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罪とシンデレラ

第20話 - 第20話

207

2024年07月23日

#文スト

#中島敦(文豪ストレイドッグス)

#ドス敦

#中原中也(文豪ストレイドッグス)

#太宰治(文豪ストレイドッグス)

緑川羊右

谷崎ナオミ

こ、ここは……？

江戸川乱歩

ポオくんの小説の中……

江戸川乱歩

いや、ポオくんが書いた敦くんの中だよ

谷崎ナオミ

……え？　ど、どういうことですの？

谷崎潤一郎

敦くんの中って……意識の中とかですか？

江戸川乱歩

半分、正解。

谷崎潤一郎

半分……？

谷崎はあたりをキョロキョロと見渡す。

見渡す限りは永遠に続く色鮮やかな大地のみ。

これが、敦の意識の中なのか。

国木田独歩

それより、なぜ、太宰が死ななくてはならなかったのだ？

国木田独歩

そもそも、魔人を殺さなくてはならないのに、なぜ太宰を……

江戸川乱歩

それは、全部敦が関連してくるよ。

国木田独歩

……敦が？

江戸川はその大地の上にちょこんとあぐらをかいて座り、

どこから話すべきかなと迷った後、大きく息を吸って国木田に聞いた。

江戸川乱歩

太宰の過去についてはちゃんと聞いていたよね？

国木田独歩

ああ、ちゃんと聞いていたぞ。

江戸川乱歩

そこで敦が奇跡の子だというのは覚えてる？

泉鏡花

覚えてる

江戸川乱歩

じゃあ、なぜあの悪魔が敦を狙ったのかは、わかる？

谷崎ナオミ

奇跡の子、だからでしょうか？

江戸川乱歩

そう。正解。

谷崎潤一郎

でも、敦くんは魔人の友人として現れるはずでしょう？

谷崎潤一郎

それなのに、どうしてわざわざあんな真似を……？

江戸川乱歩

悪魔がね、それを変えたんだ。

江戸川乱歩

敦は、実はシグマより純潔だから、取り込むにはもってこいだ。

江戸川乱歩

それに、敦は月下獣という異能力をもってるでしょ？

江戸川乱歩

あれ、太宰と同じように異能じゃないんだ

芥川龍之介

……異能でないと……？

江戸川乱歩

ああ、あれは天性の力。

江戸川乱歩

あえてわかりやすく言うのであれば、神聖力だ。

芥川龍之介

待て。なら、人虎が神聖力なら、太宰さんは……？

江戸川乱歩

……あれは、呪いだよ。

江戸川乱歩

太宰が太宰自身にかけた、呪いだよ。

苦しい、苦しい、苦しい、苦しい！

なぜ、なぜ、なぜ！

なぜ私があのクソどもに殺されなくてはならないのだ！

くそ、あのやろう。とっくの昔に死んだと思っていたのに……！

まだ生きていやがったのか！

もう少しで、もう少しで私はあのお方に認められるところだったのに……！

邪魔された、邪魔された、邪魔された！

フョードル・ドストエフスキー

邪魔なんかしていないよ

アバドン

……は？

フョードル・ドストエフスキー

因果応報だよ。僕も、あなたも。

アバドン

貴様っ……よくも生きていたな……しぶといやつめ……！

フョードル・ドストエフスキー

あなたが僕をそうしたんでしょう。

フョードル・ドストエフスキー

でも、これでもう終わり。
あなたの呪いも僕の呪いも。

フョードル・ドストエフスキー

もう、誰も傷つけない。傷させない。

フョードル・ドストエフスキー

これからは、みんなが幸せに生きれる世界に変えるんだ。

アバドン

……とんだ夢物語だな

フョードル・ドストエフスキー

夢物語だと言われても仕方がない。僕はそれほどまでの大罪を犯したんだ。

フョードル・ドストエフスキー

ゆるされるはずがない。

フョードル・ドストエフスキー

敦くんになら、なおさら。

フョードル・ドストエフスキー

……どうして、あの子をあなたのものにしようとしたの？

アバドン

なんのことだ？

フョードル・ドストエフスキー

敦くんを、いや、月の精霊様を

フョードル・ドストエフスキー

そこまでして、あなたは、認められたかったの……？

？？

ねえ、〇〇〇。

？？

あなたはよく働いてくださる。

？？

この大地で生きる父の子供たちに祝福を運んでくださる。

？？

父も、あなたの功績を褒めていましたよ。

？？

僕はとても、誇らしくて嬉しくて笑みがこぼれてしまいます。

アバドン

……

アバドン

……だから、なんだと言うのだ？

アバドン

認められたいからと、私が貴様と契約したとでも言うのか？

フョードル・ドストエフスキー

ちがうよ

フョードル・ドストエフスキー

僕と契約したのは、あなたの気まぐれでしょう

フョードル・ドストエフスキー

そうじゃなくて、どうしてわざわざ、精霊様を選んだの？

フョードル・ドストエフスキー

……いや、聞き方を変えるよ

フョードル・ドストエフスキー

どうして、預言者であるドロフェイではなく、イエス・キリストである敦くんを選んだの？

フョードル・ドストエフスキー

神の子にどうして直接手を下したの？

フョードル・ドストエフスキー

そうすれば、あなたの罪も重くなるでしょうに。

アバドン

……あの人は、私を否定した。

アバドン

私がいくら、あの人に尽くしたことか。

アバドン

その恩も忘れて、私が強くなった時、あの人は私を追放した。

アバドン

そして私を悪魔とした。

アバドン

だから、その報いを受けてもらおうと思った。

アバドン

……貴様は知らないだろうが、アツシこそが私を追放した者なのだ。

アバドン

私を追放しておいて、あの人はのこのこと貴様を護ろうとしたのだ。

アバドン

私のことは、護らなかったくせに。

アバドン

だから、あの人が救い主として、この世に降りてきた時、

アバドン

私はあの人を殺してしまおうと思った。

アバドン

幸いにも、あの人にはなぜ自身が生まれてきたのかが理解していなかった。

アバドン

だから、記憶を思い出させる前に、役目を終えて普通に人として生きてしまう前に、

アバドン

焼いて、煮て、ひどい苦痛を与えて、そして殺してやろうと、そう、思ったのだ。

アバドン

そうすれば、もちろん、神は悲しむだろう。

アバドン

そして、あの人以外の霊どもも悲しむだろう。

アバドン

……シグマも同様だ。

アバドン

記憶を思い出させる前に、とっとと私の下僕になって働いてくれればいいと思った。

アバドン

だから、私と契約するように促した。

アバドン

ニコライも、同じだ。

江戸川乱歩

……というのが、敦の生まれだよ。

国木田独歩

……あいつは、人ではなかったのか……？

江戸川乱歩

正確に言えば人ではある。

江戸川乱歩

だが、それはあくまでも肉体的な話であり、精神的には仰々しい精霊だ。

江戸川乱歩

そして、その敦と太宰がどう関係しているのかと言うと、答えは簡単だ。

江戸川乱歩

太宰は敦が人間としてこの世に降りてくる前に、洗礼を受けたからだ。

江戸川乱歩

それも、一般的な洗礼ではなく、使命的な洗礼だ。

谷崎潤一郎

使命、的……？

江戸川乱歩

ああ……血を分けた太宰に、……

江戸川乱歩

いや、シュウジにしかできない、神の子を救う天使の役割を担わせたんだ。

罪とシンデレラ

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もう……凄いしか言えない… なんか、雰囲気で理解してるけどもう二次創作とかのレベルじゃねぇ…もう凄い…！もうやばい…！ (自分の語彙力の方がやばい…)

緑川羊右

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