ライロス
痛っ!!
ライロス
なんだよこれ!?
ナレーター
ライロスの顔に風に吹かれ飛んできた何かがあたる。
ライロス
…写真?
ナレーター
ライロスはその写真を手に取り、よく見る。
ライロス
え…これに写ってんの俺じゃねーか…他の二人は誰だ?
ナレーター
ライロスの記憶には残っていない場所と人だが、自分を見間違えるはずはない。
ナレーター
~その後~
ナルサル
あー!
ナルサル
私の猫耳ニット帽…!
ナレーター
ナルサルのニット帽が強い風に飛ばされていく。
ナルサル
気に入ってるのに!!
ナレーター
ズサッ
ナレーター
音をたて、帽子は木に引っ掛かってしまった。
ナルサル
これは登んなきゃいけないやつですかねぇ…
ナレーター
ナルサルが途方にくれていると、先ほどライロスの持っていたはずの写真が足元にひらりと落ちた。
ナルサル
え、写真?
ナルサル
何これ。この帽子…私!?
ナレーター
ビュオォォォ
強い風にすぐに写真は飛んで行ってしまった。
強い風にすぐに写真は飛んで行ってしまった。
ナルサル
えぇ…よく見てないのに!
ナルサル
それにしても他の二人は誰だったんだろう…?
ナレーター
~その後~
バダリ
風、強…
ナレーター
バダリはあまりの風の強さに窓を閉めようとしていた。
ナレーター
だがその手は視界に写りこんだ一枚の紙によって止められた。
ナレーター
それはあの写真だ。
バダリ
これ俺じゃね…
バダリ
これ自撮りじゃないみたいだから他のやつが撮ってるみたいだな…
ナレーター
バダリは見たものの大体のことををすぐに分析できるようだ。
ナレーター
パシャ
ナレーター
バダリはスマホでその写真を撮ると、窓の外に写真を飛ばし、窓をピシャリと閉めた。
バダリ
この二人と会わせてくれよ
ナレーター
そう言ったバダリの右手に
ナレーター
淡い青の髪と瞳をもつ少年と
ナレーター
長い金髪にピンクのニット帽をかぶった少女と
ナレーター
短い髪を後で束ねた美しい黒髪の少年が写った新しいスマホが握られていた。
ナレーター
つづく