瑞希
はあ…
類
瑞希
瑞希
あ、類
類
こんなところでどうしたんだい?
瑞希
あーなんか今日疲れちゃったから
瑞希
もう帰ろうかなって思って
類
そうか…
類
何かあったのかい?
瑞希
……
瑞希
ごめんね、類
瑞希
やっぱり、言えないよ
類
どうして?
瑞希
もう、誰も巻き込みたくないから
瑞希
類はボクにとって、大事だから
瑞希
傷ついて欲しくない
瑞希
だから…
類
それで瑞希が苦しむくらいなら僕は苦しんでもいい
類
瑞希の、その苦しみも分かち合いたい
類
この前も言っただろう?
瑞希
…ボクは、やっぱりそんなの嫌だ
瑞希
傷つくのはボク1人でいいから
瑞希
じゃあね、類
類
あ、瑞希、待って!
類が瑞希の手首を掴む
瑞希
…離して、類
類
話してくれるまでは離さない
類
もう瑞希を1人にしたくない
類
大事に至る前に話してくれないか?
瑞希
……
瑞希
もう…ボクは…1人でいい
瑞希
これ以上…迷惑は…かけられないよ
類
僕は迷惑だなんて思ってない
類
だから…
瑞希
っ…ごめん…ごめんね
手を振り払って走って逃げる
類
瑞希…!
類
…(離してしまった)
類
(瑞希、一体どうすれば…)
瑞希
…(類は優しいな)
瑞希
(苦しみも分かち合う、か)
瑞希
(少しだけ嬉しかったけど、やっぱり、大事だからこそ苦しんで欲しくない)
瑞希
(…っ、はぁ…優しさが痛い)
瑞希
(素直に受け止められれば良かったんだけどなぁ)
瑞希
(ボクってやっぱりずるいな、)
瑞希
(あはは、はは…)
瑞希
(もう、学校も行かなくていいか)
瑞希
(誰かを巻き込むのが嫌なら高校も辞めてしまえばいい)
瑞希
(それか、どうせ辛いならまた中学までみたいに髪も切って…)
瑞希
(…まあ、どっちも出来ないから苦しいんだけどね)
瑞希
(結局、いつもこれだ)
瑞希
(どんなに考えてもいい答えなんて出てこない)
瑞希
(いつも、ひたすら同じことを繰り返し考えて、答えが出ないままで)
瑞希
(もう、いっそ全部忘れてしまえたらいいのにな~)
瑞希
(まあ、そんなに都合よく行くわけないか)