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――翌日。
陽紅ノ太刀
ぐっすり寝ていた刀は、
昨日と同じ路地裏で 目を覚ました。
陽紅ノ太刀
大きなあくびを したところで、
太陽がすっかり高く 昇り切っていること に気づく。
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
疲れが溜まりに 溜まっていた昨夜、
刀は、すぐに 横にはなったものの、
昨夜、別れ際の鎖鎌に 言われた「ヒント」――
パープル/鎖鎌
――が頭にこびりつき、 なかなか離れてくれず。
結果、日付が変わってからも 刀は熟考し続けていた。
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
刀は大きく伸びをしてから、
喧騒に誘われるまま フラリフラリと歩き出した。
――街の大通り。
昼の街は、大勢の人で 混み合っていた。
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
刀は、軽く周囲を 見回してみるが、
勇者らしき姿は どこにも見当たらない。
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
街の男
陽紅ノ太刀
すれ違いざまに声をかけられ、 軽く眉をひそめる男。
街の男
街の男
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
街の男
街の男
男はスタスタ 歩き去ってしまう。
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
刀は即座に、
次の通行人へ狙いを 定めたのだった。
――2時間後。
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
疲れ切った刀が 壁にもたれかかる。
手あたり次第、 99人もの老若男女に 聞いて回ったが、
勇者の手掛かりは 何も得られず仕舞い。
陽紅ノ太刀
刀は、今にも 折れそうだった――
女
女
陽紅ノ太刀
話しかけてきた女が1人。
雑多な街に似合わぬ穏やかな物腰。 派手さこそないが上質な服。
先の99人と “何か” 違う――
――刀は、そう “直感” した。
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
女
マドモアゼル
陽紅ノ太刀
マドモアゼル
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
マドモアゼル
マドモアゼル
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
刀は納得した。
99人もの大人数に たずねている以上、
その誰かから伝わっていても 不思議じゃないだろう。
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
マドモアゼル
陽紅ノ太刀
一瞬、期待した刀だが、
ガックリ肩を 落としてしまう。
マドモアゼル
陽紅ノ太刀
マドモアゼル
マドモアゼル
陽紅ノ太刀
無邪気に喜ぶ刀。
女はニコリと微笑み、 言葉を続ける。
マドモアゼル
マドモアゼル
陽紅ノ太刀
マドモアゼル
マドモアゼル
陽紅ノ太刀
うなずいた刀は、 「勇者の特徴」を 説明することにした。
――銀がかった灰色の髪。
――燃え盛るほど赤い瞳。
――熱き心で爆炎道を 究めんとする少女。
――その名前は、 アッシェ・フリーエン。
マドモアゼル
マドモアゼル
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
マドモアゼル
女は笑顔で 去っていった。
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
再び歩き出した刀は 満足げだ。
陽紅ノ太刀
アーティフレイム ショップ
目に入ったのは、 “ある店” の看板。
陽紅ノ太刀
刀は不思議と “強い確信” を 抱いた。
陽紅ノ太刀
だからこそ迷った。
本当に自分が、 この店に入っても よいのだろうか、と。
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
自分を叩いて 気合い注入、
勢いよく扉を開ける!
――バンッ!
陽紅ノ太刀
店へと入った刀は 慌てて 室内を見渡す。
陽紅ノ太刀
アッシェ
「刀」と 「少女」の 目が合った。
アッシェ
アッシェ
陽紅ノ太刀
少女が面食らった瞬間、
ゲリラ豪雨みたいに 男泣きする刀。
店員
客1
客2
少女たちに 突き刺さる 店員&客の視線。
アッシェ
とっさに 刀を掴んだ少女は、
一目散に店から 逃げ出した。
――街の外れ。
階段の端に座る2人。
陽紅ノ太刀
アッシェ
頃合いを見て、 少女が声をかけた。
陽紅ノ太刀
刀はしゅんと うなだれる。
アッシェ
溜息をつきつつも、 少女は言葉を選んでいく。
アッシェ
陽紅ノ太刀
アッシェ
陽紅ノ太刀
陽紅ノ太刀
アッシェ
それきりプツンと 途切れる会話。
重苦しい沈黙が あたりを包んだ。