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零円の告白

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零円の告白

11 - 赤い糸と涙

♥

220

2025年04月07日

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新学期から1週間がたった今

特に冬弥が何かしてくることは無い

でも転校初日

家に帰ったら

1週間前

家のエントランスに入ると

お母様

あ…えっと

お母様

○○

お母様

おかえりなさい

私はこの時点で気がついていた

まずまず私のお母様は

かなり気難しそうに見えるが

いや…まぁそれは正解なんだけど

かなり隠し事が下手だ

きっと冬弥が転校してくることを知っていて

朝にソワソワしていたんだと思う

○○

はー…

こういうところはすこし

普通の人間味を感じれて

笑ってしまう

○○

何の用ですか?

お母様

あ…え?いや?

お母様

なんも無いですわ

お母様

早く勉強しなさい

そう言ってたったと上に行ってしまった

○○

なにあれ…

そして今に至る

でも特にこれといっては

何もやってこない

でも来たのには理由があるはず

だから気を抜けないわね

莉都

落ちてますよ

○○

え…

○○

あ…ぼーっとしてた

○○

ありがと

最近莉都くんは

私の執事に雇用された

私に執事がいなかった理由は

東京の時執事との間に揉め事が起きて

まぁ

あっちが無理やり言い寄って来ただけなんだけど

それで執事をつけるのをやめて

メイドだけにしていた

でもこの前莉都くんの恋愛対象が

男の子ということが分かり

そのまま引き受けてもらうことになった

桜子

莉都そろそろ

桜子

庭の手入れをしてきて

そう言って姉の桜子が

莉都を育ててる

微笑ましい…

なんか2人にお礼したいな

うーん…

桜子

お嬢様そろそろ学校の…

○○

2人とも今日暇?

○○

私と少し

○○

出かけない?

莉都

僕は特にやることは

桜子

はい…私もです

○○

となったら決まり

○○

じゃあ今日は

○○

この前のとこまで

○○

車で来てくれる?

桜子

はい

桜子

かしこまりました

よし…学校に行かなきゃ

ん…

今の時間は…

8時…まぁ車で行けば間に合う

私は駿河遥

氷上財閥のメイド

今はお嬢様と同じ学校に通っている

桜子

失礼します

あ…桜子

桜子

お久しぶりです

桜子

遥さん

えぇ…そうね

昔は仲良くしていたけど

今は離れちゃったから

仲がいいとは…言えない

桜子

会食の日

桜子

代わりに行って下さり

桜子

ありがとうございます

全然大丈夫

貴方も少し休んだ方がいい

私がそう言うと

桜子はかすかに微笑んだ

もうそんなこと言う関係性じゃないのに

余計なこと言っちゃった

で…なんの用?

桜子

あ、すみません

桜子

用というのは

桜子

いつもの送迎用の車ですが

桜子

お嬢様が本日

桜子

使用されるので

桜子

午前中はクリーニングに

桜子

出そうと思ってるんです

桜子

なので…

わかったわ

歩いていって欲しいって事でしょ

桜子

いえ

桜子

別の車なら用意できます…

結構よ

たまには歩かないとだし

桜子

そうですか

桜子

それでは失礼します

そう言って桜子は私の部屋を出た

私には有り余りすぎる

この部屋を見つめる

はー…

遅刻確定か

もっと早く起きるべきだった

甘えちゃってた

私が住んでいるのは

お嬢様と違って別館

別館から門までは

とてつもなく遠い

広すぎる…

周りを見渡すと

庭の手入れをしてる人や

噴水を整備してる人

たくさんの人が働いている

まぁ私も働きに行くんだけど

そう思った瞬間

後ろから声をかけられた

お母様

え…

緋翠さま…

お母様

今から学校?

はい…

お母様

間に合わないわよ

そうですね

少し寝坊をしてしまって

お母様

寝坊…?

お母様

あなたが?

お母様

車はどうしたの

今日はお嬢様が使用するとの事で

お母様

あぁ

お母様

そうだったのね

お母様

まぁ私の車に乗っていきなさい

え?

お母様

私ももう出るのよ

お母様

学校の方面だから

お母様

乗りなさい

あ…はい

ありがとうございます

緊張する…

緋翠さまの車なんて

お母様

それじゃあ行くわよ

はい

お願いします

しばらく車を走らせると

お母様

最近○○はどうかしら

お母様

何か変なことは?

最近のお嬢様を思い出す

正直

私は気がついている

同じクラスの

宮治くんとお嬢様は

付き合ってるということに

お母様

遥?

あ…えっと

いえ

特には

お母様

そう…ならよかったわ

なんで…言わなかったんだろ

お母様

勉強もやってるみたいで

お母様

安心したわ

はい

励んでおります

お母様

あなたは?

え?

お母様

あなたは何か

お母様

困ったりはしてないの?

私は…

ありません

改めて学校に通わせて頂いたこと

感謝いたします

お母様

いいのよ

お母様

私が頼んだことだから

お母様

ここまででいいかしら

はい

ありがとうございます

私とお嬢様は

赤ちゃんからの仲だった

緋翠様と私の母は友達だった

いや…正確には友達じゃないけど

幼稚園までは一緒に大きくなって

ほとんどの時を同じにした

でも…

変わったのは小学生頃から

お母さんに何度も説明された

「○○ちゃんはすごくお偉いさんだから」

「怒らせちゃダメだし」

「必ず譲る」

「○○ちゃんなんて呼んでもダメ」

はっきりとした上下関係を教え込まれた

そこで自覚した

今まで同じ時を過ごしてきた○○は

私とは…

全く違う世界の人だと

私は幼少期から頭が良かったため

すぐに理解ができた

してはいけないこと

するべきこと

その区別はすぐについた

10年前私は

緋翠さまに呼び出された

えっと…話って

なんですか?

お母様

遥ちゃん

お母様

○○メイドにならないかしら

え?

メイド??

お母様

えぇそうよ

お母様

メイド

その時は理解が出来なかったけど

後々理解した

もちろんその時

私は承諾した

なぜなら

断ってはいけない

と強く言われていたから

お母様

そう

お母様

良かったわ

お母様

これで○○も安心ね

そこから数年は

誇らしかった

自分が今やっていることは

すごいことなんだ…と

私はお昼ご飯のパンに

かぶりつく

んー…

甘…

その後だった

中学生に入る手前

仕事が慣れた矢先

母親は天国にいった

突然だった

○○は一緒に泣いてくれた

慰めてくれた

きっとそれは

○○の優しさだった

なのに私は

冷たくあしらった

あなたには分からない

このお嬢様気取り…とまで言った

最悪すぎる…

それからと言うもの

氷上財閥の傘下で私は養ってもらっていた

そこへの感謝は

到底測れない

だから今

忠誠心があるのは嘘じゃない

緋翠さまにも

○○にも

あとから聞いた話だと

○○が緋翠さまにお願いして

私のところに居なくてもいいから

絶対に見捨てないでと言ったらしい

飛んだ世話焼き者だな…

って思った

私が何年もかけて理解してきたつもりだった

信頼と

優しさを

○○は隠していたのかな…そう思ったけど

そうじゃなくて

自分が見えていなかっただけだってことがわかった

だから…今回の話が来た時

チャンスだと思った

今まで自分が持ってた劣等感

罪悪感を全て捨てるために

私はここに来た

○○を傷つけて

心底嫌われて…

もう

会わないようにしよう

だから

緋翠さまの提案にも乗った

でも…

もう隠しちゃった…

あの時あのタイミング

言う最大のチャンスだった

チャンスだったのにな…

○○

○○

ここにいた

後ろからひょいと顔を出してきた

え…○○

○○

二人の間に沈黙が訪れる

あ…間違えた

○○って呼び捨てに

失礼しました

○○さん

どうかされました?

○○

○○は固まってる

やばい…怒らせたのかな

○○

なんだ…忘れてないじゃない

なんのことですか

○○

私との…思い出

私は○○の目を見た

少し…潤んでた

なんのことでしょうか

ただ気が抜けてただけです

○○

…そっか

○○

先生が呼んでたよ

あ…はい

分かりました

私にはもう

あなたに何か感情を向けることが

許されない

私は立ち上がって職員室へと向かった

遅かったな

○○

あーちょっと

○○

遥呼びに行ってた

そうなん

…さっきの遥

私のこと

呼び捨てにしてた

○○

懐かしい…

ん?

治くんが顔におにぎりを頬張りながら

私の方を見る

なにが?

○○

ん?

○○

なんもないよ

するともぐもぐしながら

「隠し事はなしって言ったやろ」

と言ってる

○○

お米ついてるよ

取って

○○

ん…はい

優しー

○○

これで?

私たちはいつも通りそんな会話をしていた

「優しい」

その言葉を聞いて

私は遥を思い出す

小学校までは

ただ

遥が優しいだけだと思ってた

でも

実際はそうじゃなくて

ただの主従関係だった

中学生に上がる時

遥はお母さんをなくした

私は…どうしたらいいか分からなかった

冷たく言われたりもしたけど

それでも

嫌いになることは到底

出来なかった

そして急に遥は姿を消した

私は泣きながら

遥を戻してと

お母様にお願いした

でもお母様が首を縦に振ることは

なかった

だけど

今改めて考えると

帰ってこなかったのが

遥の「優しさ」だったのかもしれない

うっまこれ

横にいる治くんに視線をやると

○○も食う?

○○

ううん

○○

平気

○○

治くん

ん?

○○

ずっと…優しくしてね

○○に?

○○

ううん…

○○

みんなに

みんなに?

おー…わかったわ

○○が言うなら

でもじゃあ

○○にはもっと

もっと優しくするわ

○○

そっか…

私は軽く笑って治くんの頭を撫でた

あ、そや

今日部活オフなんやけど

どっか行く?

私たちは基本

治くんのオフの日は

一緒に帰ったり

どっかに行ったりしていた

○○

あー…ごめん

○○

今日予定あって

あ、ほんま?

そりゃしゃーないわ

○○

あの莉都くんとか

○○

なんだけど

おー莉都か

ええやん

○○

でしょ

俺の事タイプやないのは

理解に苦しむけど

まぁ可愛いやつやわ

○○

可愛い子だよほんとに

○○

今度角名くんと莉都くんと

○○

私たちで

○○

ダブルデートする?

と私が冗談交じりに言うと

おもろいな

角名も満更じゃなさそう

○○

確かに

じゃー今日は

家でツムとゲームしとく

○○

うん

○○

楽しんでね

こうして

私たちのお昼は終わった

そして放課後

○○

じゃあ治くん

○○

また明日

おー…

○○

えっと…だから

○○

またあしたね?

んー

○○

いや…そろそろ離してよ

無意識やから無理

しばいてええか?

角名

角名

俺もやっていい?

痛ったまじで

非リアの嫉妬見てられへん

○○

どうせまた会うんだから

○○

今日は…ね?

○○

ごめん

うんわかった

気をつけてな

○○

はーい

私は軽くみんなに手を振ってその場を後にした

○○

はーい

そう言って俺の可愛い彼女は

帰って行った

まじでしばこかな

可愛いやろ

角名

うん

うんって言うな

じゃあ可愛くない

それもちゃう

っっっっざまじで

角名

まー残念だね

角名

せっかくのオフなのに

まぁな

でも

お前らともたまには

遊びたいわ

え…きもぉ

角名

ほぼ部活であってるのに

角名

きもぉ

まじお前らなんなん

角名

カラオケとかいく?

ありー

角名

駅前のやつ行こ

おっけー…

担任

あ、宮くん

はい

はい

担任

あ…えっと

担任

治くんのほうね

どう考えてもそやろ

いちいち反応すんな金髪

うるさ

担任

少し雑用頼んでもいい?

僕、宮侑です

なのでさようなら…

そう言って後ろを振り向くと

もうあいつらはいなかった

やられた…

ツムは百歩譲ってええわ

角名…

同じクラスの

お前だけは許さねぇ

担任

暇じゃないなら全然

担任

いいんだけど…

その時○○の言葉が頭に降りてくる

「みんなに優しくね」

…いいっすよ

明日○○に報告しよ

あの教師冗談やない

1学年分やらせやがった

結果的に俺は1時間ぐらい作業をしてた

途中途中

あいつらのカラオケでふざけてる

動画が送られてきてより効率悪かったし

お…

雨降ってるわ

傘もって来といてよかった

○○といる時に降って

○○が濡れたら大変だから

最近はずっと持ってる

通話終了

通話
00:00

おーい!

サム!

なんや

まだ来れへんの?

いや

今から行くわ

お疲れ様やん

これでなんか食えって

2000円貰った

ゴチなります

奢らへんよ

俺のバイトやし

ケチくさ

17号室に俺らおるわ

わかった

あと10分もしないで着くわ

へーい

通話終了

通話
01:17

っし

いそご

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220

コメント

1

ユーザー

○○ちゃんやさしすぎでしょ!無意識さむもかわいすぎ!てんさい!

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