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さとみ

なぁ、ころん。

ころん

ん?何?

さとみ

俺と一緒に、どこか遠くに行こうよ。

ころん

.......え?

何を言い出すのかと思えば

さとみくんが

変なことを言い出した。

ころん

な、何言ってるの?

さとみ

.......いや、別に。

ころん

なんかあったの?

さとみ

なんか、ころんと一緒に遠く行きたいなと思って。

ころん

.......

毎日

特に面白みのない日々に

嫌気がさしたのか。

さとみくんは

僕と遠くに行きたいと言ってくれた。

正直めちゃくちゃ嬉しかった。

さとみ

携帯とか捨ててさ、一緒に行こう。

そう言うさとみくんの目には

光がなく

闇のように黒かった。

ころん

.......

ころん

いいよ。

さとみ

.......いいの?

ころん

うん。

こうして僕達は

携帯・電話を置いていき

必要最低限の

生活必需品を持って行った。

僕達は

なぜか

田舎の方へ行く電車に乗った。

乗客は僕達以外

いなかった。

2人だけの世界みたいで

心地よかった。

ころん

それで、これからどこ行くの?

さとみ

俺が今まで用意してた、家に行く。

ころん

.......そっか。

今までずっと

僕と遠くに行く予定だったんだ。

言ってくれれば僕も協力したのに。

でも、そのことは

口に出さなかった。

さとみくんに案内された場所は

お世辞にも綺麗とは言えない

場所だった。

ころん

.......

ころん

ここに住むの?

さとみ

あぁ。

さとみ

一応、掃除したんだけど.......。

これで掃除したのか。

でも僕は別に気にしない。

だって

さとみくんがいるから。

ころん

家具とかは準備した?

さとみ

初めてここ来た時、少しだけ家具が置いてあったから

さとみ

掃除して使おう。

確かに

ベッドを見れば

人が寝れるくらいには

なっていた。

ころん

凄いね、さとみくん。

さとみ

なんで?

ころん

1人でこれだけ綺麗にしたんでしょ?

ころん

凄いよ。

さとみ

.......///

さとみくんは

照れ隠しで

顔を隠してしまった。

でも、さとみくんの耳を見れば

かなり真っ赤になっていた。

可愛いな。

心の中でそう思う。

その後の数日は

ここでダラダラしていた。

ゲームの話をしたり

趣味や特技の話をしたり

カードゲームで飽きるまで遊んだり

とても楽しい日々だった。

もちろん

見てわかる通り

僕達は全く料理ができない。

でも2人で協力して

作ったご飯は

今まで食べたどんな料理よりも

美味しかった。

その日の夜

僕達は2人でベッドに入る。

ころん

さとみくん、おやすみ。

さとみ

あぁ、おやすみ。

そして目を閉じる。

いつもならすぐ寝てしまう

さとみくんだが

今日はなぜか

話をしたいようだ。

さとみ

.......なぁころん。

ころん

ん?なぁに?

さとみ

なんで、ころんは俺と一緒に来てくれたんだ?

ころん

ん〜、なんでだろうね?

ころん

なんか、さとみくんとならいいかなって思って。

さとみ

なんだそれ笑

さとみ

でも、ありがとうな。

さとみ

嬉しいよ。

さとみくんはかすかに

微笑んだ後に

僕の手を握った。

そして眠ってしまった。

ころん

ねぇ、さとみくん。

ころん

僕知ってるんだよ。

さとみくんは

いつも僕が眠った後に

1人で体を震わせて泣いている。

僕はいつも

寝たふりをしながら聞いている。

ころん

なんで、君はいつも泣いてるの?

ころん

僕、わかんないよ。

眠っている彼に聞いても

答えてくれるはずがない。

ころん

.......おやすみ。

そう言って目を閉じる。

さとみ

ころん。

ころん

ん?

さとみ

海行こうよ。

僕が

本を読んでいると

彼がそう言ってきた。

ころん

.......いいよ。

僕は

早急に海へ行く準備をした。

まぁ、財布を持っていくだけなんだけどね。

その日は

とても月が綺麗だった。

ころん

綺麗だね.......。

さとみ

あぁ。

僕たちの生活も今日で終わりだ。

僕は1週間分の

生活物しか用意してこなかったから。

この生活とも今日でお別れか。

なんだか寂しいな。

ころん

ねぇさとみくん。

さとみ

.......何?

ころん

このまま、2人でもっと遠くに行こうよ。

僕はさとみくんと生きたい。

心からそう思っている。

さとみくんと一緒にずっといたい。

さとみくんは悲しい笑顔をしている。

泣きそうな微笑みだった。

さとみ

ダメだよ。

さとみ

ころんは、これ以上俺といたらダメだ。

ころん

な、なんで?

さとみ

ころんは、俺といるよりすとぷりのみんなといた方がいいよ。

さとみ

みんなといた方がころんは幸せだよ。

ころん

.......

ころん

そんな事ないよ。

さとみ

ううん。そんなことある。

なんで。

なんでこの人は

こんなにも優しいんだろうか。

なんでこんなに

僕のことを考えてくれるんだろうか。

ころん

だって.......。

ころん

さとみくんはいっつも僕に優しくて、

ころん

さとみくんはいっつも僕のこと救ってくれて。

ころん

僕は、さとみくんのことまだ救えてないよ!

ころん

お返しできてないよ。

さとみ

そんな事ない。

さとみ

ころんは俺の事何度も何度も救ってくれてる。

さとみ

ころんは、俺のヒーローだよ。

さとみくんは

優しく笑う。

僕はそんな笑顔を

見るのがとても辛かった。

ころん

僕だってさとみくんに救われたよ。ポロッ

ころん

たくさん、僕のこと助けてくれたじゃん!ポロポロ

僕の目から

涙が溢れてくる。

ころん

さとみくんだって、僕のヒーローだよ!ポロポロ

さとみくんは

僕の目から

溢れてくる涙を拭いてくれる。

さとみ

ころんが泣いてどうすんだよ。

さとみ

俺の事慰めてくれるんじゃないの?

ころん

だって、涙止まんないんだもん!ポロポロ

さとみくんの目に

うっすらと涙が

流れていた。

さとみ

ころん、ありがとうな。

そう言って

さとみくんは

僕のことを

優しく抱きしめてくれた。

さとみくんは

とても暖かくて

僕はさらに

涙が溢れてしまう。

ころん

うっ、ポロポロ

さとみ

.......ありがとう。

僕の耳元で

優しく感謝の言葉を

言われた。

僕もさとみくんを

抱きしめ返す。

僕達は

抱きしめ合いながら

お互いのぬくもりを

感じていた。

さとみ

じゃあ、ころん。

さとみ

帰ろう。

ころん

.......うん。

僕達は

手を繋ぎ歩き出す。

ころん

ねぇ、さとみくん。

さとみ

ん?

ころん

もう、1人で抱え込まないでね。

ころん

僕はいつだって、さとみくんの味方だよ。

さとみ

.......ん。

さとみくんは

一瞬目を丸くして

申し訳なさそうに微笑む。

こうして

僕たちの生活が

終わってしまった。

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