琉莉
ふー……
明良
どうだった?
琉莉
だーかーら!
明良
なんだよ
琉莉
一緒に出掛けて最後に
「どうだった?」
って聞くのやめてよ
「どうだった?」
って聞くのやめてよ
明良
そんなに怒ることないだろ
琉莉
だって毎回聞くから
明良
いやー、だってさ
明良
琉莉(るり)が楽しめてるかなって
気になってるんだよ
気になってるんだよ
明良
俺みたいなのに毎回付き合ってくれるしさ
明良
誘っても断らないから誘いやすくて
琉莉
そりゃあ……
琉莉
明良(あきよし)には気を遣わなかくていいから
琉莉
だからこういうことも言えるんだよ
琉莉
普通だったら
琉莉
「あ、うん、楽しかったです」
って言ってごまかすし
って言ってごまかすし
明良
それは悲しいな
琉莉
まあでも……いい映画でした、はい
明良
おー、それはよかった
琉莉
今度は聞かないでよ
明良
わかったよ
琉莉の自宅
明良
今日は楽しかった
また誘う
また誘う
琉莉
いつでもいいよ
明良
さすが、持つべきものは女友達
琉莉
琉莉はメッセージを 入れず入力中のまま放置した。
ベッドに寝転がり、天井を見つめる。
琉莉
人の気も知らないで……
琉莉
毎回告白されるかなとか思ってる自分がバカみたい
琉莉
こっちはデートだと思ってるけど
琉莉
あいつ……普通に友達と遊びに行ってる感覚だし
琉莉
もう!もうっ!
枕を叩き、顔を埋める。
琉莉
うぅ……今度こそこっちから言う!
琉莉
絶対に言う!
琉莉
「好きです!」って言うだけだから!
琉莉
それで……言ってやる
琉莉
「告白されて、どうだった?」って
琉莉
言ってやるんだから……
琉莉は枕を抱きしめて まぶたを閉じる。
今日の明良とのお出かけを もう一度再現できないかと 思いながら。