七宮くんは気まぐれ

小春は凛月に腕を掴まれていた。

なにこの状況は＿＿＿！！！

凛月はハッと我に返り、小春から手を離した。

凛月は背を向けて歩いていった。

小春は電車から降りていった。

ふと車両内を見渡すと、一番端で立っている凛月の姿が見えた。

「次は××〜……」とアナウンスが聞こえる。

小春は電車から降りた。

後ろを振り向いてギョッとする。

凛月がスマホを触りながらこっちに歩いてきていた。

小春は逃げるように早歩きで改札から出た。

道を歩いていると「ミン」と鳴き声が聞こえる。

声のする方に顔を向ける。

子猫が道の端で横になって倒れていた。

足には深い傷がある。

子猫は倒れたままでも小春を威嚇した

小春は子猫を抱き抱えた。

子猫は腕の中で暴れて小春の首元を引っ掻いた。

後ろから声がしてバッと振り返る。

凛月が小春を連れていったところは町の小さな動物病院だった。

あの子猫の処置をさせ終わるのを待合室で待つこと数十分。

小春はずっとソワソワとしていた。

その時、チラッと凛月は扉の方に視線を向けた。

その時、ガチャリと扉が開いて獣医師が中に入ってくる。

小春はホッと胸を撫で下ろした。

小春はバッと手を挙げた。

凛月は眉間に皺を寄せてギロッと小春を睨んだ。

怒鳴り声に小春の体はビクッとはねる。

凛月は冷たく小春を睨む。

凛月は小春に近づき、手を伸ばす。

凛月は小春の首を両手で掴んだ。

小春は凛月を突き放す。

小春は凛月に向かって頭を下げた。

凛月はべーっと舌を出した。

小春は負けじと舌を出して攻撃する。

大きく口を開けて笑う姿に思わずドキッとしてしまう。

また、ドキッとしてしまう。

ほんと私

単純だな

凛月は絆創膏をカバンから出した。

すると凛月はため息をつき、小春の方へ寄ってきた。

凛月は小春の首に絆創膏をペタリと貼る。

クラスの中で1番早く私が知ったこと

七宮くんは優しい

1番だもんねー！

ガララ……と教室の扉を開ける。

私は遅刻することが多いので唯との登校は別々にすることにした

小春は自分の席にカバンを置いた。

隣の席で眠る凛月の方を向いた。

唯の耳打ちにこくりと頷く。

凛月は寝ぼけながら小春の方を見る。

また凛月は眠りについてしまった。

はぁあああ！？！？

少し、

ほんの少しだけ仲良くなれたと思ったのに

バカみたい

資料が配られる。

小春は隣の席をちらっと見た。

凛月は珍しく資料に目を通していた。

キーンコーンカーンコーン

小春はガタリと立ち上がる。

奥の男の子は赤くなりながら慌てている。

これは

告白に決まって＿＿＿！！！

期待？

期待なんてしてませんでしたけど

可愛い唯より私なんかがモテるわけなんてないもんね！

司は手を合わせて真っ赤な顔で小春を見る。

唯…には幸せになってほしい

この2人は悪い人じゃない気がするし

小春はレポーターのように拳でマイクを作って司に差し出した。

司の顔は真っ赤に染っていた。

唯の笑顔に3人ともドキッとしてしまった。

凛月は自分の席に座った。