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カワノベさん

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カワノベさん

2 - 第2話 能力と死霊討伐

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2025年03月01日

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太賀 萩

……誰も居ない?

川野辺 喜雨

……居ないね

太賀 萩

───ほらな!
やっぱり幽霊なんて存在しないんだ!

川野辺 喜雨

さっきまでビビってたくせに。

太賀 萩

何だと!?

太賀 萩

まあ何も無いに越したことはないだろ。
教室は回り終わったしさっさと帰って───

死霊

…………ア”ァ”……。

太賀 萩

え……

廊下に、2人を見つめている「何か」が居た。

───そう、2人の目の前に幽霊が現れたのだ。

太賀 萩

どうするんだよ!?

川野辺 喜雨

…………。

太賀 萩

おい! 喜雨!?

死霊

ア”ア”ァ”……。

太賀 萩

(どうすれば……。)

???

うーん……どうしたものか……。

太賀 萩

なんだお前! 誰だ?

???

キミ、僕が見えるの?

???

まあいいや! ちょっと待っててね───

死霊

ア”ア”ア”!!!

ドシンッ───!

太賀 萩

はああああ!?

2年 空き教室

太賀 萩

……ん?

太賀 萩

(落ちてきたのか……。)

川野辺 喜雨

ん……

太賀 萩

あっ、喜雨!

太賀 萩

起きたんだな。

川野辺 喜雨

なに、俺寝てたの?

太賀 萩

あぁ。寝てたというかぶっ倒れてたな。

川野辺 喜雨

そう……。

川野辺 喜雨

……これ、3階の床に穴あいてるよね?
どこも痛くないんだけど。

太賀 萩

いや、俺にもよく分かんねぇんだ。

太賀 萩

ただ、ここに落ちてくる前に誰かの声が聞こえてきて───

???

ふぅ。びっくりした〜……。

???

ね、キミ達には僕が見えてるんだよね?

太賀 萩

まあそうだな……って、ん?

川野辺 喜雨

誰?

???

うわ〜ん! キミ達を助けたのは僕なのに……。

『カワノベさん』

僕はカワノベ……巷では『カワノベさん』と呼ばれてるよ。

川野辺 喜雨

『カワノベさん』か……。

喜雨が少し考えるような素振りを見せた。 聞いたことがあったらしい。

『カワノベさん』

いやぁ、生きている人と話すのなんて久しぶりだよ〜!

『カワノベさん』

ぜひ仲良くしてね! ね!

川野辺 喜雨

そんなこと言われても……。

太賀 萩

そういえば、喜雨も「カワノベ」だよな。
同じカワノベ同士仲良くしたらどうだ?

川野辺 喜雨

やだよ。

『カワノベさん』

えぇ〜。僕久しぶりに人と話せて嬉しいんだけどなぁ……。

『カワノベさん』

やっぱり嬉しいのは僕だけか〜。

そう言うと、『カワノベ』はわざとらしくしゅん……としてみせた。

太賀 萩

……ってか、どうすんだよあの霊。
あれは何なんだ?

川野辺 喜雨

あれってどれ?

太賀 萩

ああ、お前が倒れてる時に変な霊が出てきたんだ。

太賀 萩

あの穴はその霊があけた。

川野辺 喜雨

はあ……。

『カワノベさん』

うーん……まあキミ達でどうにかできるんじゃない?

川野辺 喜雨

は? どうやって?

『カワノベさん』

あれは死霊って言って、幽霊の中では危険な人に危害を加える存在。

『カワノベさん』

でも、あの死霊自体はそこまで強くないんだ。
だから案外すぐに倒せるよ。

太賀 萩

……で、結局どうやって倒すんだ?
殴ったり蹴ったりは通用するのか?

『カワノベさん』

しないよ。だから特殊な能力で戦うんだ。

川野辺 喜雨

特殊な能力……。

『カワノベさん』

そう。

『カワノベさん』

それで、キミ達はついさっき能力を手に入れた。

『カワノベさん』

喜雨は氷の能力、萩は炎の能力。
キミ達は基礎的な属性能力なんだね。

川野辺 喜雨

ん?

『カワノベさん』

どうしたの?

川野辺 喜雨

俺達……君に名前教えたっけ?

『カワノベさん』

まあまあ!
今はそんなのどうでもいいでしょ?

太賀 萩

どうでもよくはないだろ……

『カワノベさん』

ほら、早くしないとさっきの死霊が来ちゃうよ。

川野辺 喜雨

いや、そもそも戦うって何で───

喜雨がそう言いかけると、2人の目の前に杖と大剣が現れた。

川野辺 喜雨

随分とタイミングがいいね。
俺はこの杖を使えばいいのかな?

太賀 萩

俺はこれか。……って重っ!
なんだこの剣!

『カワノベさん』

それは大剣だね。大きい剣だよ。

太賀 萩

ご丁寧にどうも……。

死霊

ア”ァ”ア”ア”ア”ア”ァ”ア”……。

『カワノベさん』

死霊はもう目の前まで来てるよ!
ほらファイト〜。

川野辺 喜雨

はぁ……。

『カワノベさん』

キミ達のことは守っておいてあげるから安心してよ!

『カワノベさん』

僕、これでも守護霊なんだ。

太賀 萩

……よし、喜雨。準備はいいか?

川野辺 喜雨

うん。

太賀 萩

いくぞ!

ガラガラガラッ

死霊

ア”ア”ァ”ア”……

太賀 萩

……居るな。
さっさと倒すぞ!

川野辺 喜雨

さっきカワノベが言ってた能力とやらならこの死霊に攻撃出来るんだよね。

太賀 萩

そうらしいな。

萩は大剣を手に持った。 すると、大剣は炎を纏いはじめた。

太賀 萩

───はっ!

死霊

ア”ア”ア”ァ”……!

川野辺 喜雨

おぉ、すごい。

太賀 萩

凄いって言うだけじゃなくてお前も攻撃しろ!
氷の能力も杖もあるんだろ?

川野辺 喜雨

言われなくても分かってるよ。

喜雨がそう言うと、喜雨は鋭い氷を生成した。 それを死霊に向かって放つと、死霊は苦しみはじめた。

死霊

ア”ア”ア”!!

川野辺 喜雨

うるさ……。

太賀 萩

でも……押してるってことじゃないか?
よし、このまま順調にいけば───

死霊

ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!

パリン───!!

川野辺 喜雨

うわっ……!

川野辺 喜雨

何やってんの萩!

太賀 萩

はあ!? 俺のせいかよ!?

突然死霊は先程よりも一際大きな声で叫び、喜雨と萩を窓の外に投げ飛ばした。

死霊により校舎の外に投げ出された2人だったが、 カワノベが守っていたおかげか無傷で済んだ。

川野辺 喜雨

ふう……。

太賀 萩

無傷……。
カワノベが守ってくれたおかげか?

川野辺 喜雨

きっとすぐあの死霊も追いついてくるはず。
早く体制を立て直して───

死霊

ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!!

死霊は2階の窓から飛び降り、すぐに2人に追いついた。 そして、2人を踏み潰そうとする。

太賀 萩

あっぶな……!

川野辺 喜雨

ああ、死霊だからどんな高さから飛び降りても感覚が無いんだね。

太賀 萩

よし、早く倒すぞ……!

川野辺 喜雨

勿論。

2人は、それぞれ炎と氷を纏って死霊に攻撃をしかけた。

ドドドドド……!

ザクッ!

死霊

ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ッ”!!!

川野辺 喜雨

やっぱりうるさいっ……!

太賀 萩

うるさ……!

バタッ

死霊は倒れると灰になって消えていった。 2人はきちんと死霊を倒したようだ。

川野辺 喜雨

……倒したね。

太賀 萩

よし! やったな!

『カワノベさん』

おぉ〜! ファインプレーだね!

『カワノベさん』

これでキミ達は家に帰れると思うよ。

川野辺 喜雨

俺達、さっきまでは家に帰れなかったんだ?

『カワノベさん』

うん、あの死霊を倒さないと出られない……
いわゆる縄張りのようなものに入ってたんだ。

『カワノベさん』

でも、キミ達はきちんと死霊を倒したからこれで帰れるよ。

太賀 萩

はあ……。

太賀 萩

帰るか。

川野辺 喜雨

そうだね。

『カワノベさん』

僕は屋上に居るからね〜。

川野辺 喜雨

……え、なに?

『カワノベさん』

ええ〜、せっかくなら来てよ。
僕ずっと寂しいんだよ〜?

川野辺 喜雨

……はいはい、分かったから。
今日はもう帰るから、また明日ね。

『カワノベさん』

うんうん! ずっと待ってるからね?

太賀 萩

なんか怖……。

 

次回:2025年3月8日

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コメント

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カワノベさんいたのか…喜雨さんがカワノベさんかと… 守護霊か…平和だ…うん…(霊については触れない)

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