ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
―花吐き病―
正式名称は、嘔吐中枢花被性疾患。
片思いが悪化すると、口から花を吐くようになる病気。
治療法はまだ発明されていない。
今のところ、治る方法はただ一つ。
相手と両想いになること。
その時、美しい白い百合の花を吐いて、 病気は完治する。
翔太
翔太
ボタボタ、と鮮やかな色彩の花々が落ちていく。
クラクラするような甘い香りが鼻を突き、 俺はまた吐き出す。
翔太
こんなことになってしまったのだろう。
ああ、いっそのこと、
翔太
翔太
ー楽屋ー
俺の名前は渡辺翔太。
アイドルグループに所属していて、 賑やかなメンバー達と、楽しい日々を過ごしている
大介
照
亮平
涼太
翔太
康二
大介
辰哉
雑談しつつ撮影までの時間を潰していると、 先に撮影に入っていたラウールとめめが帰ってきた。
ラウール
蓮
康二
辰哉
大介
照
亮平
蓮
翔太
あ、目があった…
思わず心臓が跳ね上がる。
やばい、動揺隠せてるかな
蓮
翔太
翔太
蓮
大介
大介
辰哉
辰哉
翔太
翔太
照
スタッフ
全員「はーい!」
涼太
翔太
…そう、俺は今、めめに恋をしている。
きっかけは、一目惚れ。
そして、笑ってるとこも、ふてくされてるとこも、 とにかくすべてが好きだと思った。
それからずっと温めてきた思い。
メンバーに迷惑はかけちゃだめだと思いつつも、 顔に出て心配されてるようじゃな…
涼太
翔太
いつかめめに思いを伝えたい。
それまで、この思いは悟られないようにしよう。
翌朝
翔太
いつもより早く目が覚めた俺は 早めに楽屋に来ていた
翔太
翔太
そう思って楽屋のドアノブを握ると
亮平
蓮
翔太
翔太
俺いつも時間ギリギリで来るから、 二人が早いの知らなかった…
翔太
亮平
亮平
ドアノブを回す手が止まる。
翔太
頭を殴られたような衝撃が走る
翔太
俺はドアから離れ、 耳をふさいで座り込む。
もうその先は聞きたくない。
翔太
好きになって、思いを伝えられないうちに 先を越されて
勝手に失恋してる。
翔太
そう思って立ち去ろうとすると、
亮平
後ろから誰かにぶつかられた。
翔太
翔太
亮平
亮平
翔太
翔太
亮平
今来たよ、と嘘をつこうと思った。
でも、俺はつい、
翔太
翔太
と思ってもないことを言った。
亮平
翔太
聞きたくもなかったよ
亮平
亮平
翔太
翔太
亮平
翔太
涙を堪えて俯き、 俺は阿部ちゃんの前を後にした。
トイレの個室
翔太
翔太
この後どんな顔して 二人に会えばいいんだろう…
ふとスマホを取り出して、 自分の顔を見る
翔太
予想以上に泣き崩れた顔をしていた
自分が思っていた以上に ショックだったんだな…
翔太
翔太
あ、もう抑えられないかも…
翔太
思う存分に俺は泣いた。
泣いて、泣いて、泣き疲れたところで、
過呼吸がちになっていることにようやく気がついた。
翔太
翔太
喉の奥から、何かがせり上がってくる
あ、これ、
吐くかも。
翔太
翔太
便器の蓋をあけ、思いっきり吐いた。
出し切ったところで、吐瀉物を流そうと立ち上がる
翔太
翔太
俺は便器の中を見て呆然とした。
俺が吐いたはずのそれは、
花、だった。
翔太
翔太
翔太
訳が分からなかった。
翔太
花の一つに、見覚えのある花があった。
オレンジで、花弁の多い小振りな花。
翔太
いつもは綺麗に見えるその花も、
酷く穢らわしいものに見えた。
翔太
翔太
俺は慌てて個室を飛び出した。
―マリーゴールド―
花言葉 "嫉妬" "絶望" "悲しみ"
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
コメント
1件
続きが楽しみ!!チャットノベルって、ト書きの文字変えられないのかなあ。運営さん、頼みますわ〜