何が起きたのかわからなかった
朝はいつも通りだった
いつものように6時に起きて朝食の支度をする
悟志さんは洋食でトキ子さんは和食
パンを焼いて目玉焼きを作り
ご飯を炊いて焼き魚と納豆
コーンスープとお味噌汁
静(じん)さんのためのご飯を用意して
仕事に行く悟志さんを見送って
義母に文句を言われながら掃除や洗濯をする
でもこの日はいつもと違って
井川かすみ
井川トキ子
かすみさんの問いかけを無視し
トキ子さんはてきぱきと静さんの着替えを済ませ
井川トキ子
かすみさんを無視したまま出掛けていった
井川かすみ
井川かすみ
突然、家に取り残されたかすみさん
誰もいない家に一人きり
今日一日は自由に好きなことができる
そんなことを一瞬だけ期待したが
井川かすみ
井川かすみ
やりたいことなど浮かんでは来なかった
結局いつも通りに洗濯機を回して掃除をして
ベランダで洗濯物を干す
寝室を片付けてトイレの掃除をして
一通りの家事を終えて
一階の居間に戻ろうとしていた
ドンッ!!
階段の手前で背中の一点に強い痛みを感じた直後
ゴンッ!!
最初に頭をどこかにぶつけ
┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"
身体のあちこちにも痛みが走り
井川かすみ
とっさにお腹を庇ったため
手や腕にも強い痛みを感じた
階段の上から鋭い視線を感じ
薄れ行く意識の中でなんとか顔を上げると
見覚えのある人影が鋭い目でかすみさんを見下ろしていた
何が起きたのかわからなかった
目が覚めると病院にいて
全身の痛みで起き上がることができず
かすみさんは自分が何者かに突き落とされたと思った
井川かすみ
下腹部に感じる痛みに
井川かすみ
恐る恐るお腹に手を伸ばすと
そこにいるはずの小さな命が
消えていた
井川かすみ
井川かすみ
パニックになりかけた時
病室の扉が開き助産師らしき女性が現れる
佐竹美織(助産師)
井川かすみ
井川かすみ
佐竹美織(助産師)
井川かすみ
佐竹美織(助産師)
佐竹美織(助産師)
佐竹美織(助産師)
佐竹美織(助産師)
佐竹美織(助産師)
助産師の言葉に涙が溢れる
突き落とされた時の恐怖と
一瞬でも子供を失ったと思った恐怖
その両方から解放されたことによる安堵の涙だった
芳賀隆晴(産婦人科医)
芳賀隆晴(産婦人科医)
しばらくして担当医から聞かされたのは
かすみさんを更なる地獄へと突き落とす
残酷な宣告だった
井川かすみ
井川かすみ
トキ子さんと悟志さんの顔が浮かび
全身の震えが止まらなくなった
コメント
6件
続きが気になりすぎて落ち着きませんw