短編

音楽に感情を乗せて、何になるの

そんな自問自答を繰り返した

答えは、いつも決まって

｢きっと、弱いから｣

それに、限った

音楽が嫌い

好き、だから、嫌い

好きなのに、苦手だから

嫌い

に、なれればよかったのにね

中途半端で、どうしようもない

けれど、しょうがないでしょ

まだまだ成長の余地ありなのよ

そんな、言い訳を頭の中に流す

家族の声が聞こえないように

目の前のことに集中できるように

この瞬間だけは

現実から、目を背けるように

音樂に、感情を乗せる

誰かを、演じる