テラーノベル
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#5
電車を降りて
覚えてる限りの道を辿る。
最後に来たのは随分前だし
家の場所なんて覚えていないから
スマホのマップも役に立たない。
といっても
行く場所もする事も無いし
最悪、迷うことになっても
時間が潰せるならそれでいいか。
1人で納得し詰
見つからなかったらどうしようかな、
なんて一応の思考も巡らせてみる。
1時間程歩くと
見覚えのあるマンションが目に入る。
よく覚えてたな俺..
自分の記憶力に驚き詰
マンションに入り
ポストから苗字を探す。
赤
502号室ね..
確認する様に頭の中で呟き乍
エレベーターのボタンを押す。
待っている間に
スマホを確認すると
先程のメッセージには
未だ既読が付いていなかった。
家の前で待つのは御免だし
気付いてないだけであってくれ..
なんて無意味に祈り詰、
部屋に向かう。
暫く廊下を歩いて
部屋の前に着き
部屋番号と表札を確認する。
赤
不思議に緊張している俺は
分かりきってはいたけど
かなりのコミュ障だ。
緊張を解すように深呼吸をして
インターホンを押す。
赤
多少の可能性に賭けて
何度か押してみたけど
ドアの向こうは静かな儘。
赤
嫌な予感が当たった
自分の運の悪さに呆れ詰、
ドアに体を預けると
力が抜けて
其の儘座り込む。
それと同時に
肩に掛けた鞄が落ちたけど
そんなの今更どうでもいい。
一息吐いてから
ポケットからスマホを取り出して
メッセージの画面を開いておく。
何時も通りとはいえ朝も早かったし
沢山歩いたから疲れた。
少し休みたくて
目を瞑り
頭をドアに凭れる。
静かに目を閉じていると
蝉の声が余計に五月蝿い。
もう夏だから暑いし
..はやく、帰ってこないかな
近い内に短編も出します
コメント
4件
おぉぉぉ久しぶりだああああ!!!(歓喜) 私も投稿せねば…(*゚ロ゚) 次回も楽しみにしております👍🏻
今回も神作ありがとうございます! 短編楽しみにしてます!