桃赤
喉に違和感を覚え、重い瞼をあげた、
枕元に置いたはずのスマホを探し、電源を入れる
時間は7:32
覚醒していなかった頭が一気に冴えて急いで体を起き上がらせる
赤
頭に激痛が走り、視界が歪む
こめかみに当てる左手の中指と薬指に熱が伝わってくる
何度か瞬きをして少し歪む視界の中自分の部屋をあとにした
リビングに繋がるドアを開けるともう皆んなが朝ごはんを食べ終わりそうになっていた
ころちゃんが居なくて今るぅとくんを見てくれているのだろう
赤
紫
橙
キッチンにある蛇口から水を出して前髪の寝癖を直しているとジェルがタコさんウィンナーを口の中に入れながら声を出した
赤
そう言うと洗濯機が止まる音がしてみんなに一言かけてリビングを出る
ピッと洗濯機を開いて近くのカゴに詰め込む
手に力を込めて持ち上げると視線がグラッと動いた
赤
後ろに倒れることはなくポスッと誰かに当たり、上を向く
さとみは何も言うことなく俺の額に手をあてた
桃
桃
赤
桃
桃
「いやっでも」と口にしたが掌で覆われて喋れなくなる
桃
「キスして黙らせるぞ」
低く耳元で囁かれればもう何も言えなくて
試しに自分の首筋を触れば手の冷たさが心地いい
本当に熱あるんだ
認めたくなかったものを自覚してしまうとドクドクと心臓がうるさくなっていって苦しくなる
赤
息が上がってきて足に力が入らなくなってさとみの服を掴んだ
さとみの腕によって寄せられた体が宙に浮く
お姫様抱っこされた事に少ししてから気づいて首に腕を回す
それを合図にさとみは歩き始めた
赤
階段を上る時にふと思った事
桃
赤
桃
低くて甘い声
桃
赤
桃
赤
桃
スンっと鼻を動かす
甘い香り
赤
桃
ガチャっとドアが開く音がして辺りを見る
勿論そこは俺の部屋でベッドの上に降ろされた
離れていくさとみの温度が嫌で袖を掴む
不思議そうに見つめるさとみの腕を引張っるが力が出ないし、そもそもさとみの力に敵わないのでさとみはピクリともしない
寂しくて涙目になるとさとみは察したのかベッドに腰掛けて俺の頭を撫でた
額に触れたさとみの手が冷たくて気持ちいい
それでも俺が求めてるものではなくて頰を膨らます
分かってくれないさとちゃんにイライラして起き上がる
その時グラっと視線が動いてさとちゃんに寄りかかる
頭が痛い
桃
起き上がった体を戻されるがどうしても欲しいものが来ない
赤
部屋を出ようとするさとちゃんの袖を掴んで声を出す
赤
泣きたいわけじゃないのに涙が出てきて止まらない
少しの間固まったさとちゃんは動き出してベッドの中に入ってきた
ギュッと大きな体に抱きつく
ガンガンと痛い頭を撫でられてどこか安心する
スンっと鼻を動かす
赤
桃
強く抱きしめられた
さとちゃんの香りに包まれて頰が緩む
瞼を閉じて深呼吸をすると意識が薄まってきてそのまま身を委ねた
後々さとみに風邪が移ったのは言うまでもない
~ end ~
投稿しようと思ってたのですが消してしまい、あやふやな記憶を繋ぎに繋げて書きました(இдஇ; )
コメント
25件
桃赤いいですよね!神作品堪能させてもらいました!ブクマ失礼します🙇♀️
最高すぎます✨ フォロー失礼します!
ぶくしつです!