カフェ・レガーレへようこそ

諦めようとした

彼女が選んだ道ならそれでいいって

でも…

弱虫二人はそこでウジウジしてろ

その言葉に突き動かされたんだ

彼女にはカフェで笑っていてほしいから

怒鳴られ思わずビクリと肩が上がる

目の前の彼は真剣な表情で

そして泣きそうだ

言いたい

でも…

その言葉に彼は私の手を取った

その前に

この気持ちと…

決別しなきゃ

大好きです

彼の目から涙が溢れた

彼は泣き虫だ

そして…

ストレートだ

彼は涙を拭うと嬉しそうに笑った

もう一つやらなきゃいけない事があるんです

私達の雰囲気に気づいたようだ

なんて冗談を言って笑った

最後くらい、カッコつけられたかな

二人で楽しそうに笑う

泣かされたら俺の所においでって言葉

本気だからね？

猫のようにすり寄ってくる結城さん

ベタ甘だ

私は皆に笑った

残りの期間は短い

けれどできる限り皆の側にいたい

一年後

今日は結城さんと会う約束をしている

…デートと呼ぶのは未だに気恥ずかしい

彼らしいハートのスタンプが送られてきた

慣れたように助手席に座り伝えると

彼は呆れたように笑った

ぶつくさと文句を言う彼に言う

と言いながらも明らかにテンションが下がっている

思い切り運転が乱れた

慌ててハンドルを切りながらため息をつく

頭を久しぶりに撫でられる

代わりに結城さんの手を載せられる

騒がしい店内

今日もレガーレは

いつものコーヒーの匂いがした