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七夕未満な恋物語

第6話 - 第6話　たまたま好きになったのが

2024年11月25日

#青春恋愛

#学園

#恋愛

#近親相姦

#初投稿

カレー

白鳥　大将(おおしょう)

よー！琴、お前今どこいんだ？

織姫　琴

今購買前！

白鳥　大将(おおしょう)

澄美がお前のこと探してる

織姫　琴

私もすみちゃんたちを探してたの！

織姫　琴

どこにいるの？

白鳥　大将(おおしょう)

あー！琴見つかった！よかった！

白鳥　大将(おおしょう)

今アタシ達屋上来ちゃったんだよね

白鳥　大将(おおしょう)

すまん、勝手にうたれた

白鳥　大将(おおしょう)

屋上まで来れるか？

織姫　琴

うん、今星(せい)と一緒だから

織姫　琴

琴置いてったのどこのバカだ

織姫　琴

許さねぇぞ

白鳥　大将(おおしょう)

あー、
まじでごめん、それアタシ

織姫　琴

どこのアタシだ

白鳥　大将(おおしょう)

水瓶澄美〜

織姫　琴

ご、ごめんねすみちゃん！！
星にスマホ取り上げられちゃったの！！

白鳥　大将(おおしょう)

大丈夫w

白鳥　大将(おおしょう)

こっちも白鳥(しらとり)のスマホ勝手に使ってるし

白鳥　大将(おおしょう)

じゃあ、待ってるね〜

織姫　琴

うん！

松彦　星

白鳥が喋ってんのか誰が喋ってんのか、訳わかんなくなってきた

織姫　琴

もう！星だって人のこと言えないでしょ！

織姫　琴

私のスマホ勝手に使わないで！

松彦　星

まーまー、そんな怒るなよ

松彦　星

んじゃ、屋上行こうぜ

織姫　琴

まったく…

織姫　琴

今度イタズラしてやる

ガチャン

私達は屋上に着き、ドアを開けた

白鳥　大将(おおしょう)

よー！待ってたぞ〜

水瓶　澄美(すみ)

琴〜こっちこっち〜

織姫　琴

あ、すみちゃん…！

男子生徒A

星もこっち来いよ〜

男子生徒B

おっす

女子生徒A

えー！なんで松彦と転校生の子一緒にいるのー？

女子生徒B

うわー、白鳥フラれたじゃん！

ウリウリと肘で大将が小突かれてる

とても距離が近い

白鳥　大将(おおしょう)

いやだから、アイツら双子なんだって

女子生徒B

えー！？

女子生徒A

えぇ～！？うそぉ〜！

男子生徒B

え、まじで

男子生徒A

そうらしいぜ？

松彦　星

んだよ

松彦　星

そんな珍しいか？

水瓶　澄美(すみ)

まあ、昔っからあんま似てないしな

白鳥　大将(おおしょう)

琴のほうが可愛いもんな

男子生徒B

確かになぁー！

男子生徒A

あ、お前ら座れよ！飯食おうぜ！

白鳥　大将(おおしょう)

じゃあ隣来いよ、琴

そう言われて、私は大将とすみちゃんの間に座った

女子生徒B

…………

織姫　琴

っ……

一瞬チラッと睨まれた気がした

松彦　星

おいてめぇ、琴に変なことすんなよ

白鳥　大将(おおしょう)

しねぇよ！！どこだと思ってんだ！！！

男子生徒B

おぉ！なんかすげー！複雑そー

男子生徒A

三角関係ってやつ？

白鳥　大将(おおしょう)

いいや、俺の独壇場だ

女子生徒A

へー

女子生徒A

転校生ちゃんモテるね〜

女子生徒A

私達ぜーんぜんモテないから羨ましい！

女子生徒B

確かに！もはや友達っつーか

男子生徒A

確かにな、お前らちょっとオッサンみたいだよな

女子生徒A

えー最悪！ちょっとやめてよー

なんだか、この空間苦手

織姫　琴

(星も、あんまり表情変わってないけど)

松彦　星

………………………。

織姫　琴

(たぶんイライラしてる)

女子生徒A

ねー！転校生ちゃん、ぶっちゃけどうなの！？

織姫　琴

え？

女子生徒A

だーかーらー！松彦とデキてんじゃないの？

織姫　琴

…！？……っ……っ…

昔から一番心に刺さる言葉だった。

そう、とは言えない。かといって、違う、とも… 自分の気持ちを否定してるみたいで言いたくないから

そして…

松彦　星

はぁ？

星から否定されるのが悲しかった

白鳥　大将(おおしょう)

…。

水瓶　澄美(すみ)

や、ちょっと待てって

女子生徒A

え〜だってさぁー

女子生徒A

こーんな格好良い双子いたら絶対好きになっちゃうもーん

女子生徒B

それなー笑

人の気も知らないで…

男子生徒A

そしたら星こそどうなんだよ！

男子生徒B

こんな可愛い妹いたら…なぁ？

男子生徒A

色々大変なんじゃね？www

色々？色々ってなに？

やめてよ、星まで侮辱しないで…！！

松彦　星

……………………。

織姫　琴

っ…っ…っ……

泣きそう…

こんな…どうして…

人の心を土足で入らないでよ

女子生徒A

え？転校生ちゃん何？泣いてる？

男子生徒B

え、うそ、まじなん？

男子生徒A

それってやばくね？

女子生徒B

え？なに？うちら悪いことしたー？

水瓶　澄美(すみ)

おい、流石に度が過ぎてる

水瓶　澄美(すみ)

やめな

女子生徒B

はぁ？え、ちょ、澄美まで何？

女子生徒B

なんで？この子のこと庇うわけ？

水瓶　澄美(すみ)

今は黙ってて

女子生徒A

ってか、転校生ちゃんそろそろ喋ってくんない？

女子生徒A

うちら悪いみたいで気分最悪なんですけど

織姫　琴

っ…っ…っ

織姫　琴

わ、わたし…は

情けない。消えたい。いなくなりたい。

言葉が…出てこない…

白鳥　大将(おおしょう)

悪い「みたい」じゃなくて、お前らが悪いんだよ

女子生徒A

はぁ？どこが悪いわけ？

女子生徒A

ちょっとしたノリじゃん

白鳥　大将(おおしょう)

あのな、対して仲良くないやつから突然デリカシー無いこと言われたら
びっくりすんだろ

白鳥　大将(おおしょう)

俺でも引くわ

白鳥　大将(おおしょう)

しかも、お前の言葉は明らかに敵意がある

女子生徒A

え、私だけ悪い感じ？ウケる笑
皆だって言ってたじゃん

水瓶　澄美(すみ)

アンタが一番酷かったでしょ？

白鳥　大将(おおしょう)

便乗したお前ら3人も謝れよ

男子生徒A

……

男子生徒B

………

女子生徒B

…っな、なによ！！澄美まで…！！

女子生徒B

そんな責めなくったっていいじゃん！！

水瓶　澄美(すみ)

だから何度も止めた

女子生徒B

……っ！だ、だって…！！

女子生徒A

はぁ…もう全員話通じなくて最悪なんですけど

水瓶　澄美(すみ)

……。アンタ、教室でもわざと琴の話遮ったでしょ？

女子生徒A

遮った？何のこと？

水瓶　澄美(すみ)

アタシを無理やり引っ張って琴置いていって

確かに、私が購買を探す羽目になったのは、この子達に置いて行かれたからだ。

女子生徒A

いや、それコイツだってそうじゃん！私だけじゃないし！！

女子生徒B

ち、ちがう！私はあの子いないよって言おうとしたけど…

水瓶　澄美(すみ)

もういい

水瓶　澄美(すみ)

アンタら友達だと思ってたのに

女子生徒A

………私ばっか悪いみたいじゃん！！ばっかみたい！！

女子生徒B

ま、まって…！！

バタンッ！！！

強引にドアを閉めて出ていってしまった

男子生徒A

織姫さん、ごめん

男子生徒A

調子…乗りすぎた

男子生徒B

お、俺も…

松彦　星

いいから、お前らも出ていけ

男子生徒A

……

白鳥　大将(おおしょう)

速くしろ

男子生徒B

おう…

キィッパタン…

水瓶　澄美(すみ)

………。琴、ごめんね

水瓶　澄美(すみ)

転校初日から、嫌な想いさせて

水瓶　澄美(すみ)

これ、私の連絡先。

水瓶　澄美(すみ)

受け取ってくれる？

織姫　琴

もちろんだよ

織姫　琴

ありがとう

織姫　琴

私の為に怒ってくれて

水瓶　澄美(すみ)

ううん…。

水瓶　澄美(すみ)

じゃあ、また後で

キィィッ…パタン

織姫　琴

2人も、ありがとう。
助けられてばっかりだね

織姫　琴

ほんと、情けない…

1人で部屋に閉じこもりたい。

今は、この場にいるのが、星の側にいるのが辛い。でも、助けてくれた2人の手前、そんなことできない。

白鳥　大将(おおしょう)

なぁ、琴

織姫　琴

んん？どうしたの？大将

白鳥　大将(おおしょう)

一緒に来てくれないか？

織姫　琴

え…

大将は、少し強引に私の腕を引っ張った。

織姫　琴

どこ行くの？

白鳥　大将(おおしょう)

………

大将は、さらに私の腕をギュッと掴むだけで、答えてくれなかった。

松彦　星

待て

白鳥　大将(おおしょう)

なんだよ

織姫　琴

星…

白鳥　大将(おおしょう)

なんで言い返さなかった、星

白鳥　大将(おおしょう)

大切な、「双子」が散々言われてるんだぞ

わざと「双子」という部分を強調するようだった。

織姫　琴

…それは、私も同じだよ

織姫　琴

お互い様…

白鳥　大将(おおしょう)

琴は違うだろ

織姫　琴

え…？

大将の顔を見あげた

影がかかって、表情は分かりにくかったけど

目をみてわかった。大将は気づいている。私の星への感情に。

白鳥　大将(おおしょう)

……。

織姫　琴

(そっか…大将、
全部わかってるから、私が傷つかないようにあの子達から庇ってくれたんだ)

織姫　琴

(そして…今、私の為に星と離そうとしてくれてる…)

松彦　星

「琴は違う」ってどういう意味だよ。白鳥。

白鳥　大将(おおしょう)

あ？こっちの話だ。
お前はわかんなくていい、一生な。

白鳥　大将(おおしょう)

行こうぜ、琴

大将に手を差し出された。

織姫　琴

ありがとう…大将

その手を取った時、少し心臓が高鳴った気がした。

初めて、星以外の人を選んだ。

白鳥　大将(おおしょう)

(よっしゃぁ！！初めて星に勝った！！)

白鳥　大将(おおしょう)

(やっと、俺を見た…！)

私が手を乗せた瞬間、大将は、突然ガバっと抱きついてきた。

織姫　琴

うっぷ！

力強くて、強引な男の人の抱きしめ方だった。

織姫　琴

く…苦しい…
大将…死ぬ…

私が藻掻いて顔を上に向けると、大将の顔が降ってきた。

松彦　星

！？

織姫　琴

え……

これ…キスするんじゃ…

惚けていた私が、危うく受け入れそうになったその時…

松彦　星

チッ…！！離れろ！！

織姫　琴

わ！！

白鳥　大将(おおしょう)

いって！！

大将と私は寸前で引き剥がされた

白鳥　大将(おおしょう)

わ、悪い…琴！！
び、びっくりしたよな！？
いやほんと悪い！！

白鳥　大将(おおしょう)

(あっぶね…我慢出来なかった)

白鳥　大将(おおしょう)

まあ、と、とにかくだな星

松彦　星

あぁ！？

白鳥　大将(おおしょう)

まあまあ落ち着けって！

松彦　星

落ち着けるか！！お前どさくさに紛れて何する気だった！？

星が止めなかったら、多分… 星の前で…。危なかった…。

白鳥　大将(おおしょう)

ってか、お前言ってただろ？
「俺は琴の保護者じゃない」「俺には関係ない」って

松彦　星

言った…！けど…

松彦　星

琴は別に、お前の女になったわけじゃねえだろ

松彦　星

琴に触んな

織姫　琴

…だめだよ、星

松彦　星

は？

織姫　琴

そういうキザなこと言っちゃ

織姫　琴

「双子」なのに、また変な勘違いされるよ

織姫　琴

(私が、変な勘違いしちゃうよ)

きっと、星は気持ち悪かっただろう

妹と関係を持ってるなんて、冗談でも言われて

松彦　星

あんな奴らの言う事真に受けんのかよ

松彦　星

ほっとけばいいだろ

松彦　星

俺は俺のやりたいようにやる。
俺達は何も変わらなくていい。

織姫　琴

変わらないの？

松彦　星

ああ

織姫　琴

じゃあ、小学生の時みたいに

織姫　琴

抱きついてもいい？

織姫　琴

一緒のベッドで寝てもいい？

織姫　琴

一緒にお風呂に入ってもいい？

松彦　星

は、はぁ…！？
そ、それとこれとは話が違うだろ！！

白鳥　大将(おおしょう)

(星の奴羨ましいな)

織姫　琴

違くない！

織姫　琴

何も変えないってことは、
これから幾度となく、そういう目で見られるっていうことなんだよ

織姫　琴

いくら双子でも、昔みたいに仲良くすればあんな風に言われるんだよ！！

織姫　琴

星は男で
私は女だから。

松彦　星

なんだよそれ…

松彦　星

じゃあ学校で話しかけなきゃ満足かよ

織姫　琴

私は…その方がいいと思ってる

織姫　琴

星があんな風に言われるの嫌なの！！

だって、異常なのは私だけだから。

松彦　星

ほんとは…
自分が傷つきたくないだけのクセに

織姫　琴

…え

松彦　星

大人ぶって、男だ女だ言ってるけど、

松彦　星

ただ自分のプライドを傷つけられたくないだけなんだろ？

織姫　琴

違う！！！

織姫　琴

ただ、もう少し大人になってって言ってるの！！

松彦　星

へーへー、さぞかし琴さんは大人なんですね

松彦　星

彼氏もできたことないクセによ

織姫　琴

だ、だってそれは…！！！

星のことが好きだったから

松彦　星

それは？なんだよ？

松彦　星

あー、そうか、魅力なさすぎてモテなかったんだな

松彦　星

可哀想に

織姫　琴

………！！

織姫　琴

っ…だか、ら…！！

白鳥　大将(おおしょう)

琴は、ずっと好きな奴がいたんだよ

松彦　星

は…？

松彦　星

…なんでお前が知ってんだよ

織姫　琴

………

白鳥　大将(おおしょう)

琴から聞いた

織姫　琴

うん…そう

松彦　星

……は、ぁ？

松彦　星

(知らなかった…)

織姫　琴

ずっと片想いしてた。ずっと好きだった。

織姫　琴

小さい頃から

松彦　星

そんなやついたか？

松彦　星

…誰だよ

織姫　琴

秘密。

もう、星に話すことは何もない。

織姫　琴

大将

白鳥　大将(おおしょう)

ん？

織姫　琴

行こう

今度は私が大将の手をとって、屋上から出た。

織姫　琴

…久しぶりに喧嘩しちゃった

織姫　琴

ごめんね？こんなのに付き合わせちゃって

白鳥　大将(おおしょう)

いいぜ、別に

織姫　琴

ありがとう。私に好きな人いるって言ってくれて

白鳥　大将(おおしょう)

逆によかったのか？言って

織姫　琴

うん。
あのまま言われっぱなしは

織姫　琴

正直泣きそうだったから

白鳥　大将(おおしょう)

そうか

織姫　琴

昔から口喧嘩で勝てたことないの

織姫　琴

言い負かされちゃう

白鳥　大将(おおしょう)

アイツ、ここ6年で一番喋ってた

織姫　琴

そうだろうね

織姫　琴

普段はあそこまで怒ることないだろうし

白鳥　大将(おおしょう)

なぁ、やっぱり

白鳥　大将(おおしょう)

琴って星のこと好きなのか？

白鳥　大将(おおしょう)

恋愛的な意味で

織姫　琴

………うん。
バレバレだね

織姫　琴

気持ち悪いでしょ？
多分おかしいんだよ、私

白鳥　大将(おおしょう)

何もおかしくないだろ！何がおかしいんだ

織姫　琴

だって、血が繋がった双子なんだよ？

織姫　琴

本来なら、遺伝子的に恋愛対象として嫌悪感すら湧くはずなのに…。

織姫　琴

結婚できないし、子供だって作れない

織姫　琴

犯罪なんだよ？

白鳥　大将(おおしょう)

そうなのか！？犯罪なのか！？

織姫　琴

バレちゃったらね

白鳥　大将(おおしょう)

そうか…よかった〜俺

白鳥　大将(おおしょう)

好きになったのが琴で

織姫　琴

……喧嘩売ってるの？大将

白鳥　大将(おおしょう)

違う違う違う！！

白鳥　大将(おおしょう)

いやだってほら、好きになったもんはしょうがないだろ？

織姫　琴

しょうがない…

白鳥　大将(おおしょう)

で、俺はそれがたまたま世間が認める形だったってだけだ。

織姫　琴

……。

白鳥　大将(おおしょう)

琴が俺より10歳年下でもなければ、
同じ性別でもなければ、
血も繋がってない

織姫　琴

でも別に性別なんて…最近は気にしないでしょ？

白鳥　大将(おおしょう)

でも、それなりの障害はある。
日本では結婚できないだとか

白鳥　大将(おおしょう)

子供を作るにしても、一般的な男女よりかは時間も金もかかる。

織姫　琴

そう…だね…。

織姫　琴

じゃあ、歳は？
別に10年の差なんて、大人になればザラにあるよ

白鳥　大将(おおしょう)

そりゃ、大人になればな

白鳥　大将(おおしょう)

だが、未成年時に恋愛できないだろ？

白鳥　大将(おおしょう)

つまり、俺は30になるまで琴に交際を申し込めないんだよ。

織姫　琴

あー…まぁ、確かにそうだね

織姫　琴

というか、なんか発想が気持ち悪い

白鳥　大将(おおしょう)

そういうこと言うな！！
俺もちょっと思ってんだからよ！！

織姫　琴

それなら良かった

白鳥　大将(おおしょう)

まぁ…色んな障害があっても、
俺はそれが琴なら結ばれたい

織姫　琴

え…、えぇ？
い、いきなりそういうのやめてよ！！

白鳥　大将(おおしょう)

え、これも駄目か？
気持ち悪いのか？

織姫　琴

そうじゃないけど…
も〜…。

そう大将に言っておきながらもきっと、私も同じだ。

どんな形になっても、結ばれたいと考えてしまう。

そんな気持ち悪いことを考えるのは、自分だけだと思っていたのかもしれない。

私だけじゃないんだと、大将は私に教えてくれた。

織姫　琴

………。

織姫　琴

大将は、
なんで私のことが好きなの？

白鳥　大将(おおしょう)

それは…

織姫　琴

……それは？

キーンコーンカーンコーン

織姫　琴

あ…！じゅ、授業！！

白鳥　大将(おおしょう)

いや、お前今行けんのかよ

織姫　琴

なんで？私は大丈夫だよ

白鳥　大将(おおしょう)

いや、これ言うか迷ってたんだけど…

織姫　琴

？

白鳥　大将(おおしょう)

もしかして気づいてないのか？

織姫　琴

………え？

白鳥　大将(おおしょう)

泣いてるって

頬を触ると、濡れていた

織姫　琴

わたし…なんで……

織姫　琴

い…いつから？

白鳥　大将(おおしょう)

「犯罪なんだよ？」のあたりから

気づき出すと、涙が溢れて溢れて止まらなくなった

織姫　琴

どうして？…なんで？

織姫　琴

私は…もう平気なのに…

織姫　琴

泣くほどのことなんて…っない…っのに…

織姫　琴

っ…！っ！っ………っ！

白鳥　大将(おおしょう)

落ち着け

織姫　琴

…！！！

大将に抱きしめられた。今度は、本当に優しく

優しく

白鳥　大将(おおしょう)

過呼吸になるぞ…
ゆっくり息、吸えるか？

織姫　琴

すぅっ…はぁ…
すぅっ………はぁ…

白鳥　大将(おおしょう)

そうだ。その調子

織姫　琴

っ…あり、がと…

白鳥　大将(おおしょう)

授業は大丈夫だ

白鳥　大将(おおしょう)

俺がさっき澄美に連絡して、
俺達が早退するって先生に伝えて貰った

織姫　琴

わかった…

白鳥　大将(おおしょう)

歩けるか？

織姫　琴

あ、大将…

白鳥　大将(おおしょう)

ん？

織姫　琴

ごめん、もう少しこのままっ…でもいい？

白鳥　大将(おおしょう)

いいぜ。ゆっくり、落ち着くまで、
待ってるからな。

織姫　琴

ありっがとう…

白鳥　大将(おおしょう)

ああ。

白鳥　大将(おおしょう)

(いいいよっしゃあぁぁあ！！！)

私は大将の腕の中で押し殺すように泣いたあと、早退したのだった。

松彦　星

………。

松彦　星

バカかよ…。あいつら…

松彦　星

ドアの目の前で喋ってんじゃねーよ…

松彦　星

聴こえちまっただろうが…

松彦　星

琴が、俺のこと
好きとか…冗談だろ？

俺、お前のことなら何でもわかってるつもりだったのに

なんにも、視えてなかったんだな

松彦　星

なあ、琴…？

松彦　星

俺…どうすりゃいい？

いつもの癖で、隣を見た。俺が何か困った時、全部を受け止めてくれた影を探した。

もう、いないのに

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