後輩がレギュラーを務める番組の収録に招かれた叶は、廊下を歩いていた。
いつも通り葛葉より早くスタジオに着いたはいいものの、まだ一時間弱ほど待っていただきたいとのことだった。
そこで、先程案内された控室へ向かっていたのである。
人気のない廊下を歩いていると、曲がり角の辺りから低い話し声が聞こえた
叶
葛葉の名が聞こえたので、叶の足は無意識に止まる。
今度は驚いたような女性の声がする。
叶
叶は溜め息をついて、踵を返した
ヒソヒソと話していた男の声が、やがて鬱憤を撒き散らすように大きくなる。
それは叶のキャパシティを超えた。
叶
勢いよく声のする方の角を曲がると
ギョッとした表情でこっちを振り返る一組の男女の姿が見えた。
男は目を泳がせながら口を開く。
叶
白々しい指摘には答えもせず、叶はにこにことした笑みを貼り付けて
大股で男の方に歩み寄った。
スタッフらしき男は 後ずさるが、壁に阻まれる。
ドンっ!
次の瞬間
叶は男を挟む形で、にじり寄った壁に足をぶつけた。
(つまりこれは俗に言う足ドン)
視線だけでひとを射殺せるほどの冷たい目を男に向ける。
叶
男は顔色を変え、逃げるようにその場を後にした。
叶
溜め息をつき、ふと横をみる。
視線の先では、女性が怯えた様子でこちらを伺っていた。
あんまり女性を怖がらせるのは難儀なものだ。
叶は女性を一瞥してから、控室へ向かった。
コメント
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さすがくろのわって感じですげぇわ…
くろのわだっけか??あんまり詳しくないからてぇてぇとか分からんけど、お前の語彙力と文章力があるってことだけはわかった。