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※百合
※この物語はフィクションです
かれん
冷静な言葉とは裏腹に心臓はうるさかった
かれん
あまりにも図星だった
まいの言う通り私はなつみさんのことは好きでも嫌いでも無い
かれん
かれん
この作戦はゆのが指示しているとは絶対に言ってはいけない
ゆのがなつみさんとイチャイチャしたいから協力してなんて納得してもらえないだろう
かれん
まい
まいはヘラヘラと笑いながら、こっちの出方を伺うように話した
私がなつみさんのことを嫌いじゃない明確な理由は無いみたいだ
かれん
かれん
私はなんとかそれらしい回答を絞り出した
まい
まいは黙っている。こちらを見定めるように
身長差も相まってこちらを見下しているようにも見える
まいはしばらく黙ってようやく口を開いた
まい
まいは言葉に含みを持たせると、さらに私に近づいた
かれん
私にはもう後ずさる壁はない
もう体が触れ合ってもおかしくない距離だ
かれん
かれん
私は少し強気になり言い返した
まい
まいは淡々と話す
まい
私はそう言うと、かれんの後ろの壁に手をついた
かれん
物理的な威嚇をした後、私はかれんの目を見つめた
かれんは硬直している。声も出ないようだ
まい
まい
たまきを見ていたらどんなに鈍感な私でも察する
それほどまでにたまきはあの女を憎んでいたし、かれんの演技は下手くそだった
かれん
まい
かれん
かれんは気まづそうに私から目を逸らした。かれんにしては珍しい仕草だった
まい
結局かれんは姫なのだ
ずっと温室で大切に大切に育てられきたんだろう。人を憎むなんて哀れな行為知る由もない
まい
まい
私は優しい甘ったるい声を出した
かれん
かれんは人に嫉妬や劣等感を感じないんだろう
むしろ羨望の眼差しを向けられる側の人間
なのにどうしてこんな行為をしているのか。理由はただ一つだ
まい
私はゆったりとかれんを抱きしめた
まい
そうこれでいい
人間は圧力をかけるよりこうやって優しく抱きしめて甘い言葉をかけてやれば簡単に口を開く
まい
特にかれんみたいな箱入り娘には効果的だろう
かれん
まい
まい
こうすれば男だろうが女だろうが、簡単に心を許し自分から弱みを吐く
人間は単純なんだ
こうすればきっとかれんだって簡単に堕ちる
まい
かれん
その瞬間ブザーのような轟音が部屋中に鳴り響く
まい
私は反射的にかれんから離れた
まい
私はかれんの手元にあるハートのキーホルダーらしきものを視認した
まい
私が2、3歩下がるとかれんは防犯ブザーを止めた
そしてかれんは私に向かったカッターを突きつけた
かれん
かれんは震えながらもしっかりとこちらを見ていた
まい
まい
私が適当に喋るとかれんは話し出した
かれん
かれん
かれんはそう言い放った
その目には決意までもが感じられた
まい
まい
私はかれんに背を向けた
どうせかれんは私を刺したりしてこない。いや、できない
まい
まい
私はドアノブに手をかけて、かれんの方をゆっくりと振り返った
まい
私は確認した。本当に重要なことを
かれん
かれんは迷いなく答えた
少しだけ安心したのか震えはおさまっている
まい
まい
私はわざと明るい声を出した
まい
まい
私はそう言うと部屋から出た
そして強めにドアを閉めた。最後の牽制を表すように