朔久
朔久
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ガチャっと音がなり、一矢が出ていく。
時刻は6時。きっとこれから真面目な一矢のことだ。きっと宿題でもやるのだろうか。
まぁ、集中するだろうから、声掛けちゃダメか。
kn
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きんときが、怒ってる、というか戸惑っている。
俺のことをあだ名で呼ばずに本名で言ってきているくらいには。
声色は優しいよ?優しいけど……
どこか母さんに似ている……
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kn
その笑顔もニセモノみたいに見えてしまう。
kn
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なんでそれ……
kn
違和感……
感じた。感じたけど……
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あんな笑顔に愛情なんてあった?
いつも俺に優しく微笑みかけたのはシャケ兄だ。
シャケ兄とは、喧嘩したりもするけど、仲が良かった。
シャケ兄が笑うと俺も嬉しかった。
母さんは?
確かに優しい。
kn
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いや、俺が思い込んでいるだけかもしれない。
母さんは、動物や異形を「可哀想」と思う、あの瞳で俺を見ている気がする。
ただの「家族ごっこ」をするためだけの表情だった気もする。
シャケ兄の方が、本物で、母さんがニセモノ?
母さんがホンモノで兄さんやきんときが偽物?
ほんとに俺の意思で学校決めたっけ?
確か、学校のパンフ貰って……
あれ?俺って他のパンフ見たことあったっけ?
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少しの「違和感」が亀裂のように大きくなっていく。
kn
きんときの言葉が、確認が、余計に亀裂と亀裂を引き剥がして、間を大きくさせていく。
kn
夜は、好きだ。
自由な時間が多いから。
でも、今は、今は、
夜が来て欲しくない。
nk
さっきまでの雰囲気が嘘のように静かに課題をやる俺たち
そんな沈黙を破ったのは……
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母親
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kn
あ、きんとき疑ってる。
あんなふうに笑っているきんときは、だいたい相手のことを信用してない。
わかってるけど……傷つくなぁ。
母親
kr
母親
母親
kr
ドタドタときりやんが普段と少し違うように階段を駆け上がっていく。
なんであんなに焦ってるんだろうか。
母親
母親
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母親
母親
母さんは口を孤にして笑う。
nk
シャケ兄のじゃ……
母親
母さんの有無を言わせない顔。
何も言えなくなってしまう。
kn
母親
kr
母親
ひょっこりと顔を出したきりやんと、そちらに視線を向けた母さん。
この後の時間は、息が重たいものばかりだった。
kn
nk
もう何が何だか分からない
時が過ぎてしまって欲しいのか、過ぎて欲しくないのかよく分からない。
喉がへばりつくように重たい。
ガチャ
静かな部屋だからか、音が聞こえてくる。
kn
俺はただ黙ってきんときについて行くことしかできなかった。
shk
帰りたく、ないな。
帰ったって暴力と嫌味しか待っていない。
帰らなくていいなら帰りたくない。
逃げたとしても、大人でもないし、お金もない。
でも帰らないといけない。
物語のように優しい大人に拾ってもらえる訳では無い。
給料は貰った。
でも、これだけで生きていけるほど世の中は甘くない。
でも帰ってしまったらこんななけなしのお金もなくなってしまう。
ともさんとかあのお店の人にはお世話になってるから、給料から必要な分だけ引いて、後で何かプレゼントしようかと思っていたけれど(直で金を渡そうとしたら断られた。)
給料が少ないとか言って、また母さんに殴られるのかな。
でも入らないと。
ガチャ
さぁ、また耐えよう。
コメント
16件
やばい次たのしみ
あら、こんなとこに神作が() いや、ええっすね、こーゆーけー、w
カミサク見つけたぁぁぁ!!!