次の日の朝。 昨夜のことは、夢だったんじゃないかと思っていた。
いや──思いたかった。
でも、玄関を開けた瞬間にその幻想は一瞬で消えた。
颯真
海翔
凪
海翔
凪
海翔
凪
言いながら靴を履く俺の横で、颯真が鞄を持ってくれる。 海翔は勝手に俺の制服のネクタイを整えてくる。
凪
海翔
凪
この2人、テンポ感も距離の詰め方もおかしい。
完全に初対面のはずなのに、やたらと自然に入り込んでくる。
しかも──
凪
登校中、俺は口を開いた。
凪
颯真は無言で前を歩きながら答えた。
颯真
凪
颯真
凪
海翔
凪
2人は悪びれもせずに笑っていた それにしても──
海翔
海翔がふと立ち止まって、俺の前に回り込む。
海翔
凪
俺は素直にそう答えるしかなかった。
海翔
海翔
海翔はすぐに笑った。
海翔
颯真も、静かにうなずいた。
颯真
凪
颯真
不意に、言葉を失った。
彼らの言う「好き」が、どういう意味なのか。
その温度と重さに、戸惑う。
──なのに、なぜかその言葉が、 少しだけ、胸の奥で熱く残った。
教室のドアを開けた瞬間、空気が変わった。
ざわ……ざわざわ……
朝のざっくりした空気が、一瞬で“噂”と“視線”に変わったのがわかった。
理由は、簡単だ。
俺の後ろに、颯真と海翔がピッタリとついてきていたから。
しかも、なぜか「当然」のような顔をして。
海翔
凪
海翔
海翔が、嬉しそうにバッグから手作りの二段弁当を取り出す。 しかも、俺の好きなものばかり──らしい。
凪
海翔
凪
周囲の視線がどんどん痛くなってくる。 みんな「誰?」って顔でこっちを見てる。
当然だ。俺もそう思ってる。
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
いや、違うから。 でも説明もできないから、余計にややこしい。
颯真は教室の外の廊下の壁にもたれて、静かに俺を見つめている。 海翔は隣の空席に当然のように座って、俺の筆箱の中を勝手に整理し始めていた。
凪
颯真
凪
颯真
凪
海翔
凪
海翔
海翔は笑った。
その言い方にムカつきつつ、 なぜか、完全には否定できなかった。
俺は今── 知らないふたりに、守られているような感覚があった。
記憶も、関係も、全部忘れているのに。 なぜかその距離感は、すでに“特別”だった。
ぬっしー
ぬっしー
ぬっしー
next…30♡かも?
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