本橋 鈴
急に、ご、ごめんなさい!
本橋 鈴
お見舞いに来たの…
本橋 鈴
(知られたくない、琉生くんだけには)
本橋 鈴
(弱い自分はもう見せたくないの。)
如月 琉生
ありがと
如月 琉生
(それにしては顔が曇ってる?)
如月 琉生
…本当は何かあったんじゃないの?
如月 琉生
(目赤いし絶対何かあっただろ)
本橋 鈴
…な、何にもないよっ!!!
如月 琉生
…嘘だろ?
本橋 鈴
え。
琉生くんが私にもたれかかってきた。
本橋 鈴
…る、琉生くん?////
如月 琉生
嘘なんだろ、本当は。
本橋 鈴
…。
泣きそうになった。
けど、心配はかけたくない。
私は笑顔で言った。
本橋 鈴
何でもないですよ。
如月 琉生
…。
本橋 鈴
…?
本橋 鈴
琉生くん?
如月 琉生
…はぁ、はぁ。
本橋 鈴
…熱、凄く高そう。
本橋 鈴
…
如月 琉生
鈴、大丈夫だから、帰れ
如月 琉生
うつしたくない。
琉生くんは私から離れてベットに潜った。
本橋 鈴
…分かりました。
本橋 鈴
(ごめんなさい。)
本橋 鈴
また学校で…!
ごめんなさい。
ザー。
刹那 真白
(くそっ、雨かよ。)
帰ろうとしたところ、雨が降りだしてきた。
刹那 真白
(というか、鈴、大丈夫なのかよ)
クツ箱のところで雨がやむのを待つ。
刹那 真白
(あー、気分悪い)
刹那 真白
(何なんだよ、クラスの奴ら。)
刹那 真白
(むかつく。)
入るか?
後ろから声がした。
刹那 真白
…あ"?
若草 椥
うわ、機嫌、悪…
若草 椥
良いや、俺ひとりで帰るし
刹那 真白
…。
椥は折り畳み傘を開いた。
若草 椥
で、帰るの、帰んないの?
刹那 真白
…帰る!!
若草 椥
…じゃあ一緒に帰ろ。
椥はニカッと笑った。
刹那 真白
(やべぇ、嫌なこと全部ふっ飛んだ)
刹那 真白
帰るーーー!!!
椥に飛びついた。
若草 椥
…うわ、キモいって!!
若草 椥
そんなに引っ付くな、アホ
刹那 真白
いぇーい、相合い傘笑
若草 椥
キモい。
若草 椥
離れなかったら
若草 椥
そこの泥水にぶっ飛ばす!!
刹那 真白
…笑
刹那 真白
そんなことしないでしょ、椥は笑
若草 椥
……//
刹那 真白
ごめんな、椥。
刹那 真白
ちょっと機嫌悪くなっちゃってさ
若草 椥
…別に、
若草 椥
俺もそういう事あるし
若草 椥
大丈夫だよ。
刹那 真白
…ははっ笑
刹那 真白
そっか!
俺、幸せ者なんだわ笑
…
ポツ、ポツ、ポツ。
本橋 鈴
(…え。)
ザァァーー。
本橋 鈴
雨…
本橋 鈴
(あ、でも気持ちいいや。)
このまま全てが溶けて
なくなってしまえばいいのに。
私なんて
いらないよね。
本橋 鈴
(雨が降ってたら、泣いても分からない。)
本橋 鈴
(今なら泣ける。)
瞳から涙を溢れるばかりに溢す。
本橋 鈴
…ぁ"ぁ"あ"あ"ぁ"…!!!!!
私はその場に崩れ落ちて
足が泥だらけになる。
本橋 鈴
(もういい)
ザー。
本橋 鈴
(私なんて消えてしまえ。)
ザァァァァ!!
本橋 鈴
(どこかに消えてしまえ。)
だんだん雨が強くなっていく
本橋 鈴
(失くなってしまえ!!)
あれ、雨が止んだ?
体に雨が当たらなくなった。
…鈴ちゃん?
頭上から声がした。
あぁ、誰かが傘をさしてくれたんだ
本橋 鈴
…。
本橋 鈴
(あれ、何で私の名前知ってるの?)
ゆっくり声がする方に顔を向けた。
砂川 星
…やっぱり鈴ちゃんだ。
本橋 鈴
…砂川くん、?