一覧ページ

神城組の天使のような死神

第13話 - 第十一話　「神城組の仁義と正義、篠崎真奈美の復讐心」

103

2025年08月12日

#ヒューマンバグ大学

#神城組

#女主人公

古愛真珠

おはこんにちこんばんは！

古愛真珠

学生の皆さん、進級おめでとうございます！（自分も）

古愛真珠

ようやく新しいクラスにも慣れてきたんで、ちょっと久しぶりに書きます！

古愛真珠

じゃあ、どうぞ！

久々に訪れる事務所は、最後に見た時と変わらず、自分の変わりように静かに驚いた。

神田

篠崎の姉貴〜！（泣）

神田

元気になってよかったです！（泣）

篠崎真奈美

あ、ご、ごめんね…。

神田

篠崎の姉貴がいない間、全部俺達が事務作業頑張ってたんですよ！

篠崎真奈美

う、うん…これからは私も頑張るから…。

安芸直治

真奈美は無理しちゃダメだから。

市合麟太郎

今までみたいに真奈美は働かせないからな。

篠崎真奈美

別に…大丈夫だって。

市合麟太郎

真奈美が大丈夫って言う時は、大体大丈夫じゃねえだろ。

市合麟太郎

こういう時に、兄貴分を頼れ。

篠崎真奈美

…はい。

夜…。

カタカタカタカタ…（キーボードを打つ音）

安芸直治

真奈美、今日はもう休んでいいよ。

篠崎真奈美

あと、これだけ…。

安芸直治

あとは僕がやるから。

安芸直治

おやすみ。

重いものを運んでいるとき

神田

あ、篠崎の姉貴！

神田

俺、持つんで大丈夫ですよ。

篠崎真奈美

あ、別にこれぐらい自分で…。

神田

任せてください！

休日

市合麟太郎

はいそこまで〜。

篠崎真奈美

！？

市合麟太郎

学生なんだから休日くらい休め。

篠崎真奈美

前はこれくらい普通に…。

市合麟太郎

俺も最近事務作業を真面目に頑張ることにしたから俺に任せろ！

篠崎真奈美

めっちゃ不安です…。

市合麟太郎

不安って言うな！

篠崎真奈美

不安でしかないです。

市合麟太郎

任せろ！

市合麟太郎

……どのボタンを押せばいい？

安芸直治

ボタンじゃなくてキーです。

篠崎真奈美

…やっぱ私がやります。

市合麟太郎

キー！

市合麟太郎

そう、キーだよな！

市合麟太郎

も、もちろんわかってたぜ？

篠崎真奈美

もう…余計に仕事が増えそうなんでいいです。

安芸直治

安心して。

安芸直治

増えた仕事は神田たちにいくから。

篠崎真奈美

それはそれで可哀想…散々迷惑かけちゃったし。

安芸直治

舎弟の仕事だからって喜んでやってたよ。（嘘）

篠崎真奈美

絶対嘘だ。

安芸直治

本当。

篠崎真奈美

えー…。

市合麟太郎

兄貴の命令は〜？

篠崎真奈美

ここぞとばかりに年上発言…ズルい。

篠崎真奈美

う…わかりました。

篠崎真奈美

今日は休みます。

市合麟太郎

おう、おつかれ。

篠崎真奈美

……今日も迷惑かけちゃった（泣）

篠崎真奈美

やっぱ私、お荷物なのかな…？

篠崎真奈美

いらないの、かな？

篠崎真奈美

ｸﾞｽｯ……。

篠崎真奈美

ねぇ、碧？

碧ぬい（真奈美の自作）に話しかける

碧ぬい

（そんなことないよ）

篠崎真奈美

本当に？

碧ぬい

（真奈美だって見ただろ？）

碧ぬい

（真奈美が目を覚ましたときの泣きそうな顔）

碧ぬい

（嬉しそうだったじゃないか）

篠崎真奈美

でも、こんな事務仕事すら役に立たない私なんて…。

碧ぬい

（大丈夫、大丈夫だから…ね？）

篠崎真奈美

うん、そうだよね。

篠崎真奈美

明日ね、会議があるの。

篠崎真奈美

誰が東京に行くか。

碧ぬい

（そっか。）

篠崎真奈美

私はね、行きたい。

碧ぬい

（危ないよ？）

篠崎真奈美

それでもいい。

篠崎真奈美

私、決めたの。

碧ぬい

（？）

篠崎真奈美

とりあえず碧の仇討つまで、私碧のお墓参りには行かないって。

碧ぬい

（なんで？）

篠崎真奈美

きっと私、碧のお墓に行ったら泣いちゃうもん。

篠崎真奈美

だから、泣かないように…碧への手向けとして。

私、絶対碧の仇取るよ。

碧ぬい

（本当に殺せる？舎弟の方も強かったよ？）

篠崎真奈美

うーん…じゃあやっぱ一撃食らわせるまで。

篠崎真奈美

少なくとも、それまでは死ねないから。

篠崎真奈美

絶対に。

篠崎真奈美

あと10分…10分で終わる。

キーンコーンカーンコーン

クラスメイト１

あ、真奈美ちゃん！

クラスメイト１

これちょっと先生に…。

篠崎真奈美

ごめん、私早く帰らないといけないから。

クラスメイト２

あ、篠崎さん…今日の委員会ちょっと行けなくて代わりに…。

篠崎真奈美

私早く帰らないといけないから。

篠崎真奈美

他、当たって？

陸上部

あ、篠崎さーん！

篠崎真奈美

（うわ厄介な…。）

篠崎真奈美

すみません、今日急ぎの用事があるので…。

ガシッ（真奈美の腕を掴む）

陸上部

今日という今日は正式に陸上部に入ってもらうわ！

篠崎真奈美

ちょっと、離してください…！

陸上部

あなたの身体能力があればインターハイまでいける！

陸上部

何よりあなたの才能、そのままにしておくなんてもったいないよ！

陸上部

だから陸上部に＿

篠崎真奈美

あ”？

篠崎真奈美

離せっつってんだろ？

篠崎真奈美

急ぎの用があるって聞こえねえの？

陸上部

あ、えっと…。

篠崎真奈美

てか前から入らねえって言ってんだろ？

篠崎真奈美

インターハイまで行ったから何？

篠崎真奈美

私、身体能力持て余すことなく使ってんで。

陸上部

じゃ、じゃあそれを陸上部に＿。

篠崎真奈美

だから入らねえって。

篠崎真奈美

いい加減早く帰らせろよ。

篠崎真奈美

…マジ邪魔、目障り。

教室がざわめく

クラスメイト１

ま、真奈美ちゃん…どうしちゃったの？

クラスメイト１

最近ずっと刺々しいっていうか、その…。

クラスメイト２

なんか様子、おかしいよ？

クラスメイト２

本当に大丈夫？

篠崎真奈美

…別に。

篠崎真奈美

あんたたちに心配されるほどヤワじゃない。

クラスメイト１

ち、ちがう！

篠崎真奈美

は？

クラスメイト１

いつもの真奈美ちゃんは、そんなこと言わない！

クラスメイト２

また学校に来始めた辺りからずっと変！

クラスメイト３

そういえば私この前蒼穹街にいるの見たって知り合いから聞いた。

クラスメイト１

え、あそこってあの…？

クラスメイト３

なんでもいかつい男と一緒って。

篠崎真奈美

！？

篠崎真奈美

（誰だ…！？）

篠崎真奈美

（ここ最近一緒に見回りしたのは…広瀬の兄貴？）

篠崎真奈美

（いやもしかして、たまたま護衛で一緒だった百田の兄貴？）

篠崎真奈美

（わかんない…。）

篠崎真奈美

（神田くん下田くんは論外…安芸兄もない。）

クラスメイト２

篠崎さん、本当…？

篠崎真奈美

何が？

クラスメイト２

パ◯活してるって！

篠崎真奈美

…うん？

陸上部

そっかそんな事情があって…。

篠崎真奈美

ちょｯ…誤解しないでください！

クラスメイト３

じゃあ一緒にいた男性は誰？

篠崎真奈美

あ、あれは〜…えっと兄です！

陸上部

兄…？

陸上部

なんだ、そんなことだったのね。

篠崎真奈美

…てかみんなが見たのって誰？

篠崎真奈美

どんな人？

クラスメイト３

金髪で、紫色の服来たホストみたいなイケメン…？

篠崎真奈美

ｯ！

クラスメイト２

お兄さん、ホスト…？

篠崎真奈美

いや、違う！

篠崎真奈美

た、たまたま散歩で寄っただけ！

篠崎真奈美

てかもう帰んないと！

篠崎真奈美

この話はまた明日！

篠崎真奈美

すみません！遅れました！

神城

まだ大丈夫だ。

市合麟太郎

だいぶ息切れしてるけど大丈夫か？

篠崎真奈美

え、駅から…走って、きたｯ…。

名波

事故らないようにしろよ。

名波

…そろそろだな。

神城

では対天羽組について会議を始める。

神城

まず市合麟太郎、安芸直治。

神城

お前らには先に東京に行ってもらう。

神城

そして広瀬。

広瀬大聖

はい。

神城

ハマの警備をしつつ第二軍として東京に向かってくれ。

広瀬大聖

了解しました。

篠崎真奈美

（ってことは私は第三部隊？）

神城

真奈美は…。

篠崎真奈美

（…お願い。）

神城

ハマでの警備を全面的に任せる。

篠崎真奈美

……え？

篠崎真奈美

私…東京……？

神城

ハマに武闘派を残さないわけにもいかない。

神城

真奈美はここで待機だ。

篠崎真奈美

…嫌です。

神城

…！？

名波

！？

篠崎真奈美

私も、東京に行かせてください。

神城

学校はどうするつもりだ？

篠崎真奈美

休みます。

篠崎真奈美

今の私にとって勉強よりそっちの方が大事なんです。

神城

そっち？

篠崎真奈美

決まってるじゃないですか。

篠崎真奈美

長門の兄貴…碧を殺した二人を殺すことです。

神城

…ダメだ。

篠崎真奈美

なんでですか？

篠崎真奈美

戦力としては十分…。

神城

今の真奈美に行かせるのは危険だ。

神城

暴走しかねない。

神城

一番よくわかっているのは真奈美自身だろう？

名波

そうだ。

名波

もしものことがあったとき、真奈美はどうする？

篠崎真奈美

どうするって……。

神城

それが言葉にできないなら行かせることは出来ない。

神城

諦めろ。

篠崎真奈美

……です。

安芸直治

…真奈美？

篠崎真奈美

諦めきれないです。

篠崎真奈美

そもそもこの戦争の原因の一つは私にあります。

篠崎真奈美

私が、あの日、碧と一緒にいれば…。

篠崎真奈美

碧は殺されなかったもしれない。

篠崎真奈美

家入組に警告をしに行ったとき、舎弟くんたちじゃなくて私が行っていたら…。

篠崎真奈美

宇佐美純平は、殺されていなかったかもしれない。

篠崎真奈美

私の我が侭でこの戦争を引き起こしたのなら、私の我が侭でこの戦争を終わらせてください。

篠崎真奈美

お願いします。

神城

…それでも、ダメだ。

篠崎真奈美

ｯ…！

篠崎真奈美

なんでですか！？

神城

私情を挟むようで悪いが、俺達の親心だ。

篠崎真奈美

…はい？

神城

東京は相手の盤上だ。

神城

何かあったときに誰かがすぐに助けに行けるわけではない。

神城

向こうも強大な戦力を残している。

神城

…これ以上犠牲を増やしたくない。

神城

かわいい娘を死なせたくないんだ。

篠崎真奈美

…なら余計に東京に行きたくなってきました。

篠崎真奈美

可愛い子には旅をさせよ。

篠崎真奈美

東京に旅に出たいです。

名波

…俺も反対だ。

名波

確かに俺は小峠と戦闘して生かされた。

名波

だが、それは…神城組のシマだったからだ。

名波

天羽組のシマで戦闘したとき、真奈美は侵略者となる。

名波

その時、相手に勝てる確証はどこにある？

名波

生かされる確証はどこにある？

名波

俺も、かわいい娘が殺されるのはごめんだ。

名波

頼む…わかってくれ。

安芸直治

僕も、反対。

安芸直治

真奈美を、危険な目に遭わせたくない。

安芸直治

どれだけ真奈美が優秀な「死神」だとしても。

安芸直治

これ以上真奈美に傷ついてほしくない。

篠崎真奈美

…傷つく？

篠崎真奈美

私はもう散々傷ついた。

篠崎真奈美

今更物理的な攻撃食らったところで、傷ついたうちに入んない。

市合麟太郎

俺は真奈美の顔に傷がつくのは嫌だぜ？

篠崎真奈美

顔…？

篠崎真奈美

碧の仇を取れるなら、顔に傷がつくくらいどうだっていい。

市合麟太郎

…その発言は聞き捨てならねえ。

市合麟太郎

真奈美は神城組にとって大切な仲間だ。

市合麟太郎

大切な仲間が易易と傷つけられるのは見てて辛くなる。

市合麟太郎

それに長門だって、自分の仇取るために真奈美が傷つくのは…。

篠崎真奈美

…私は誓った。

篠崎真奈美

絶対に碧の仇を取るって。

篠崎真奈美

愛した人を殺されて、怒り狂った私の復讐なの。

篠崎真奈美

誰にも邪魔なんてさせない。

篠崎真奈美

迷惑だって、かけるつもりもない。

篠崎真奈美

死ぬなら死ぬでいい。

篠崎真奈美

もう、覚悟を決めた。

篠崎真奈美

いつまでも私はおこちゃまじゃない。

篠崎真奈美

神城組の人間だから。

神城

…真奈美の覚悟はよく伝わった。

篠崎真奈美

ってことは…！

神城

ダメだ。

神城

今まで復讐心に囚われた人間をごまんと見てきた。

神城

だが、そういう奴は何も成せずに死んでいった。

篠崎真奈美

わ、私は違う！

篠崎真奈美

私はそんな程度で死ぬレベルじゃ…！

名波

真奈美の実力は俺達もわかっている。

名波

組内最年少で、今この幹部会議に出席していることが何よりの証拠だ。

名波

だが、これは実力の話じゃない。

名波

復讐に囚われた者は視野が狭くなる。

名波

視覚的にも、精神的にも。

名波

そういう奴は、大事なところでミスをする。

篠崎真奈美

私は、そんなことでミスする女じゃない！

篠崎真奈美

いつも相手が誰であっても、戦闘には細心の注意を払ってる！

篠崎真奈美

だから…！

神城

…やはり、ダメだな。

神城

今の真奈美は、精神的に不安定だ。

神城

普段、こんなに噛みついてくるタイプじゃない。

神城

そんな中、東京に行かせることはできない。

神城

これは命令だ。

篠崎真奈美

……でもｯ！

神城

命令だ！

篠崎真奈美

……ｯ…わかり、ました。

篠崎真奈美

ただ…条件が、あります。

名波

条件？

篠崎真奈美

こんなこと、言いたくないですけど…もし、この先誰か一人死んだら…。

篠崎真奈美

その時は私も東京に行きます。

篠崎真奈美

それなら…いいですよね？

神城

……。

神城

考えておこう。

会議後…。

篠崎真奈美

……（怒）

広瀬大聖

（うおっ…明らかに機嫌悪そう。）

広瀬大聖

（話しかけるのはよそう。）

神田

あ、あのー…篠崎のあねｋ＿

ぐいっ（安芸が神田の服の袖を引っ張る）

安芸直治

やめときな。

神田

え？

安芸直治

今下手に話しかけると殺されるよ。

神田

えっと…何の冗談でしょう？

安芸直治

冗談じゃなくてマジだよ、マジ。

安芸直治

くだらない理由で死にたくなかったら話しかけないことだね。

神田

い、一体何があったのでしょう…？

安芸直治

そ、それは…。

市合麟太郎

よーう真奈美ぃ。

安芸直治

ｯ！？

広瀬大聖

…！？

市合麟太郎

ど〜しちゃったのさ？

市合麟太郎

あんなカリカリイライラしてるなんて珍しくね？

安芸直治

（あわわ…これはヤバいぞ。）

安芸直治

（今下手に地雷なんて踏んだら…！）

篠崎真奈美

…別に、いつも通りですよ。

市合麟太郎

んなわけねえだろ。

市合麟太郎

あんな従順な真奈美が親父に楯突くなんて前代未聞だぜ？

篠崎真奈美

だったら何ですか？

篠崎真奈美

…そりゃ兄貴には分からないでしょうね。

篠崎真奈美

選ばれなかった人の気持ちなんて。

市合麟太郎

…俺もずっと黙ってたけどなぁ。

市合麟太郎

やっぱお前、最近変だぜ？

篠崎真奈美

変？

篠崎真奈美

私のどこが変なんですか？

市合麟太郎

最近、じゃねえ。

市合麟太郎

碧が死んでからずっと。

篠崎真奈美

ｯ…。

篠崎真奈美

おかしくなんて……ない。

篠崎真奈美

変じゃ…ｯ、ない。

市合麟太郎

…真奈美の気持ちはよくわかｒ＿。

篠崎真奈美

分かるわけないでしょｯ！！

篠崎真奈美

勝手に私の気持ちわかったふりして同情しないで！！

市合麟太郎

同情なんて……。

安芸直治

真奈美落ち着いて。

安芸直治

市合の兄貴の言う通り、僕から見ても最近の真奈美はちょっと変だよ。

篠崎真奈美

変って…どういう風に？

安芸直治

前までの真奈美じゃない。

安芸直治

全くの別人みたい。

安芸直治

真奈美は優しくて、穏やかで、上下関係を大切にする人だった。

安芸直治

なのに今の真奈美は攻撃的で、自己中心的な性格。

篠崎真奈美

…………

篠崎真奈美

へー。

篠崎真奈美

さすが安芸兄。

篠崎真奈美

よく見てるね。

篠崎真奈美

そうだよ、私はもう一人の真奈美。

篠崎真奈美

今までの私を白崎真奈美とするなら…。

市合麟太郎

白崎真奈美…？

篠崎真奈美

今の私は黒崎真奈美。

安芸直治

し、白と…黒の、真奈美……！？

篠崎真奈美

復讐を遂げるためなら、私は悪魔にすら魂を捧げるの。

篠崎真奈美

それが黒崎真奈美のやり方。

篠崎真奈美

違和感の正体は、そこにあるの。

篠崎真奈美

もう、私はみんなが知ってる真奈美じゃない。

篠崎真奈美

例え命を天秤に賭けてでも、私は愛する人の仇を取る。

篠崎真奈美

あなたたちだって、一緒でしょう？

篠崎真奈美

殺られたら殺りかえす…それが、極道ってもんだから。

それから暫くして…。

篠崎真奈美

え……い、和泉さん…嘘……。

神田

嘘じゃ、ないです。

神田

それ、と……親父が呼んでました。

神田

組長室に来い、と。

篠崎真奈美

…わかった。

篠崎真奈美

その間、この事務作業よろしくね。

神田

は、はい！

篠崎真奈美

（ようやく来た……この時が。）

篠崎真奈美

失礼します、真奈美です。

神城

入れ。

名波

……。

神城

和泉さんについては？

篠崎真奈美

もちろん聞きました。

篠崎真奈美

……。

篠崎真奈美

私、ですよね？

神城

あぁ。

神城

真奈美には、東京に行ってもらう。

篠崎真奈美

やった……！

篠崎真奈美

あ、すみません…。

名波

市合たちから、真奈美の人格が変わってしまったと聞いていたが、その辺の素直さは変わっていないみたいだな。

篠崎真奈美

あ、あはは……それ聞いてたんですね。

名波

それはそうとして……。

名波

真奈美、お前はなぜ東京と戦わなければいけないか分かるか？

篠崎真奈美

…碧の仇を取るため？

名波

それもそうだ。

名波

もう一つは？

篠崎真奈美

えっと………。

篠崎真奈美

何でしたっけ？

名波

東京に、土地を奪われないためだ。

篠崎真奈美

……なんでそんな話を？

神城

…真奈美は１５年前の東京との戦争の記憶があるか？

篠崎真奈美

え、と……。

篠崎真奈美

本当に少しだけで、断片的ですが……。

篠崎真奈美

暗い場所に閉じ込められて泣いている記憶…誰かが頭を撫でてくれた記憶…。

篠崎真奈美

……激しい銃声と、断末魔…大勢の足音。

篠崎真奈美

誰かと、手を繋いで歩いている…記憶？

篠崎真奈美

これくらいですね…。

篠崎真奈美

そもそもどれがどの順番で起こったのかも分かりませんし…。

神城

…それだけか。

神城

なら、その記憶を繋げようか。

篠崎真奈美

繋げる…？

神城

いずれ話さなければ、とは思っていた。

神城

篠崎真奈美、お前の過去についてな。

篠崎真奈美

過去って…。

篠崎真奈美

もう知ってるよ。

篠崎真奈美

私が捨て子で、親父とカシラが拾ってくれたんでしょ？

篠崎真奈美

前に聞いたし。

名波

あ、悪い。

名波

それは真っ赤な嘘だ。

篠崎真奈美

え？

篠崎真奈美

私捨て子じゃないの？

篠崎真奈美

ちょっ…私、今まで騙されてたの？

名波

なかなか真実を伝える機会がなくてな。

篠崎真奈美

え、そもそもなんで嘘ついてたの？

名波

その話をしたとき真奈美は…小学校低学年だったか。

名波

そんな子供に伝えられるほど穏やかな内容じゃないんだ。

神城

本当は、真奈美が成人したときか結婚するときにでも話そうと思ってたがな。

神城

今のほうがいいと、そう思った。

篠崎真奈美

それは…私が東京に行くから？

名波

真奈美には、真実を知ってから行ってきてほしい。

名波

それに、そんなことは避けたいが…。

名波

自分の正しい過去について知らないまま死ぬなんて嫌だろう？

神城

もし真奈美が自分の生い立ちを知らずに亡くなったら、俺達は一生後悔する。

神城

おそらく真奈美は、東京と横浜の戦争の最年少の当事者だ。

神城

せめて何があったかを知っておいてほしい。

篠崎真奈美

……。

篠崎真奈美

わかった、教えて。

篠崎真奈美

私の過去。

To be continued

古愛真珠

みなさん、大変お待たせいたしました！

古愛真珠

前回の投稿から４ヶ月…くらい？

古愛真珠

なかなか区切れがつかず長編になってしまいました…。

篠崎真奈美

ここまでお疲れ様。

古愛真珠

でも今回は長い時間をかけた分、かなりの自信作に出来たんじゃないかな〜…。

古愛真珠

と思っています。

古愛真珠

それじゃ、次回予告！

古愛真珠

ついに明かされる真奈美の過去。

篠崎真奈美

過去に隠された真実と約束とは！？

古愛真珠

真奈美が神城組にいる理由とは？

篠崎真奈美

私が碧を選んだ理由とは？

古愛真珠

謎がついにベールを脱ぐ！

篠崎真奈美

次回、第十二話。

篠崎真奈美

「篠崎真奈美の過去：前編」

古愛真珠

乞うご期待ください！

篠崎真奈美

ばいばーい。

この作品はいかがでしたか？

103

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

古愛真珠

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

神城組の天使のような死神

第13話 - 第十一話　「神城組の仁義と正義、篠崎真奈美の復讐心」

作者の他の作品すべて見る

#ヒューマンバグ大学の新着小説
一覧

関連するタグ

神城組の天使のような死神

第13話 - 第十一話 「神城組の仁義と正義、篠崎真奈美の復讐心」

作者の他の作品すべて見る

#ヒューマンバグ大学の新着小説一覧

関連するタグ

第13話 - 第十一話　「神城組の仁義と正義、篠崎真奈美の復讐心」

#ヒューマンバグ大学の新着小説
一覧