‪‪バレンタインの魔法

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バレンタインの魔法

そう言って、適当に微笑んでおく

それだけで照れていくもんだから、

廊下を歩けば、 たくさんの女子からのお菓子

それを横目に、 不機嫌そうに顔をしかめる青

ここは大人な桃様の出番

先程の女子から貰った チョコを青に渡す

驚いた表情をしているが 内心喜んでるんだろうな、コイツ

正直こんなに食べたら太るだろう

そう、俺は俗に言うモテ男っつーやつ

だから、チョコを貰えるかの 心配なんていらない

毎年溢れるほどのお菓子を貰える

後ろから可愛らしい声が聞こえ、 振り返ると

小柄な男の子がこちらに走ってくる

｢赤｣

男のクセしてチビだし可愛い

赤は申し訳なさそうに 青から目をそらす

赤は女子からも男子からも人気だもんな

そう言って赤が青に渡したのは、 可愛らしいトッピングがしてある チョコだった

貰ったのは青と同じチョコレート

ただの友チョコということが ちょっと残念だったり。

こんなことになるなら 用意しておけばよかった...

そんなことを考えていると後ろから 青の名前を呼ぶ声が聞こえる

先輩と青を見送る

赤と2人きりになれたのは嬉しいけど生憎 俺も部活がある

少し残念そうに返事をする君の 耳としっぽは垂れ下がっている

グラウンドに出ると先輩が ボールを持って待っていた

無意識だったが、 確かにいつもより気合いは入れてる

そりゃあ誰でも気合い入んだろ、

好きな人からチョコを貰えるなんて

あれから2時間以上練習していた

さすがに赤も帰っているだろう

赤のことだからまだ待ってたり...

校庭から教室へと向かう

｢1-B｣そう書かれた教室の 電気だけがついている

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ...

ドアを開けると

渡したい物.....？

恥ずかしそうに赤が渡してきたのは

あぁ...どっかで聞いた事が ある気がする

マシュマロはNGなんだっけか...

キャンディは.....

｢あなたのことが好き｣

放課後の教室、

2人の影が重なる

教室に鳴り響くリップ音

君は 精一杯背伸びをして

俺の唇に柔らかいものが触れる

15年目のバレンタイン

俺の恋は実りました

これはきっと

君がくれたバレンタインの魔法＿＿。

❦ℯꫛᎴ❧