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渋谷大
渋谷大
渋谷大
引き攣るように震える声が、必死に言葉を作り出す
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
音と共に、目元に揺れていたものもボロボロと崩れ始める
噛みつきそうな唇はときおり戦慄いて、笛のように高い音を漏らしていた
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
もはや聞き取ることすら困難な言葉がこぼれ落ち
胸倉を掴んだままの腕にシミを作る
それでも静かに渋谷を見つめるばかりで反応を見せない久留間に
渋谷がさらに言い募ろうと唇を開いた時だった
久留間悟
久留間悟
困ったように破顔し、泣き笑いの表情で額を合わせる
久留間悟
久留間悟
指先に髪を絡め、冷たさを感じながら向き合った目元に吸い付く
熱を持ったその場所が、かすかな塩分をより濃く思わせた
渋谷大
渋谷大
久留間悟
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
渋谷大
久留間悟
また額から血の気が失せていく姿に不安を覚えつつ
それでも仕方ないと納得できてしまう
もはや別方面に向けて決断を下すほかないと腹を決め
久留間は中空に視線を向けた
久留間悟
久留間悟
その言葉に、渋谷の肩が震える
握り合った指先に力が入るのを知った上で、あえて無視した
ふわりと空間が膨れ上がり、そこに黒い翼が現れる
やがて姿を見せた淫魔は、機嫌良さそうに唇に弧を描いていた
サキュバス
サキュバス
サキュバス
結果を確信している笑みに、久留間の目がわずかに逸れる
それが不愉快の表れであることを察して、渋谷は口を噤んでいた
風を切る音が耳に届き、凹凸の緩やかな淫魔の体に札が投げつけられる
サキュバス
久留間悟
久留間悟
久留間悟
口元は笑みを作りながら、その目はわずかの喜色も浮かべない
その不気味さになにか感じたのか、淫魔はそれきり
文句を言うこともなく従った
素直な様子に今度こそ笑みを浮かべ、久留間は一度視線を落とす
久留間悟
久留間悟
久留間悟
久留間悟
久留間悟
久留間悟
柔らかな目が渋谷を映す
久留間悟
久留間悟
久留間悟
久留間悟
対し、怒りを孕んだ視線が淫魔へ向けられる
その展開に明らかに動揺した様子で息をのんだ淫魔は
ようやく言葉を落とした
サキュバス
その音に感情はない
当然の結果が得られなかった衝撃か、それとも過ぎた怒りからか
そこにはなんの起伏も含まれていなかった
しかし揃って見上げる久留間と渋谷の表情を見下す中で
淫魔は陰惨に笑ってみせる
サキュバス
サキュバス
サキュバス
サキュバス
サキュバス
サキュバス
サキュバス
久留間悟
久留間悟
久留間悟
サキュバス
サキュバス
サキュバス
早口で唱えられた一つの祝詞に、淫魔の表情が一変する
嗚咽し、舌を出し、まるで内臓を吐き出さんばかりの苦悶の表情に
久留間は静かに肩の力を抜いた
久留間悟
久留間悟
久留間悟
サキュバス
サキュバス
久留間悟
久留間悟
久留間悟
渋谷大
あまりの苦しみように、見かねた渋谷が制止に入る
それに唇を尖らせた表情だけで返答し、不本意そうに肩を竦めた
久留間悟
久留間悟
久留間悟
肩で息を繰り返す淫魔を労ることもなく言い放つ
それを恐怖と好奇の目で見遣り、淫魔はなお笑って見せた
サキュバス
サキュバス
久留間悟
久留間悟
久留間悟
サキュバス
サキュバス
久留間悟
心からの笑みを見せ、穏やかに表情を緩める
久留間悟
久留間悟
久留間悟
久留間悟
久留間悟
渋谷大
渋谷大
久留間悟
横から入ったツッコミを、ぴしゃりと跳ね返す
しかし渋谷もまたそれを楽しげに笑って、淫魔を見つめた
渋谷大
渋谷大
まっすぐに放たれた言葉に棘はない
けれど聞く者の胸を痛めるような切なさで絞り出された声色に
淫魔は大きな息を吐きだした
サキュバス
サキュバス
サキュバス
サキュバス
愚痴るように呟き、キツい目つきで二人を睨みつける
サキュバス
サキュバス
サキュバス
サキュバス
憤慨した様子を見せて羽ばたいた淫魔の指先が
久留間の札を難なく引き剥がして焼き捨てる
そのまま赤い舌を出し、吐き出されたわずかな唾液が
久留間の手首につけられた傷を消し去った
久留間悟
渋谷大
サキュバス
サキュバス
サキュバス
サキュバス
瞬間、淫魔は無数のコウモリになって窓から飛び去っていく
それを半ば呆然と見送って、二人は顔を見合わせた
渋谷大
久留間悟
渋谷大
久留間悟
久留間悟
渋谷大
渋谷大
渋谷大
久留間悟
渋谷大
久留間悟
渋谷大
渋谷の指先が久留間の手を取り、腫れのあった手首をなめる
久留間悟
咄嗟に、感情を制御しようと目を逸らす
しかし渋谷が緊張する様子も、痛みをこらえる様子もないことから
どうやら本当に呪いが消えたらしいと胸を撫で下ろした時だった
ちゅ、と音を立てて手首に口づけ
乱れた白い髪の向こう側で艶然と笑みがこぼれる
渋谷大
眩暈がするほどの色香に、思わず天を仰ぐ
まずはカタヅケ完了の報告をしに戻るのが最優先ではあるものの
よくぞこれを一週間以上我慢できたと自分を褒めたい久留間だった