ニキ
ニキ
いつもの様に学校の屋上で、カバンを枕にして仰向けに寝転がっていた
地元ではそこそこの進学校有名なここで、こんな風にサボってるやつは珍しい
勉強は嫌いでは無いが、好きでもない。そもそも面倒くさがりなので、楽ができる方が性に合っていると思う
そんな俺が、そこそこの力で合格出来て楽に卒業できるところを選ばなかった理由…それは
ガチャっ
しろせんせー
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
屋上の扉を開いて、呆れ顔でやってきた男
こいつが、俺をここの学校へと惹き付けた原因だった
ニキ
気だるげに起き上がって、膝の上に肩肘をついて問いかけると、ボビーはフッと顔を逸らしながら口の中で小さく何かを呟いた
ニキ
ニキ
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
軽く肩をすぼめながら立ち上がると、ボビーはあからさまにほっとしたような顔をした
先程のつぶやきは聞かれたくなかったらしい
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
怒ったような口調で話しているのに、いつも目元が優しげにこちらを見ている
そんな彼に初めて出会ったのは、中学3年の春塾の先生に無理やり受けさせられた模試の会場だった
~中学3年生、今から3年前~
ニキ
ニキ
ニキ
ニキ
ニキ
毎日のようにゲームをしていた俺は、塾講師とタッグを組んだ親にゲーム類を全て取り上げられ、無理やり模試会場に連れてこられていた
目標値を決められて、それを越えなければゲームをさせて貰えないと…
イライラはしていたが、受験前だというのに本腰を入れていなかった俺も悪いのかと半ば諦めていた
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
そこから俺たちは、1教科終わる度に色々話した
志望校は…とかどんなものが好きか
普段何してるのか
そんな話をしてるうちに、俺はたまに覗く八重歯や特徴的な笑い方、唐突に出る低く耳障りのいい声…彼のことが気になって仕方なくなっていった
その時は、新しく出来た友達への興味関心程度に思っていた
ニキ
ニキ
夏期講習をサボって公園でアイスを食べていると、遠くから見覚えのあるシルエットが近づいてきた
ニキ
しろせんせー
ニキ
いつの間にか定着したボビー呼びや、当たり前のように笑顔で呼ばれる関係性が、その頃の俺には嬉しかった
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
そう苦笑いしたボビーは、ふと俺を見つめて言葉を止めた
ニキ
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
俺から目を逸らして心做しか寂しそうに笑うボビーの顔が印象的だった
それと同時に、感じたことがないくらい胸が激しく高鳴っていった
今思えば、アレがボビーを意識し始めたきっかけだったんだろう
ニキ
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
そこから、互いに近況やら分からないところなどの話をして、時間を過ごした
話をしながらも、先程のボビーの顔がチラついて胸の高鳴りも収まらず、イマイチ集中出来なかったのを未だに覚えている
入学式当日
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキ
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
目をまん丸にして慌てるボビーの反応が可愛くて、胸がキューってなった
思わず抱きしめたいと思った自分に驚き、その時にやっと、俺がボビーに抱いている感情が何なのかを悟った
ニキ
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
ニキ
ニキ
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキ
真っ赤になって照れているボビーが可愛すぎて、俺はニヤニヤしながらボビーを追いかけた
現在
りぃちょ
ニキ
りぃちょ
ニキ
りぃちょ
ニキ
ニキ
ニキ
ニキ
しろせんせー
ボビーに連れられて教室に向かっていた俺は、隣のクラスのりぃちょに手を引かれ廊下の端まで連れていかれた
ニキ
りぃちょ
りぃちょ
ニキ
りぃちょ
ニキ
りぃちょ
りぃちょ
ニキ
りぃちょ
ニキ
ニキ
りぃちょ
ニキ
りぃちょ
りぃちょ
ニキ
りぃちょ
りぃちょ
りぃちょ
ニキ
りぃちょが頬を赤らめながら、なぜか落ち着かない様子なのが不思議だった
りぃちょ
りぃちょ
ニキ
ニキ
ニキ
実際にボビーに好意を寄せている俺としてはなんの疑問も浮かんではいなかった
りぃちょ
りぃちょ
ニキ
ニキ
ニキ
りぃちょ
りぃちょ
ニキ
りぃちょ
りぃちょ
ニキ
りぃちょ
りぃちょ
ニキ
ニキ
りぃちょ
りぃちょ
ニキ
ニキ
りぃちょ
りぃちょ
ニキ
ニキ
ニキ
りぃちょ
りぃちょ
ニキ
ニキ
りぃちょ
りぃちょ
りぃちょ
ニキ
ニキ
ニキ
りぃちょ
りぃちょ
りぃちょ
ニキ
りぃちょ
りぃちょ
ニキ
いつもの様にニキを捕まえに行って、教室に向かう途中、隣のクラスの白髪のギャル男にニキをかっさらわれてしまった
正直おもんないし、ニキに引っ付くなやとは思うが、それを言い出せずにいた
ふと、連れ去られた方を見ると廊下の端っこで何やら楽しげに話している
りぃちょと呼ばれたその男は、時折顔を赤らめながらモジモジと恥ずかしそうにしていた
ニキもそれを見て楽しそうに笑いながら話している
気になって聞き耳を立てていると
ニキ
りぃちょ
ニキ
りぃちょ
しろせんせー
しろせんせー
しろせんせー
しろせんせー
途切れ途切れに聞こえてくるのは、恋愛ごとの話のようで、好きだとか付き合いたいだとか……
全部が聞こえてる訳では無いので、正確な情報は得られていないが、胸の奥がキューっと痛むのを感じた
ホントについ最近気づいたことだが、どうやら俺はニキのことを好きになってしまっているらしかった
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
何かを言いたげなニキに、俺は背を向けた
今はどんな顔をして向き合えばいいのか分からない
こんなになるなら、好きにならなければ……一瞬過ったその言葉に、緩く頭を振る
しろせんせー
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキ
背中を向けたままの俺の肩に手を乗せ、優しく声をかけてくれるニキ
勘違いしてしまいそうになるから、やさしくしないで欲しい……
ニキ
少しサボりすぎたせいで、追加の課題を渡された俺は、居残りをして終わらせていた
ニキ
ニキ
正直、ちゃんと本気でやれば余裕だとは思う
だけど……
ニキ
ガラガラガラガラ
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキ
ニキ
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
夕日に照らされてオレンジ色になっているボビーはとても綺麗だった
ニキ
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
照れたように笑うボビーは可愛くて、抱きしめたいほど愛おしかった
しろせんせー
ニキ
この時の俺は、昼間に聞いたりぃちょの恋バナが頭をチラついて仕方なくて、おかしくなっていたんだと思う
ニキ
ニキ
しろせんせー
近くに寄ってきたボビーの腕を掴んで自分の方へ引き寄せた
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
思い切り抱きしめる俺に、ボビーはほとんど抵抗もなく俺に身を任せていた
ニキ
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
俺の腕の中でボビーの身体が強ばるのを感じた
ニキ
ニキ
しろせんせー
ニキ
ニキ
ニキ
ニキ
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
言葉に詰まって涙を流し出したボビーの涙を指で拭った
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
俺とボビーはしばらく顔を見合せて笑った
ニキ
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキ
しろせんせー
チュッ
ニキ
ニキ
しろせんせー
至近距離で見つめあって笑った俺たちは、どちらからとも無く唇を合わせた
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
ニキ
ニキ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
ニキ
ニキ
俺らは二人、手を繋いで教室を出た
夕日に照らされて地面に縫い付けられた影が、寄り添うように歩くのが嬉しかった
コメント
13件
きゅんです…🫰
うわぁぁ良すぎ!いつもコメントできなかったけど今言う!いつも神作品ありがとうございます!尊い小説のお陰でいろいろ勉強とか頑張れてます!!
莉衣那さんの作品大好きです、、! 今回も最高ですありがとうございます🥹