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第1話 - 絶望、そして出会い

2023年02月11日

#ファンタジー

#コメディ

#創作

#バトル

バシオ

ユウ

“ハァ、俺って何で産まれてきたんだろう。”

森の中を貫く街道の端で、一人の少年ユウは蹲っていた。

ユウは森の中にある小さな村に住んでいたのだが、三日前……。

村長

もう食料が底をつきかけている。

村人1

どうしますか？このままでは我らは飢え死にですよ。

村長

そうだな。また、あれをするしかない。

村人1

人を減らすんですね。誰にしますか？

村長

そうだな……。

村長

だったらユウがいいだろう。あいつ、役に立たないくせに飯だけはいっちょ前に食べやがる。

村人1

そうですね。そうしましょう。

そしてユウは村から追い出されてしまった。

ユウ

“とりあえず、首都まで行こう。あそこならなんとかなりそうだ。”

しかし、村から首都までは歩いて4日かかる。しかしユウはあと1日のところまで来ていた。

ドン！

ユウ

！？

冒険者1

……チッ。邪魔だ。

ユウ

あ、す、すみません。

冒険者1

……。

ガッ！

ユウ

え？

ドサ！

ユウ

う……。

冒険者1

ダッサ。この程度で倒れるとか。

冒険者2

おいおい、こんなやつに構ってないでさっさと行こうぜ。

冒険者1

だな。

スタスタスタ

ユウ

“……チッ。何で俺がこんな目に遭わないといけないんだよ。”

ユウは起き上がると首都の方へ歩き出した。

その日の夜

ユウ

“今日はここで寝るか。”

ユウは街道脇の岩陰で夜を明かそうとしていた。

ユウ

“ここをこうして……。よし。”

ユウは地面に落ち葉を敷くとそこに横になった。

ユウ

“後は落ち葉を自分にも乗せてっと”

実はこの森では魔物が出るのである。

ユウ

“いやでも、ここまで魔物に遭遇してないのは運がいいな。”

ザクザクザク

ユウ

！？

ユウ

“何かが近づいて来る……。もしかして魔物か！？”

ユウは落ち葉を顔の上まで乗せ、なんとかやり過ごそうとした。

ユウ

“早く過ぎ去ってくれ……。”

冒険者の女性

……あ、ここいいじゃん。

ユウ

“ん？女性の声？”

冒険者の女性

よし、一休み〜っと。

ドサ！

ユウ

うぐ！！

冒険者の女性

ん？

女性は辺りを見回した。

ユウ

あ……あの……。

冒険者の女性

え？……うわぁ！！

ようやく女性はユウの存在に気がついた。

冒険者の女性

あんた何者よ！！

スラッ

ユウ

え！ち……ちょっと待ってください！俺ただここで寝てただけなんで！剣しまってください！！

冒険者の女性

嘘を付くんじゃない！！私がここに来ると分かって待ち伏せしてた魔物でしょ！！

ユウ

いや俺人間ですよ！！

冒険者の女性

こんな時間に手ぶらな人間がこの森に居るわけ無いでしょ！！

ユウ

“それはごもっとも……じゃなくて！”

ユウ

ホントに人間ですよ！！

グｳｳｳｳ……。

ユウ

……あ。

冒険者の女性

ふぅん。私を襲って食べようって所かな？

ユウ

いやいや、ホントに違いますって！！

冒険者の女性

そのような魔物は成敗してくれる！！

ユウ

うわぁ！

ブン！

ユウ

“や……やられる……。”

ユウ

………。

ユウ

“……あれ？”

ユウ

“斬られて………ない？”

冒険者の女性

ふ……あははは！

ユウ

……え？

冒険者の女性

いやなんで君が身構えてるのさ。

ユウ

いやだって、あなたが俺を斬ろうと……。

冒険者の女性

私が斬ったのは君の後ろに倒れてるやつよ。

ユウ

え？

ユウは後ろに振り向いた。

ユウ

え……いつの間に……。

冒険者の女性

君を狙ってたみたいだね。私が来なかったら今頃君は奴のお腹の中だったわよ。

ユウ

ひぇ～。

ユウ

え、でも俺、落ち葉でカモフラージュしてたんですけど。

冒険者の女性

ああそれ意味ないよ。こいつ、鼻がよく効くから。

ユウ

なんてこった……。

冒険者の女性

ところでさ。

ユウ

はい？

冒険者の女性

何で君は手ぶらでこんなところにいるの？

ユウ

えっと、それは……。

ユウ

グｳｳｳｳ。

冒険者の女性

あらら、お腹空いてるの？

ユウ

はい。実は三日も何も食べていなくて。

冒険者の女性

三日も！？そりゃあお腹空くわね。

すると女性は持っていた袋から何やら食材を出し始めた。

ユウ

えっと、何を……。

冒険者の女性

何ってご飯作るのよ。君のも作ってあげるね。

ユウ

え！？いいですよ！お気になさらず！

冒険者の女性

遠慮しなくていいのよ。

女性は袋からさらに小刀と串を取り出すと、食材を適当な大きさに切り、串へと刺していった。

冒険者の女性

あと、火を起こさなきゃだね。ねぇ君。

ユウ

はい？

冒険者の女性

適当に木の枝とか集めてくれない？

ユウ

わ……分かりました。

ユウは言われた通り、木の枝を集めると女性の元へ戻った。

冒険者の女性

うん、ありがと。じゃあこれに火をつけてっと……。

火を付けるとみるみるうちに大きくなった。

冒険者の女性

後は火の周りに串を刺して……、よし。

冒険者の女性

焼けたら好きなの取っていいからね。

ユウ

あ……ありがとうございます。

冒険者の女性

それでさ、さっきの質問なんだけど。

ユウ

何で手ぶらなのかってことですか？

冒険者の女性

そうそれ。

ユウ

実はですね……。

ユウはこれまでの経緯を簡単に説明した。

ユウ

……とまあ、こういう訳でして。

冒険者の女性

そうだったんだ。大変だったんだね。

ユウ

はい。なので、お姉さんと会えたのは嬉しかったです。……斬られると思いましたけど……。

冒険者の女性

ごめんって。ああしなかったら倒せなかったのよ。

ユウ

わかってます。俺怒ってないので謝らないでください。

冒険者の女性

うん。君って優しいんだね。

ユウ

俺がですか？

冒険者の女性

普通斬られそうなった相手には怒るでしょ？でも君からは全然怒りを感じないからね。そういうところ、いいと思うよ。

ユウ

あ……ありがとうございます？

冒険者の女性

何で疑問符付けるのよ。

ジュゥゥゥゥ。

冒険者の女性

お、そろそろいい感じじゃない？

女性は串を一本取ると美味しそうに食べ始めた。

冒険者の女性

む？君も食べな？

ユウ

あ……じゃあいただきます。

ユウも串を取ると一番上にあった肉を口に入れた。

ユウ

お……美味しい……

ユウは久しぶりの食事に思わず涙が出てきた。

冒険者の女性

大丈夫？

ユウ

はい。ちょっと感動しちゃって。

冒険者の女性

ふふ。まだいっぱいあるからどんどん食べてね。

ユウ

はい、ありがとうございます。

この後ユウは串焼きをお腹いっぱいに食べたのだった。

翌朝

ユウ

ふぁぁぁ。

冒険者の女性

お、起きた？おはよう。

ユウ

あ、おはようございます。

冒険者の女性

ぐっすり眠れた？

ユウ

はい、おかげさまで。

冒険者の女性

それは良かった。

すると、あるいい匂いがユウの鼻に入ってきた。

ユウ

？朝食、作ってるんですか？

冒険者の女性

そうよ。食べる？

ユウ

いいんですか？

冒険者の女性

もちろん。

ユウ

ありがとうございます。

ユウは起き上がり、女性のそばまで寄っていった。

ユウ

うぁ、スープですか？めっちゃ美味しそうですね。

冒険者の女性

でしょ？私、鍋を使う料理は基本的に得意なのよ。

ユウ

そうなんですね。

冒険者の女性

さ、温かいうちに食べよ？

女性はユウの分を取り分けてくれた。

ユウ

じ……じゃあ、いただきます。

冒険者の女性

どうぞ。

ズズズッ

ユウ

あ～、美味しいです。落ち着く味ですね～。

冒険者の女性

良かった。気に入ってもらえて。

ユウ

あの、ところで……。

冒険者の女性

ん？どした？

ユウ

俺たち、まだ自己紹介してませんでしたよね？

冒険者の女性

あ、そうだっけ？

ユウ

はい。まだ俺、お姉さんの名前知りませんから。

冒険者の女性

あ、そうか。私もまだ君の名前聞いてなかったわね。

ユウ

じゃあ俺から。

ユウ

俺はユウって言います。

冒険者の女性

ユウ君か。いい名前だね。

ユウ

ありがとうございます。……それで、お姉さんは……？

フレア

私？私はフレアよ。よろしくね。

ユウ

フレアさんですね。よろしくお願いします。

その後二人はスープを食べ終えると片付けなどをぱぱっと済ませた。

フレア

よし、それじゃあユウ君行こっか。

ユウ

え？行くってどこに……。

フレア

首都によ。ユウ君、行く宛無いんでしょ？だったら私と一緒に冒険しない？

ユウ

え、い……いいんですか？

フレア

いいわよ。あとユウ君、服がボロボロだから新しいの買ってあげる。

ユウ

あ……ありがとうございます！フレアさん！

こうして二人の旅は始まった！

作者

最後にここで登場人物を軽く紹介！

ユウ

あ、ども。

作者

自己紹介よろしく。

ユウ

名前　ユウ。
主人公で十六歳。引っ込み思案で内気な性格。いつも自分に自信を持てないでいる。（フレアへのフォローが難しい……）

作者

ありがとう。次は……。

フレア

私ね？

作者

そうそう。では自己紹介よろしく。

フレア

名前　フレア。
各地の伝説や祟などを調べ回ることが好きな冒険者。
明るく前向きな性格。おっちょこちょいでたまにとんでもないミスをすることがある。

作者

ありが……て、マジで？

フレア

ん？何か問題でも？

作者

いや、特にはないけど……。

フレア

そう……。

作者

（フレアさんのこのキャラ設定、この先大変なことになりそうだな……。）

フレア

ん？今、とんでもなく失礼なこと考えてなかった？

作者

い……いえ！滅相もない！！

フレア

そう、では次回もよろしく〜。

作者

あ！それ俺のセリフですよ！

ユウ

主人公の俺のこと忘れないでくださ〜い！！

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