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天を仰げば満天の星
生物たちが寝静まった森の中
一等星を数えて遊んでいた
何時だって変わらない日々を
支配差別されない日々を
時折思い出しながら 瞼を濡らしていた
和人が干渉してきてから 俺らは土地を奪われた
護ってきた自然も 破壊尽くしていった
文化も社会も存在さえも 否定されて虐げられた
俺らが反抗したら
凡て無いものにした
住む場を失った者は次々と 冷たい石と化していった
何度、何度、カムイ(神)に 祈りを捧げたのだろうか
和人を追い出してください 住む場がほしいです 俺らの家族を返してください 生物たちを護ってください 文化を認めるようにしてください 元の世界に戻してください
結局、叶わない願いだった
底なし沼に沈んでいった頃
とある人物の話を耳にした
どうやら、そいつも 俺らと同じく和人に居場所を奪われたらしい
最初こそ抵抗していたもの、 もう従順な犬だ、とほざいていた
聞けば、その国は この島よりも、ずっと南だ
成り立ちは共通だが きっと、分かり合えたりはしない
その背景が自分と異なるからだ
きっと俺の常識が相手にとっては 常識以上のことになるんだろう
そう考えてた
かつての無邪気さは何処に…ってね
それほど 俺は人が信じられなくなってた 結果は裏切られるものだと思ってた
もう 俺に救いの手なぞ 誰も差し出してくれないんだから
言葉も口にしない 顔色を窺う 仕草を覚えて相手の感情を読む 命令には従う 常に笑顔を貼り付ける
己の想いを押し殺してでも
北海道
北海道
北海道
北海道
本土の人間が俺に言った
『琉球県』に会ってはどうだ、と
あの時 俺と同じ境遇に遭った奴だ
奴らの命令には逆らえない だから渋々来たまでだ
ただもう、暑さで どうにかなって しま い そう だ
「?!」 「あの人っ!?」
北海道
「ね、ねっちゅーしょーに なってるっ!」
「南地の人に伝えなきゃっ」
北海道
北海道
「気にしないで!」 「あと!ケイゴはなしで良いよ!」
琉球
北海道
琉球
琉球
北海道
琉球
北海道
琉球
北海道
琉球
琉球
北海道
琉球
琉球
琉球
琉球
北海道
琉球
琉球
北海道
琉球
琉球
琉球
北海道
琉球
北海道
何だ?何なんだ?
この気持ち
俺の身体の中で膨れ上がってる
沖縄が俺と言葉を交わす度に ゾクゾクする
襲いかかってしまって 食ってしまいたいくらい
こんな俺に心配してくれる奴が 小さな可愛い身体の子供が 純粋で弱い子が 俺に似ず輝く目を持つ人が 仕草 口調 匂い 表情 全てが全て 俺を興奮させた
いや、興奮だけじゃないな
性的興奮…エクスタシーかもしれない
こんな小さな子供に?
この俺が?
…………
北海道
北海道
琉球
北海道
どんな味がするんだろうな