その日の夜 2人はまた海に来ていた。
グルッペンが夜の海を見たいと言ったからだ。
トントン
トントンは悶々としながらグルッペンについて行った。
グルッペン
グルッペン
トントン
辺りには誰もいない。 ほかの生き物も息を潜めている。 この浜辺で動いているのは2人だけだった。
グルッペン
トントン
トントンはポケットに入れているナイフをぎゅっと握りしめた。
空を見上げているグルッペンのところまで歩いていき、首根っこを掴んで倒した。
その上に乗り、首元にナイフを振り下ろそうとした。
トントン
その時トントンの目はグルッペンの目をとらえた。
恐怖も憎悪も驚愕もない。 ただ信頼の色がその目に浮かんでいた。
それを理解した途端、トントンの手は止まった。 振りかざしたまま下ろさない手に持ったナイフが月に反射している。
グルッペン
トントン
ついにナイフを砂の上に落とし、脱力した。
グルッペン
トントン
トントン
トントンは泣きわめいた。 今までの全てが悲しくなって、吐き出さずにはいられなかった。
トントン
トントン
トントン
トントン
そこまで一息で言うと、トントンは黙り込んでじっとした。
グルッペン
グルッペン
グルッペン
トントン
グルッペン
グルッペン
グルッペン
グルッペン
トントン
グルッペンはポケットからその紙を出した。 中身を広げる。
グルッペン
トントン
グルッペン
グルッペン
グルッペン
トントン
グルッペン
グルッペン
トントン
グルッペン
トントン
グルッペン
トントン
グルッペン
トントン
グルッペン
トントン
グルッペン
自信満々にそう言ってドヤ顔をしてくるグルッペンを見ると、何故か心が落ち着いてきた。
トントン
全てどうでも良くなって、トントンも地面にころがった。
トントン
トントン
グルッペン
帰りに新幹線にて
トントンは今までが嘘のようにぐっすり眠っており、起きる気配がない。
持ってきていた武器は全て捨て、身軽になったトントンの顔は憑き物が取れたように晴れやかだった。
グルッペン
グルッペン
あの夜、宿に帰ったあとにグルッペンの父親に全てを話して対処してもらっていたのである。
グルッペン
グル父
グルッペン
グル父
グル父
グルッペン
グル父
グルッペン
グル父
グルッペン
グル父
グルッペン
電話を切ったあともトントンは寝息を立てている。 グルッペンは暗くなった窓の外を眺めて、今後のプランを練り直した。
作者
作者
作者
作者
作者
作者
コメント
5件
毎回毎回すてきなお話ありがとうございます!!!!!