虎の子2

和樹side 姉ちゃんの勤務してる学校 （卒業した高校）が 甲子園にでるから 入場券をもらった組で アルプス席に座っている

通路で ウロウロしてた先輩ふたりを見つけ 手を振ったらニコニコして気づいた2人。

先輩2人が椅子に座り カレーに手を伸ばし 口にほおばっていく。

兄貴がグランドに 指さすところを見ると ベンチ前に円陣を組む 生徒の輪の中に姉ちゃんが 激励をしている様子。 ちらほら笑ってる部員がいたが 緊張をほぐそうとしているのだろう。

美花side 試合後の学校。 無事に初戦突破し 2回戦に向け調整に入った部員たち。 そんな様を廊下で見ていたら 野球部の生徒に声をかけられた。

昼間に授業受けて 部活途中で疲労溜まってるはずだが 駆け回る生徒の背中を見て よく体力残ってるなと 尊敬の眼差しで 後ろ姿を眺めていた。

うちの部活の子によく聞けば ベースの弦が切れちゃって メンテナンス出して欲しいとの事。

足早に部室に向かった生徒。 正面玄関を横切ると 聞きなれた声が聞こえてきた。

弟を連れて グランドに向かった御二方。 多分先生の部活のとこの 助っ人で連れて行かされただろう 弟の背中を哀れみながら 主任の元へ向かった。

数ヶ月後 1年生のクラスの担任になり １学期を乗り越え もう少しで夏休みになる。 期末テストの丸つけを済ませ グランドに向かうと 夏らしい太陽が照りつけていた。 夏の甲子園をかけた 地方大会の開会式の前日。 女子サッカー部の方を見てたら 野球部の子に引きづられるように 普段野球部が使うスペースに 連れてこられた。

ざっと数えると 練習しすぎて服が気崩れている ２,3年生に 真新しい練習着を来ている 見慣れた1年生が綺麗に並んでいた。

つい先日 ホームゲームで 兄貴と弟が揃って ヒーローになった試合に 現地で両親と旦那さんと一緒に 観戦していた。 その日弟がプロ初ホームランをうち 家族全員に向かって 『姉ちゃんやったよー』とか 話してた覚えがある。

3年生と話しているあいだ いつの間にか水分補給をしてくれていた 1,2年生のあとを続くように 3年生も水分を取り 行進の練習に取り掛かった。