タンザナイト

俺の理性はボスに依存している

タンザナイト

アビリティー依存なんだよ、俺は

クロノア

……

タンザナイト

俺はアイツの親友なんだ

タンザナイト

俺がアイツを守るんだ

タンザナイト

約束したんだ、だから

そう言って、タンザナイトは目元まで下がっていた帽子をあげる

そうすると、彼の瞳から出ていた殺気は無くなった

トラゾー

でも、それだけじゃ利用されてるのでは……

タンザナイト

いいよ、ボスに利用されるなら全然いい

タンザナイト

他の人間に、俺のアビリティーを利用されるよりかは

タンザナイト

素性を知っていて、かけがえのない親友に利用されるなら、俺は構わない

嬉しい事を言ってくれるじゃないか、タンザナイト

一瞬で部屋が暗くなる

照明が消えたわけじゃない

停電になった訳では無い

ある人物が現れたことで、意図的に空間が闇1色となった

タンザナイトに声をかけた人物は同化しているのか、一切気配が分からない

しかし、闇の中にも関わらず

色んな方向から「視線」がぺいんとらに降り注がれる

ぺいんと

(なんだなんだなんだ?!)

ぺいんと

(部屋がいきなり真っ黒になったと思ったら、色んなところから視線が……)

ぺいんと

(ここには透明な壁以外、タンザナイトさんが向かいにいただけ)

ぺいんと

(それなのに、なんでこんなにも”恐怖心を煽る視線”が降り掛かっている)

ぺいんと

(こんな幻想を、こんな現象を、認めちゃいけない!)

クロノア

(まるで闇みたいだ。誰の気配も感じ取れない)

クロノア

(ぺいんとたちの安全も確認できない)

クロノア

(でも、これがもしアビリティーなら俺がダメージを受けていない)

クロノア

(しかも、タンザナイトさんの名前を言っていたって事は、タンザナイトさんの味方)

クロノア

(言葉的にタンザナイトさんが言ってた親友であろう人物)

クロノア

(だけど、姿を見せないのはよく分からないな)

しにがみ

(怖い怖い怖い怖い!)

しにがみ

(怖いしか出てこない、怖い以上の感情が見つからない)

しにがみ

(いきなり真っ暗になったと思ったら、無数に感じられる程の視線)

しにがみ

(僕は視線に慣れてない。いつも裏方だったし……)

しにがみ

(僕はどうしたらいい?僕はこの怖いから逃げ出せるんだ?)

トラゾー

(普段感じることの無い、実際の現場)

トラゾー

(いつも、事前情報ばっかりだったけど今回は違う)

トラゾー

(今回はこの館を覆う”この視線”が多くて侵入自体が不可能に近かった)

トラゾー

(この館を見つけた時も奇跡に近かった)

トラゾー

(アイツシュタットの中央に聳え立つ、旧反逆軍の基地)

トラゾー

(いわば、グルッペンさん達の元拠点)

トラゾー

(その時は紅館として有名だった)

トラゾー

(忽然と消えたかと思えば、再び同じ所に建っている不思議な館)

トラゾー

(そこにはまるで”悪戯好きの神が住み着いている”とはまで噂が出た)

トラゾー

(でも、こんな現象はありえない)

トラゾー

(有り得て良い訳ないだろ!)

ほう……黄色いヤツが”異能力”持ちか

目星を付けていて正解だったな

ぺいんと

異能力?アビリティーとは違うの?

アビリティーは主に詠唱型で扱う力の事だ

異能力は対照的に、主に無詠唱

稀だが完全詠唱型も存在する

極めたモノには意図的に、好きなタイミングで攻撃・守備が出来る

いわば”恩恵”だ

制限が付けられ悪魔と言われるアビリティーと、制限がなく神に好かれたモノが持つ異能力

それだけの違いだ

よく覚えておくんだな、”黄神”

ぺいんと

黄神?一体、何を言って

此方の話だ、お前が気にする事ではない

”色の神”は他と比べ特段に優しいからな

タンザナイト

……面倒な事をするじゃないか

タンザナイト

わざわざ、俺の空間に”闇界”を展開しなくても問題ないだろ

タンザナイト

どうせ、後で顔を合わせるんだから

そろそろお前の順番だからな

お前が動けば”結界”は壊れる

なら、更に頑丈にする必要があるだろ?タンザナイト

タンザナイト

心配しなくても、俺だって鍛えている

タンザナイト

こんな事で結界が壊れるなんて有り得ない

タンザナイト

俺の結界の強さを証明したのは、紛れもなくお前じゃないか

油断しない事に越したことはない

例え、”現人神”と配下から言われていてもお前は人間に変わりない

化け物クラスの異能力を持っている神騎士団が相手になると、お前でも危ういだろ?

神騎士団だって、思考特化型異能力を狙っているかも知れないんだからな

ぺいんと

(全部分からない、アビリティーは一般常識)

ぺいんと

(それを知らないと死んでも可笑しくない世の中だから)

ぺいんと

(けど、異能力という力があってそれを行使する人間がいて、ましてや)

ぺいんと

(”神騎士団”という組織が俺を狙っているかも知れないって……)

ぺいんと

(闇界だったり結界だったり、黄神だったり……知らない事が多すぎる)

だから、お前の結界の上に闇界を張るんだ

その方が安全で、此奴らの気配も隠せるからな

相手には探知特化型異能力者もいるだろう

タンザナイト

……はぁ、好きにしろ

タンザナイト

だが、今解放しているスキルは1回抑えろ

タンザナイト

お前の所にターゲットが着く前に魔力が枯渇するぞ

あぁわかった

頼むぞ、親友さん

そうして声は聞こえなくなった

そして明るくなり無数に感じていた視線は消えていた

居たであろう人物も居ないだろ

タンザナイト

(全く……ピリピリしているのは理解するが、俺にで”悪意”を魅せないで欲しいものだ)

タンザナイト

(悪魔と神は紙一重)

タンザナイト

(相性もさほど良くないと、お前に手出しはできないんだから)

クロノア

感じていた視線が……収まった

しにがみ

はぁ〜怖かったぁ〜

トラゾー

一体……何が起きてたんだか……

タンザナイト

俺の親友が申し訳ないな

タンザナイト

彼奴、今回ばかりは余裕が無いんだ

タンザナイト

初めての主催だし、各国の大物を扱っている訳だからな

タンザナイト

基本的、表立って動かない事もあるだろう

タンザナイト

交渉は上位の仕事だからさ

タンザナイト

稀に、気分を落ち着けようとして、無理矢理魔力を消費するんだ

タンザナイト

人間の興奮は、魔力の動きを早めて効力を上げる原動力だからな

タンザナイト

それを納めるのには、莫大な魔力を一気に消費しないといけない

タンザナイト

だから、さっきみたいな現象が起きる

ぺいんと

……タンザナイトさん

タンザナイト

どうしたんだ?ぺいんと

ぺいんと

教えて下さい、貴方たちが過ごすこの社会で、何が起こっているかを

ぺいんと

俺らが知らないであろう事、組織、生物のことを

クロノア

ぺいんと

タンザナイト

……

タンザナイト

まぁこれから、お前らが関わっていくか不明だがいいだろう

タンザナイト

今から俺が言う事は全て、この組織の考えであり総意である

タンザナイト

そこに偽りはまぜない

タンザナイト

だが、俺が語る相手の情報などに、嘘が混ぜられている事もある

タンザナイト

そこは保証しかねる

タンザナイト

それでも、お前は”茨道の闇”を知りたいんだな?

タンザナイト

その覚悟があると言うことだな?

ぺいんと

えぇ、もちろん

タンザナイト

では、ようこそ

タンザナイト

【我々の世界へ】

タンザナイトは帽子を取り嬉しそうに頬をあげた

これは、新たなステージでもあった

世界の「裏」を知ったぺいんと達が下す

運命への分岐点へとなる

ふたつの主役第6章~求められた印象~

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