TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
春の香り

春の香り

「春の香り」のメインビジュアル

1

春の香り

♥

37

2019年07月28日

シェアするシェアする
報告する

はじめに この物語は夢で見た物語に少し着色してできた物語です こんな物語が 本当にあったらごめんなさい もしかしたら一回見たことあるものを夢の中で見たのかもしれない でもなぜか この物語を誰かに伝えたくなりました 始まりはとある田舎町 海沿いに線路があり そこから見える景色はとても綺麗 朝には青く光る海面 夕暮れ時には赤く染まる 夜には漆黒 色々な表情を見せてくれる海 いつ見ても高揚感が溢れ出てくる そんな町で暮らす1人の男子高校生 部活をやるでもなく 何かに熱中するでもなく ただ友達と遊んで (友達といってもそんなに仲良くもないが) 「将来どうしようかなぁ」 そんな曖昧で漠然とした未来 のことをたま考えるくらいであとは特に何も考えることなく過ごした 顔は中の下 こんな性格だから 彼女もできるわけもなく かといって作るつもりもまるでない 無気力でやる気のない男の子だった ある日 いつものようにぼーっと電車に乗って通学していると 衝撃が走った 今まで感じたことのない 全身がざわざわして総毛立つ 気持ちが悪い 目に入ったのは美しい女の子だった いや、正確にはそこまで 美しくないのかもしれない 胸まであるロングの髪 清楚さやおとなしさを 感じられる顔立ち 身長は150後半? 細身で胸もそこまでなく目算Bといったところだろう キラキラ輝いて見える でもなぜだろう大人の女性のじっとりした美しさも少なからず感じることもできる ただ、俺はその当時 好き言う気持ちや恋を知らなかった だから 「この気持ちはなんなのだろう」 と考えて余計に気持ち悪くなる ふと俺は気がついた 「あの子は誰なんだ?」 いつもと同じ電車 いつもと同じ時間 しかもこんな片田舎の 見知らぬ顔があればそりゃ可愛くなくても流石に気づく 不思議にその子をじっとみていると 目が合った 流石に「やばっ」と思った俺は パッと目を伏せる そしてチラッと彼女の方を見てみる 彼女もまだ不思議そうな顔でこちらを見ていた 「あぁ、気持ち悪がられた」 落胆と後悔で 全身が沈みそうになると 彼女はニコッと笑いかけ 頭を下げた とても不思議だった 普通ジロジロみられれば少なからず 嫌悪や警戒の表情をするはずだ しかし彼女にそんな様子は微塵も感じられなかった そのままいつものように駅に降り いつものように学校に向かう いつものように席に着き いつものようにHRが始まる しかしそこには"いつものように" ではないものがあった "彼女" がいたのだ 自己紹介があり彼女の名前は "春香" "はるか" と言うらしい どうりで朝見たことない顔だと思ったわけだ と思っていると担任が 「転校生もきたし席替えするぞー」 と言った 俺の引いた席は窓側の一番後ろ "ラッキー寝放題じゃん" そんなこと思ったのもつかの間 隣は"彼女"だった 彼女は「あの...朝、電車にいましたよね?」 俺はジロジロ見ていた件について言われると思い 「う、うん」 と微妙な返信 すると彼女は意外なことに 「だよね!よかった!私転校してきて電車でここの制服着てる人いないしどうしようって思ってたの。そしたら君を見つけてすごく嬉しかった!よかったら朝一緒に登校しない?」 俺はあっけにとられた 「登下校くらいならいいよ」 と答えた それから一緒に電車に乗るようになり 俺の中の"いつもの"が"特別なもの"に変わっていった おれは春香に色々教えた この島の立ち食いの名店 裏山の落ち着く場所 砂浜から見える綺麗な夕日etc. どんなことにも驚き楽しむ春香の顔を見て俺はとても嬉しくなった 季節は巡り いつのまにか一年が経ち三年生の春 彼女とも仲良くなり、それに伴って一緒につるむ奴にも変化が起こり最近は "夏伊斗" "かいと" "秋人" "あきひと" この2人とつるむことが多くなった しかし春香は依然として俺以外の人とはそんなに仲良くしていないようで、最近ようやくかいととあきひととは話すようになっていった。 一年も経ち彼女との特別な日々も だんだんと "いつもの" に変わりつつあった時 帰り道彼女の瞳に涙が浮かんでいた じっと見つめていると 目が合った 春香はパッと目をそらした 「どうしたの?大丈夫?」 俺が聞くと 「ハハッ...あの時とは逆だね今度は私が目をそらしちゃった」 目をそらしたことは気づかれていたらしい 「実は私転校するんだ、私のうち転勤族でいつもこうなの。いくら仲良くなれてもすぐにお別れ。」 「どこに転校なの?連絡ならケータイでできるし高校卒業したら働くつもりだから会いに行けるよ。」 「すごく遠いところ。だから絶対に連絡取れないし会いに来れない」 「そんなのわからないだろ!」 「ううん、わかるのもうどうしても会えないの」 「なんでなんだよ!こんなのひどいじゃないか!俺は...俺は...」 「私のことが好きだったんでしょ、わかってたよそんなの」 「え...なんでそれを...」 「そりゃ気づくよ。でもね、正直気持ち悪かった何事においてもやる気ないしあの時ジロジロ見られた時から吐きそうなくらい気持ち悪かった。隣の席だから仲良くしとかないとって思ったから仲良くしてただけ。どこでもついてきてくれるしたまに奢ってくれるしただ都合良かっただけなんだよね」 プシュー 「〇〇駅〜〇〇駅〜」 「じゃ、ついたから降りるね!」 ここはいつもの駅の1つ前だ 嘘だ 絶対嘘だ なぜなら春香の目には 今にもあふれ出さんとしている涙が あったからだ でも、春香の手を引いて止めることはできなかった 彼女は転校しまた いつもの日常が訪れる しかしその日常はすでに いつもの ではなくなっていた なぜなら春香がいないからだ 数ヶ月経ったある日 夏伊斗から連絡があった 「なぁ、こないだ転校した春香って子いたよな?」 「それがどうしたの?」 「その子なんだけどさ昨日見たんだよね」 「仮にそうだとしても昨日たまたまいただけだろ?」 「いや、それがそうでもないらしくてさ昨日ちゃんと顔確認しただけで実際は一週間くらい前からちょこちょこ見てたんだよね」 「でも似てるだけってこともあるし」 「そんなに気になるなら見に来れば?時間遅いけど確認した方が早いでしょ?」 たしかにそうだ 俺は早速準備をして確認しに行くことにした 親には友達の家に泊まると伝えて なぜなら夏伊斗が見たのは深夜の2時だからだ ついでに秋人にも連絡をし、3人で行くことにした 「ほら、あそこのビルだ」 夏伊斗はボロボロの汚いビルを指差した 「え?あそこ?」 そこはヤバい奴が出入りしてそうな まさしく って感じのビルだった 時間が経ち 眠くなりかけた時 ビルに入っていこうとする姿が見えた よく見ると真っ赤なドレスを着た妖艶な女性だった 周りには長袖を着たガタイのいい男達 首元から彫り物が覗き出ている 夏伊斗が言う 「あの子だ」 「えっ?」 「よく見てみろって」 化粧をしていてよくわからなかったが たしかによく見ると 顔立ち 身長 たしかに似ている 秋人が 「でもなんで転校したのにこんなところにいるの?」 夏伊斗が 「そんなの知らねーよ。でも、本当に春香ちゃんだろ?」 俺はいまだに信じられない 春香はどちらかというと清楚系 今目の前に写っているのは まるで売春婦や風俗嬢 しかし 「う、うん」 と認めるしかなかった すると バチンッ! 「テメェ!ふざけんじゃねぇぞ!」 春香らしき女が周りの男から殴られている 春香じゃなくても 流石にほっておけない 相手はまさしくな人たち 足はガタガタ汗はダラダラ 「おい!やめろよ!」 「あ?なんだテメェ」 「そんなことしたらかわいそうだろ」 「んなことテメェに関係あるかよ!いいか?こいつはうちの商品だ。商品をどうしようが店員である俺たちの勝手なわけよ。わかったらとっととどっかいけ!ぶっ殺すぞ!」 男達は女の腕を引っ張り連れて行く 彼女の顔を見た 「春香!」 俺はとっさに叫んでいた 遠くからではわかりにくかったが たしかに春香だった 「ウルセェ!!」 ボゴッ 男の1人に殴られた意識が遠のく中 うっすら見えた 春香の口が動いていた 「き・ち・ゃ・だ・め」 そのまま意識を失った 気づくと 夏伊斗の家だった 夏伊斗が言う 「大丈夫か?急に飛び出して殴られて気絶しちゃうんだもん運ぶの大変だったんだぞ」 「ごめん、ありがとう」 「いいけど春香ちゃんだったろ?」 「あぁ...助けなきゃ」 「助けるってどうやってだよ、だいたい助けてって言われたわけでもないし昨日殺されかけたんだぞ?」 「それでも助けなきゃ、だってあの時春香泣いてたんだ」 「まぁ、いいけどどうするんだよ」 「中に入って連れ出す」 「そんな簡単に言うけどどうするんだよ俺たちみたいに部活やって鍛えてるわけでもないのに見つかったら終わりだぞ?」 そうだ夏伊斗は剣道 秋人は柔道 をやっている それに比べて俺はなにもやっていない そんな俺に勝機はあるわけない 「あぁ、でも、行くしかないんだ」 「なんでそんなに春香ちゃんに固執するんだよ」 「春香は...俺に特別なことを教えてくれたどれだけ日常に特別なものが溢れてるのかを...彼女は俺にとって特別なんだ...」 「...仕方ない、俺たちも協力してやる!」 「え、俺たちもって俺も入ってる?」 「当たり前だろ秋人!お前もだ!」 「えーー」 「いいのかよ、危険なんだぞ?もしかしたら殺されるかも...」 「当たり前だろお前がこんなに必死なんだ友達として協力しないわけにはいかない。な?秋人!」 「まぁ、乗りかかった舟だ最後までついて行ってやる」 「ありがとうみんな」 どうやら調べたところあのビルには地下があって春香はいつも地下に向かっていたらしい 夏伊斗は木刀 秋人は素手 俺はナイフ で昨日のように春香が入って行ったのを見届けると後をついていき地下にたどり着いた なんというか湿っぽくて 冷たくて人間がいた様子がない気持ち悪い場所だった 肉の腐った匂いや鉄の匂いとにかく嫌な匂いをまとめたような匂いだった 電気はほとんど付いておらず田舎の山道の街頭のように心もとない電気がついたり消えたりしている 目が慣れてきてよくよく周りを見てみると 血の跡が無数にあった なんとも嫌な気持ちになったが後には引けずゆっくり進んでいくと 女性の叫び声とうめき声が混ざった声が聞こえてきた 部屋の扉を1つ見つけそこから聞こえていることに気がついた 耳を近づけ様子を伺うと その声の正体は春香だった バレないように少し扉を開けのぞいてみると その空間が春香の心を冒し 春香の尊厳を男が侵し 汚い男どもが春香を犯す そんな光景があった わけもわからず俺は飛び込み男どもをナイフで刺した 刺して、刺して、刺して、刺して、刺して、刺して、刺して、刺して、さして、さして、サシテ、サシテ、サシテ 夏伊斗と秋人も参戦し あたり一面は真っ赤に 俺も返り血で 春香は俺に怯えていた だが、それと同時に別の何かにも怯えていた 「くる...あいつが...くる...」 なにに怯えているのかわからなかったがとりあえず連れて帰ろうと 彼女の手を引いていこうとすると 「だめ!!!!!」 「俺たちは春香を助けにきたんだ!またあの日々に帰ろう!今なら他に人もいないはずだ!」 「帰れない...こんなことしてるの見られて...わたし...わたし...」 「そんなことは気にしない!話なら後でいくらでも聞く!だから、だから、お願いだから一緒に来てくれ。春香がいないと...俺、ダメなんだ」 「それでもダメなの...あいつがくる」 「あいつって誰だよ」 「ここのボス。ここがこんなことになってたら絶対に許さない」 「ならそいつを殺してやる」 「だめ!絶対に勝てない!」 「そんなのわからないだろ!」 「わかるんだなぁ、それが」 聞いたことない声 焦って後ろを振り向く 夏伊斗と秋人がいない かわりに1人の男が 身長は180あるだろうか スーツ姿でスーツの上からでもわかる 鍛え上げられた肉体 紳士的で落ち着いていながら 内に秘めた邪悪なものが見え隠れする そして何より目が赤く光り輝いていた 直感的に悟った "こいつがここのボスだ" すかさずナイフを奴の心臓めがけて刺した はずだった ナイフの刃は刺さっておらずかわりに金属がぶつかったようなキーンという音が部屋の中に悲しく響き渡るだけだった 奴は笑っていた 「フフフ、フハハハハハ!俺はなぁ!進化した人間なんだよぉ〜!なに言っっってるかわからねぇよなぁ?俺もわからねぇけどなぁ!どうやらそこにいる女とヤッた奴は何百分の一の割合でこうなるらしいすっげぇぇきぶんがいイぜぇエエぇェェ!!!!!」 「夏伊斗と秋人をどこにやった!」 「ア?あーアいツらねそことソコ」 奴が指差した方の壁を見ると血だまりとあいつらが着ていた洋服が壁にこびりついていた 「ゔぉうぇぇぇえ」 たまらず嘔吐した 「キタねぇな、おい。あれ、オレがやったんだすごいだろ!まぁ、お前もすぐにああなるんだけどな」 鈍い衝撃が走る 昨日の夜男に殴られた数倍は痛い 「ハッ!普通にやったってつまらねぇ嬲り殺してやるそこの女連れて逃げろよ」 春香の手を取り逃げ出した しかし出口は見つからない この場所は無限に広がっているように感じられるほど広い 来た道ももうどこかわからない 春香に話を聞くことにした 「春香、なんなんだあれ」 「わからない、でも、昔からそうだった」 「昔から?」 「うん、うちの家系の女はみんなこうらしい。人と愛し合うと力を与える。ご先祖様はこの力で歴史の偉人たちに力を与えてその人たちの名を残したらしい。例えば平将門が首だけで体を探し回った話あれはわたしの先祖が関わってるの」 「そうなんだ...君もまえから...」 聞こうと思ったけどやめた 会った時の大人の女性のじっとりとした美しさはだからかと一人納得した 俺は「出口までの道わかる?」 と聞いてみたが 「わかるけどそれだけでは出れないあいつが鍵を持ってるの...」 「じゃああいつを倒さなきゃな」 「ねぇ、聞いてもいい?」 「なに?」 「なんで助けに来たの?お別れあんなひどいこと言ったのに」 「あんなの嘘だってわかるさ、それにキミを好きだからさそれだけだよ」 奴の足音が近づいてくる だんだんと近づいてくる ガターン! バン! 「どこダァー、隠れても無駄だぞー、ドーセでれないんだからなぁ!」 部屋の中に隠れて やり過ごすことにした ガチャ バターン! ガチャ バターン! 近づいてくる 一室ずつ ゆっくりと でも確実に ついに隠れてる部屋のドアが ガチャ バターン どうやらやり過ごしたようだ 足音がしなくなったことを確認しゆっくりと扉を開く 「みツけた」 壁に叩きつけられて身体中が痛い 内臓が割れてそうだ 骨も折れたな そう思いながら奴を見る 奴はもう人間の形はしていなかった 背中からは触手が何本も生え 口は耳まで裂け 目も増え数えられない 肘やかかとや肩など出っ張ったところは鋭く変形している もう無理だ そう思った でも、1つ妙なことに気がついた 奴はたしかに思い切り 殴っていたはずだ でも俺は壁に叩きつけられるだけ よく確認してみると どうやら骨も折れていないようだ ふと春香の話を思い出した 「人と愛し合うと力を与える」 確信した 奴を殴ってみる ナイフも効かなかったのに 殴られたあいつは吹っ飛ばされた 「な、なんなんだそれ。その女とヤッだってことか」 「お前と一緒にするな。俺は春香を愛しているそれだけだ」 すかさず畳み掛ける 殴って蹴って潰して噛み付いて 奴の存在を消し去ろうとした 「や、やめろ!やめてくれ!頼む!なんでもするから!助けてくれ!」 「じゃあ死ね」 「クソガァぁぁ!!!!!絶対許さない!ぜったいゼッタイ許さない!必ずぶち殺してヤルゥゥエ!!!!!」 ふっと奴の赤い目の光が消えた ぐちゃぐちゃになった奴の体から鍵を取り外に出た もう、普通の生活はできない でも、春香を守るために そのために生きよう そう決めた 数年後 俺たちは住んでいた町を出て別の町の山奥に小屋を建ててそこに暮らしている不便ではあるがそれなりに動物もいるしそれらを狩って食糧にしている こんな体にはなってしまったが春香と一緒ならば問題はない たまに人里に降りて働きに出ている 夏伊斗と秋人の墓も作った 俺の勝手で連れてきたのに 本当にすまないと思っている 働いて手に入れたお金のほとんどは 夏伊斗と秋人と俺の両親に送っている 「ねぇ!冬彦!お腹こんなに大きくなったよ!」 おっと、遅れてすまない俺の名前は "冬彦" "ふゆひこ" って言うんだ この子が生まれるのももうすぐだろう この二人は絶対に守る そう誓う 子どもが生まれた 名前はまだ決まらないが そのうちつけるつもりだ だが一つだけ気になることがある この子 目が赤く光っているんだ このアプリの使い方わからなかったからこうなっちゃったけど取りあえず思いっきり上にスクロールして最初から読んでね もしよかったコメントも残してくれると嬉しいです

この作品はいかがでしたか?

37

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚