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暗闇に差す光

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暗闇に差す光

25 - 【25話】初雪のあたたかさ

2022年12月26日

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朝倉

光、おはよう

・・・朝倉くん、おはよう

朝倉

寒いな今日は

朝倉

もうすっかり冬だ

朝倉

俺の妹なんか、
コタツから一切
出てこないんだよ

寒いのに・・・わざわざ
・・・ありがとう

朝倉

何言ってんの

朝倉

俺がただ光に会いたい
から来たんだよ

・・・うん。私も

会いたかったよ・・・

朝倉

・・・光、少しだけ
外に出ないか?

朝倉

黒沢先生には許可を
もらってあるんだけど

外か・・・うん。

出てみようかな・・・

久しぶりだな・・・

太陽の光浴びるの・・・

朝倉

・・・ああ

そうだ・・・朝倉くん

あのね・・・
渡したいものがあって

朝倉

ん?

これ・・・

朝倉

・・・あ

私からのプレゼント

誕生日に貰ったまま
だったから・・・
お返ししたかったの

朝倉

・・・

お母さんと先生に
頼んでね・・・

朝倉くんが好きそうな
もの、たくさん迷って
選んだよ・・・

私はきっと、もう
形あるものは
残せないけど

でも・・・時々これを見て
私を思い出してくれたら

そんなに嬉しいことは
ないな、と思って・・・

朝倉くんが・・・私と居て
幸せだって思ってくれる
なら・・・

私が生きる意味が
ここにある。

だから・・・ありがとう

朝倉

・・・ありがとう

朝倉

今までもらった
どんなものより
綺麗だ・・・

・・・😊

朝倉

光、俺もひとつだけ
伝えたかったことが
あるんだ

・・・?

朝倉

俺が光を
好きになった理由

朝倉

前に聞かれた時は
はぐらかしたけど・・・

朝倉

言わなかったら、一生
後悔すると思うから

・・・

朝倉

光が誰よりも優しい人
だったからだ

朝倉

別に前に出て目立つ
タイプじゃないし、
これといって関わる
こともなかったけど

朝倉

光の優しさは・・・
見てるだけで伝わってきた

朝倉

いつも周りのこと
考えながら笑って・・・

朝倉

誰かが泣いたら
一緒に泣いて・・・

朝倉

誰かが笑ったら、
幸せそうにまた笑った

・・・

朝倉

光はいつだって
誰かのために笑ってた

朝倉

光の優しさが好きだよ

朝倉

信じられないくらいの
強さが好きだ

・・・

朝倉

君は・・・君は本当に
俺にとっての

朝倉

──眩しい光

・・・私も・・・私もだよ・・・

私も・・・
あなたのことが好き。

朝倉

あ・・・雪だ

初雪だね・・・

朝倉

ああ・・・

朝倉

寒くないか?

・・・ちょっとね

朝倉

・・・俺の手、握ってみ

・・・うん

──あっっったかいね😊

朝倉

光のは冷たいね笑

ちょっと笑

朝倉

でも、俺は好きだよ
この冷たい手

どうして?
あったかい方が・・・

朝倉

聞いたことない?

朝倉

手が冷えてる人は、心が
温かい人だって

朝倉

この言い伝えには
理由があるんだよ

理由?

朝倉

優しい人は、
自分の中にある温かさを
周りの人に振りまいてる
んだって。

朝倉

自分のために使える
はずのものを、
惜しまずに
分け与えられる。

朝倉

だから手の冷たい人は
思いやりに溢れた
優しい人

朝倉

もしもそういう人に
出逢ったら
手じゃなくて、
心に触れてやれって
教わった

朝倉

体じゃなくて、心ごと
包み込めって

・・・

朝倉

だから俺は、
光の手が好きだ

朝倉

心があったかいって
証明してくれてる
みたいで

・・・素敵な・・・お話だね

でも・・・それだと
あったかい朝倉くんは
優しくないみたいだね笑

こんなにも私に優しさを
分けてくれてるのに

朝倉

まあ、俺のは
優しさじゃないし

朝倉

俺が光といたいから
いるだけ

朝倉

それだけ

・・・今、朝倉くんの心に
触れてみた。

朝倉

冷たかった?

ううん。あったかいよ

朝倉

・・・どうも笑

朝倉

にしても、今年の冬は
寒いもんだね

朝倉

雪のせいか?

だから〜、
あったかいってば

朝倉

・・・

あったかいよ。初雪も

朝倉

・・・そうだな

・・・積もるかな・・・?

朝倉

こんな、
ただの真っ白な雪も

朝倉

光がいると特別に見える

朝倉

なんでだろうな・・・

・・・んふふ

そういうのってさ──

『愛』って
呼ぶんじゃない?

朝倉

・・・愛か・・・

・・・大袈裟、かな

朝倉

いや・・・

朝倉

こんな俺が言うには
まだ重すぎる表現かも
しんないけど・・・

朝倉

奇跡を願っちゃうくらいに

朝倉

──愛してる

・・・!

もう・・・奇跡、起きたよ。

ありがとう、
会いに来てくれて・・・

こんなにも・・・
愛してくれて・・・

朝倉

・・・うん

朝倉

来年も・・・見ような

朝倉

あったかい初雪。

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