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今日は、俺がここにいる最後の日

明日からもう、ここに来ることはない

寂しいと言う気持ちはある

ずっとお世話になっていた

大好きな人たちに囲まれて

話して、話して、話して

たくさん、話した

思い出のある場所

未練を消し去り、ここから消える

それが今日の目的

あの人と話せ、と2人が言った

Nakamuは少し苦しそうで

本当にいいのか、何回も聞かれた

スマイルは無表情

眉がちょっと下がってはいた

2人を置いていく、わけではない

これからも連絡は取るし、仲良くしたい

毎日会う事はなくなる…んだよな

ここ数年ずっと一緒にいたから

ずっと一緒に乗り越えてきたから

頑張ってきたから

今の俺がいる

3人で逃げ出したあの日

親にバレたけど追い返したあの日

ほんとに

ほんとに、楽しかった

きんとき

はぁ……

あの人が何か行動する人には見えない

笑って送り出してくれるんだろうな…w

Nakamu

きんとき…、

少し震えた手と

札を俺の前に差し出して

Nakamu

最後に、もう一回聞かせて…

Nakamu

ほんとに……、ほんとに…

スマイル

それでいいのか

Nakamu

え、ちょッ…

きんとき

…………………

きんとき

いいに決まってるじゃん

ここの役に立てるんだよ

俺に何円積んでもらってると思ってんの

きっと、俺に拒否権はない

せめてもの恩返し

きんとき

行ってくるね

部屋を出る時

引き止めてきた声は

弱く弱くか細く震えた声だった

『麝香の間』

完全個室の間であり

遊男と認められた客しか使えない

特別な、客間

少し話すだけなのに用意しなくても…w

そう思ったがまあ最後だし、

でよしとする

きんとき

…ふぅ………ッ

行こう

きんとき

失礼いたします、

きんとき

蒼です

『どうぞ』

その声が聞こえ障子を開けた

入ればすぐに庭が見える

一回の庭に面するこの部屋は

縁側、と呼ぶのが最適だろう

きんとき

お待たせしてしまい、

きんとき

申し訳ありません

静かに手をつき頭を下げる

Broooock

忙しいのに、ごめんね

Broooock

この前、話せなかったから

まあ最後にするつもりはないけれど

Broooock

……最後ぐらいね…w

やっぱり知ってるんだ

まあそうだよな

きんとき

ほんの少しの時間となりますが

きんとき

よろしくお願いいたします

Broooock

……………

沈黙、か

話す事………

きんとき

俺…私の身請け話について

きんとき

で、よろしいですか

Broooock

…そう、だね

別に話す事ないけど…

きんとき

私はここ数年、

きんとき

この店で育ってきました

きんとき

店の人はみんないい人で

きんとき

どんな立場であろうと

きんとき

ずっと優しかったんです

きんとき

私はそのために話を受けました

Broooock

……うん、

知ってるよ、そんな事

きんとき

私は…………、いえ

きんとき

俺は好きでした

きんとき

……好きだった

Broooock

ッ……

貴方は知らないでしょう

きんとき

俺は好きだったんですよ

抱かれた時、嬉しかった

だって一目惚れだったし

綺麗な人だって思ったし

落ち着いた心地よい声色

きんとき

声。

Broooock

あ、声?

きんとき

声好きでした

Broooock

僕のことじゃないんか~い…

僕片想いじゃん…

いや声だけが好きだったんだ…

きんとき

………ww

きんとき

あははっw

別にそんな深刻な顔しなくてもw

Broooock

……………

笑った

きんとき

あー…、……いえ

きんとき

…声だけです

Broooock

いやちょっw!

Broooock

急に真顔になんないでww

きんとき

…ww

2人の顔に笑みが戻る

『『久々に見たな、その顔』』

next_♡1500

学年末終わったので

頑張って書きます

……もうすぐこの話終わります

白尾町遊郭街の遊男子【#1続】

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