桃赤
ご褒美は2
桃
赤
今日は桃くんの大学受験の日
俺は桃くんの我儘で
彼を会場近くまで送りに来ていた
電車を降りて
張り詰めた空気の中無言で
一緒に歩く
....なんて言ったあげたらいいのか
頑張って、なんてそんな
今まで沢山言ってきたし....
何か緊張を和らげるような言葉を....
そんなことをぐるぐる考えていると
ここからは桃くん一人で
行くと言っていた場所に
たどり着き足を止める
赤
桃
俺がくちごもると
桃くんは真剣な顔をして
こちらを向いた
桃
赤
桃
桃
その声はいつもの彼からは
想像できないほどの
弱々しい声で。
そんな彼を見た俺は
反射的にその大きな身体を
ありたっけの力で抱きしめていた
赤
赤
桃
桃くんも俺の肩に顔を埋めながら
抱き締め返した....かと思ったら
さっきからずっと
スンスンと俺の匂いを嗅いでいる
桃
赤
桃
桃
あれは俺が
高校1年生の時のこと
桃
桃
小さい頃から仕事で忙しく
あまり家に居なかった両親
うちは資産家で
割と裕福な生活をしているけれど
その広い家でひとりきりというものは
あまり居心地のいいものでは無い
''慣れてるし''
そういって意地を張ったのは
俺なりの甘えだった
桃
電話越しにはしゃぐ
母親の声に思わずスマホを
耳から遠ざける
桃
気に入らなかったらまた断ればいい
面倒くさくなってそう思った俺は
渋々承諾して
スマホをベットにほおり投げた
そしてやって来たのは赤先生だった
赤
赤
俺よりも年上のはずなのに
何倍も身体が小さく
強く抱きしめたら折れてしまいそう
笑った顔が眩しくて
何よりクラスの女子達よりも
何倍も可愛いかった
そんな儚げな雰囲気が最初の印象
気づいたら俺は彼を受け入れて
勉強を教えて貰うようになった
得意科目は英語
発音が凄く綺麗で
照れると横の髪を
人差し指に巻き付けるのが癖
俺の事はちゃんと食べなさいとか
早く寝なさいとか口うるさく言う癖に
自分の事はズボラ過ぎて
いつも心配になるほど
赤
桃
言葉を濁す俺に
赤先生はケーキ買いに行こう!!
ってうれしそうにはしゃいで
俺の手をとった
2人だけの誕生日会
俺がロウソクを吹き消して
パンっとクラッカーがなり
赤先生がニコニコしておめでとうと
言ってくれた
その笑顔を見た時
あぁ、好きだなって思った
今思えば出会った時から
好きだったのかもしれない
これ以上ないくらいの幸せを感じた
親からの愛に飢えていた俺が、
この人を愛おしいと、守りたいと
初めて人を好きになった瞬間だった
黄
昼休み、図書室で赤先生に指摘された
箇所を中心に参考書を開いていると
黄が単語帳を手に隣に立っていた
桃
黄
桃
桃
桃
桃
桃
黄
桃
少し赤面して睨むと
黄はやれやれ、といった様子で
俺の隣にドカッと腰掛けた
黄
黄
桃
黄
黄
黄
桃
黄が指さしたところには
赤先生の可愛らしい字で
採点をしたところに頑張れ!
と書いてある。
慌てて隠す俺に黄はくすくす笑った
黄
桃
桃
黄
桃
赤
桃
お互いの身体を離すと
思わず緩く笑う赤先生の
ほんのり色づいた唇に
視線をやってしまう
....この唇に
俺のものを重ねられたら
赤
あぁ、マジで可愛い、可愛いな
きょとんとする顔も
寒さで火照った頬も
少し濡れた長いまつ毛も
全部全部、俺のものにしてやる
そう誓って
俺は歩き出した
桃
桃
赤
赤
パソコンの前を行ったり来たりする俺を
当の本人は呆れ顔で笑っている
あと五分で桃くんの大学の合格発表会
先にウェブで発表されるため
1時間前からパソコンをたちあげて
桃くんの家の中2人待機していた
カチ、カチ
時計が12時ぴったりになると
桃くんが無言でマウスをクリックする
桃
受験番号を呟きながら
スクロールする彼を
俺は息を飲んで見守る
桃
桃
桃
その瞬間俺は桃くんに
思いっきり抱きついた
不意打ちだったせいで
一緒にソファーの上に倒れ込む
赤
桃
桃
赤
ズビズビと鼻を鳴らす俺に
桃くん緊張の糸が解けたように
柔らかく笑って俺の頭を撫でた
....これじゃどっちが年上か分からない
数秒経って
そういえば今俺が
桃くんを押し倒している、という
大変アウトな状態に気づき
慌ててどこうとすると
いつの間にか桃くんの腕が
背中に回ってがっちりホールドされて
抜け出そうとも抜け出せなかった
赤
桃
赤
きょとんとして桃くんを
見下ろしていると
後頭部を急に引き寄せられ
顔がありえないくらいに近づいた
赤
その瞬間
ちゅ、と小さくリップ音がなって
触れた唇の体温
赤
桃
桃
赤
熱っぽい目で俺を見つめ
聞いた事のないような
甘い声で囁いてくる桃くん
桃
赤
今この体制で言うことか!?
顔が熱い
ドクドクと早くなる心臓の音が
彼に聞こえてしまう
とにかく桃くんの傍を離れようと
必死に彼の腕に手をかけると
そのまま手首を掴まれて
指先から手首まで
恥ずかしいほどのリップ音をまたたてて
何度もキスされた
赤
桃
桃
桃
いいとこで 切っていくスタイルゥゥゥゥウ((( 年上受けっていいよね((( 私のストーリーに 誰かがコメントしてくれて 勿論私もいいね押すんだけど いいねが3とかなってると なんか嬉しいんですよね(((
コメント
23件
年上受けいい…!!!けど私やっぱり可愛い子が受けなのが1番いい…!いこーる桃赤最高…!ってことなんだよ…🫰🏻
最高すぎますせんか…年上受けマジ神です() 積極的な桃くん良いですよね! はみぃさんの書く物語って、全てが綺麗で美しく見えるのは何故でしょうか(?