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ホントの別れ。

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ホントの別れ。

1 - ホントの別れ。

♥

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2018年08月17日

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翔と葵のライン

水谷 葵

あのさ、いま時間ある?

田中 翔

あるよ?

水谷 葵

私たち、付き合って何年だっけ?

田中 翔

1年くらい?

水谷 葵

そっか。

水谷 葵

あのさ、私提案があるんだけど。

田中 翔

何?

水谷 葵

別れない?

田中 翔

なんで?

水谷 葵

私、あんたのこと嫌いになった。

田中 翔

え?

水谷 葵

なんか疲れたっていうか、好きな人が出来た。

田中 翔

え?

水谷 葵

もうあんたなんてどうでも良くなった

田中 翔

なんでだよ!

田中 翔

俺は、お前のこと好きなのに!

水谷 葵

私はもう、好きじゃないの!

水谷 葵

言い争いはしたくないから、

田中 翔

そんなん俺もだよ!

水谷 葵

なら黙って言うこと聞いて?

水谷 葵

これ以上私を傷つけないで

田中 翔

わかったよ...

水谷 葵

ブロックするね。

田中 翔

それはやめてくれ!

水谷葵さんが、田中翔さんをブロックしました。

翌日

学校

田中 翔

ん?あいつ来てない。

先生

席につけー。

先生

今日は、水谷は休みだ。

先生

明日の教科連絡を誰か届けてくれ。

田中 翔

僕行きます!

先生

頼んだぞ。田中ー。

放課後

葵の家の前

田中 翔

ピンポーン

はい。泣

田中 翔

田中と言います。
明日の教科連絡を教えに来ました。

あの子は、亡くなりました。

病気で。

田中 翔

え...

今朝、先生が病室入って、モニターを確認したら、ピーッて。泣

静かに...息を...引き取ったと思いま...す。泣

田中 翔

嘘だ...そんなはず...

それでね...この手紙...きっと...あなたあてに書いてあるの。

だって...田中翔さんへって...泣

今日は帰ってくれない?

田中 翔

はいすみません。

翔の家

自室

田中 翔

手紙...読んでみるか...

翔へ 病気のこと隠しててごめんね。 別れよって言ったのは、このことでした。 これ以上、翔を悲しませないためにも、別れようと思いました。 あのLINEの後、強く言いすぎて、後悔してます。 ごめんなさい。 翔とは、たくさんの思い出がありすぎてどこから話そうかなと迷ってたけど1番は、

あの、かき氷事件です。笑 覚えてる?お祭りの手伝いをした時に、小さい子が虹色にシロップしてくださいって言われて、 やろうとしたら、青のシロップの蓋が軽く空いてて かっこつけて取ろうとしたら全部出ちゃったことです。 白のTシャツだったから、真っ青になってたね。笑 あの時は、ほんとに面白かった。 もうこの頃から、実は、余命宣告されてました。 沢山ありすぎて、手紙だけでは、上手くまとまりません。 なので

あとは、お互いの胸に秘めておくことにしてね。 最後に私が使えたいことはただ2つ。 1つ目は、 もう、私のことは、忘れてください。 翔には、もっと、私よりいい女の人がいると思うからです。 次の恋に進んでください。 2つ目は 私は、ずっと翔のことが好きでした。 好きだから、病気のことが言えませんでした。 何故か、一緒にいると、そのことを言い忘れちゃうって言うか、 病気のことを忘れてしまいます。 それくらい、翔に夢中になってました。 気がつくといつも、あなたがとなりにいました。 だから、

本当は静かにあの世に行って、 私のことを忘れさせてあげようと思ってしまう自分がいました。 その自分の方が他良くなってしまったのか、今きっと翔はこの手紙を読んでるんだね。 気がつけばこんなに沢山の枚数の手紙を書いてました。 ごめんね。 もう終わりにします。 ほんとに忘れて。 さよなら。 水谷葵

田中 翔

ん?もう1枚?

ごめんなさい! 本当は忘れないで欲しかった! ただ自分を正当化してた。 でも、これで、翔が次の恋に住めなくなるのなら、ほんとに忘れてください。 ほんとに今でも 好きで好きでたまらないです。 好きだから、嘘ついてた。 ほんとにごめんなさい。 愛してます。 水谷葵

田中 翔

忘れられるわけないだろ...泣

田中 翔

葵!...葵!

田中 翔

こんないき方ないだろ!

田中 翔

戻ってこいよ!

田中 翔

こんな別れはほんとに嫌だ!

田中 翔

あおい!

泣き崩れ、もう何もかも失ってしまったような、毎日が億劫だった。

信じられない自分がいて、その自分になればラインをおくってしまっていた。

ん?ブロック解除されてる。

葵と、翔のライン

田中 翔

葵、今日、大会でヒット打ったぞ。

田中 翔

しかも、サヨナラホームランまで打ったんだ。

田中 翔

すごいだろ!

田中 翔

夏休み、どっか行きたいとこある?

こんな自分、本当は自分でも呆れている。

既読になるはずないし、

何も返信される訳でもない。

だから、日記替わりみたいに利用してしまっていた。

田中 翔

夏休み、あと3週間、宿題もまだ終わってねぇ笑

田中 翔

助けて?このP12の問三教えてよ。

田中 翔

なぁ。

既読になった!?

田中 翔

え?...

水谷 葵

問3は、5x=7。

水谷 葵

だよ!

田中 翔

葵...?

水谷 葵

うん!

水谷 葵

1時間だけ、この世にいるよ!

水谷 葵

夏休み、どっか行きたいとこある?

水谷 葵

って質問、私ね、海に行きたい!

田中 翔

なら今から行こ!

水谷 葵

うん!家の前にいるよ!窓から見て!手を振るからさ!

田中 翔

うん。

田中 翔

👋( ‘ω‘ 👋)

水谷 葵

👋( ‘ω‘ 👋)

田中 翔

ほんとに!葵なの!

水谷 葵

うん。そうだよ!夜遅くにごめん!

田中 翔

行こ!

水谷 葵

うん。

海に到着。

水谷 葵

あの30分。

田中 翔

気にすんな。

田中 翔

時間なんて忘れようぜ。

水谷 葵

うん。ありがと!

田中 翔

なんかたった1日しか会ってないのに、一年くらいたった気分だった

水谷 葵

私はね、

水谷 葵

自分の抜け殻を見た時、

水谷 葵

ほんとに死んだんだって。

水谷 葵

悲しくなってきたの。

水谷 葵

手紙は書いたし思い残すことはもうないっておもってたけど、

水谷 葵

きずいたら、翔の家の前にいた。

田中 翔

葵...

田中 翔

これからも、ずっと好き。

田中 翔

忘れないよ?

水谷 葵

でも、

田中 翔

分かってる。次の恋に進めるように努力するから

水谷 葵

その言葉を私は聞きたかった。

田中 翔

ねぇこっち向いて

水谷 葵

ん?

ちゅ

水谷 葵

嬉しいよ。泣

水谷 葵

ほん...と...に。

水谷 葵

私は...幸せ...もの...だね。

田中 翔

俺は、すごく幸せものだ!

水谷 葵

優しいイケメン彼氏と

田中 翔

こんなに優しい彼女と

水谷 葵

死んでからもいれて、

田中 翔

これからも、ずっと心の中にいてくれて、

水谷 葵

もうこの世に思い残すことはなくなったね。

田中 翔

え?...これからもいろよ!

水谷 葵

だってあと5分。

水谷 葵

だけだよ?

水谷 葵

これ、私の形見だよ。

田中 翔

え?緑の勾玉?

水谷 葵

うん。

水谷 葵

翔、その穴を覗くとあの世が見えるって、だから、辛い時や、悲しい時、自分で抱え込まないでそれ覗いて?

水谷 葵

きっと私がその覗いた先にいるから。

田中 翔

そん...な。

田中 翔

そう...だな。

水谷 葵

泣かないで!翔。

水谷 葵

ほら、どんどん透けてきたでしょ?

水谷 葵

ほんとにさいごだよ。

水谷 葵

最後くらい笑顔で!

水谷 葵

ほんとに今までありがとう。

水谷 葵

大好き、

水谷 葵

好き。

水谷 葵

...き。

水谷 葵

...。

田中 翔

おい!葵!

水谷 葵

水谷 葵

水谷 葵

水谷 葵

田中 翔

消えた...?

田中 翔

ありがとう、ほんとに

田中 翔

このことは一生忘れないよ。

その時、流れ星が1つ、流れた。

きっと、返事をしてくれたんだ。

葵は。

その後俺は、

何かある度にその勾玉の穴を覗いて、

葵と、あっていた。

今は、億劫とか、生きるのが辛いとかは一切なく、

毎日が楽しい。

新しい彼女ともうまくやっている。

ほんとに今でも好き。

でも、少しずつ今でも前に進んでいる、

水谷 葵

よかった...翔。

水谷 葵

幸せそうで。

水谷 葵

また、覗いてね。

水谷 葵

ってか毎日覗いてるよね。

水谷 葵

嬉しい。

水谷 葵

また、夜、また覗くんでしょ?

水谷 葵

楽しみに待ってる。

除きながら、

田中 翔

こんなことがあってさー!

水谷 葵

そっか。

水谷 葵

それは酷いね。

水谷 葵

って言うーか、宿題は?

田中 翔

明日だった!

田中 翔

じゃあな!葵!

水谷 葵

またね。

END

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