桃赤
永遠の愛してるを_。
とあるヴァンパイアの街の館に
''桃''という若旦那が住んでいた。
もちろん彼もれっきとした
ヴァンパイアである。
桃
桃
週に一回来る商人は
にこやかに笑うと
商品を次々にチップと交換していく。
沢山の荷物が積まれた荷台の後ろに
幼い子どもの影が見えた気がして
俺はまたかとため息をついた。
桃
商人はニヤリと笑うと
繋がれている鎖を引っ張った。
赤
サラリと赤色の髪が揺れて
幼い5歳くらいの
少年にも少女にも見える子が
怯えたように姿を現した。
所々汚れていてやせ細っているし
怖くてたまらないのか
俺を見上げてブルブルしている。
綺麗なオッドアイに
通った鼻筋と
雪のような肌。
大きくなったら
さぞ美人になるだろう。
ご機嫌なのか
商人はニヤニヤと気持ちの悪い
笑みを浮かべながら
ここぞと手を合わせた。
ここ最近では
幼い人間の子どもを攫い
吸血鬼に売り渡すのが流行っている。
幼い頃から愛情を持って育て
程よい頃になったら
血を吸い尽くして殺す。
自分が育てた子どもの血の味は
なんともいえない
極上の味がするのだとか。
....思ってもいないくせに
心の中で毒づきながら
何故かその子に興味が湧いた。
桃
赤
赤
桃
赤
桃
目線を合わせるために
屈んだ膝を元に戻して
商人と向き直る。
桃
桃
商人はびっくりしたように
目を見開いた。
そりゃそうだろう。
他の子どもがきても
俺はこうゆう事に
全く興味を示さなかったのだから。
桃
手続きが終わると
商人はまた嬉しそうに去っていった。
とりあえず赤の汚れた体を
洗ってあげようと
お風呂に入れた。
服を脱がすと
....やはり
所々痣があり
親に虐待されていたのだ悟った。
赤は最初怯えたように
目もろくに合わせてくれなかったが
湯船に小さな身体をつけて
ふわふわの泡で洗ってやると
くすぐったそうにクスクス笑った。
桃
さっきの商人の所で
一緒に買った上等な服を着させ
少しドキドキしながら
フォークを口に運んだ赤を
横から覗き込むように見る。
赤
するとふにゃっと顔を綻ばせて
そう笑うものだから
心の底から温かいものが溢れてきて
思わずわしゃわしゃと
頭を撫でてしまった。
赤
純粋な眼差し。
彼は怯えるでもなく
俺をキラキラとした目で見つめてくる。
桃
桃
赤
赤
大抵の人間は
本当に存在しているのを知ると
ヴァンプの事を怖がり
毛嫌いするのに。
そして
殺そうとする。
桃
桃
赤
恐る恐る聞くと
赤は大きな目をキョトンとさせて
こくりと頷いた。
赤
赤
桃
桃
今度はゆっくりと小さな頭に
手のひらをポンっと置く。
赤
赤
気づいたら目の奥が熱くなって
心配そうに俺の顔を下から
覗き込んだ赤がぼやけた。
赤
赤
何も言えずにいると
赤は小さな手を伸ばして
さっき俺がしたように
優しく頭を撫でてくれた。
俺の館に人が居るなんて
滅多にないから
俺も少しおかしくなってしまった
のかもしれない
その小さな手の温もりが
泣きそうなほど
暖かくて。
書斎で仕事を終わらすと
ソファで
うつらうつらしている赤が見えた。
近づくと
半目なまま、とろんとした目で
俺を見上げてくる。
桃
赤
その小さな身体を抱き上げ
2階へと続く長い階段を登る。
すると赤は 俺にぎゅっとしがみついたまま
不安そうに聞いてきた。
赤
桃
きっと
こんなに優しくされたのは初めてだから
色々戸惑っているのだろう。
桃
桃
ふかふかのベットに寝かせながら
微笑んで毛布をかける。
赤
俺がそう言うと
赤は安心したようにまた
ふにゃっと笑って
静かに目を閉じた。
小さな身体を上下させて
すやすや眠る彼を
俺はしばらく
頭を撫でて見つめていた。
そして__10年後。
赤
そうふわりと笑う彼は
昨日誕生日を迎えて
15歳になった。
背こそ伸びなかったものの
宝石のような瞳と
真っ白な透き通った肌、
花が咲くような笑顔は
道行く人達を振り返らせるほど。
あれだけ酷い扱いをしていた
商人さえ手を平を返したように
ニコニコしている。
赤
桃
赤はその奥に俺を見つけると
嬉しそうにぎゅっと抱きついてきた。
赤
桃
桃
赤
頭を撫でてやると
頬をほんのり赤くして
天使のようにはにかむ。
桃
そしてふと
商人が売っているものを
赤にあててやると
彼はむうっと頬をふくらませた。
赤
赤
桃
赤
桃
桃
赤
赤
俺は赤色のルビーで
赤は桃色のピンクダイアモンド。
俺が付けてやろうとすると
彼は少し髪を両手で持ち上げてくれる。
赤
桃
赤が少し離れた
噴水の方へ行ってしまうと
自身にも付けたネックレスを
指でなぞる俺に
商人はニヤニヤして耳打ちしてきた
視線をあげると
サラサラの髪を揺らしながら
噴水の花畑で
花をつむ赤の姿が見えた。
桃
''極上の味''
商人が呟いた言葉は
宛もなくただ落ちていった。
その言葉を
彼が聞いていたとも知らずに__。
また吸血鬼パロに 手を出してしまった.... あ、続きまス(( 今の連載がまだ書き終えてなくて.... 下書きにあったので 一応出しときますw
コメント
39件
連載ブクマ失礼します🙇♀️
今回のストーリーもめっちゃめちゃめちゃ好きです〜!!💭💕ブクマ失礼します!!
ブクマ失礼します.ᐟ.ᐟ.ᐟ 続き待ってます⸝⸝> <⸝⸝